生活スタイルをデザインする~家具メーカー「マルイチセーリング」に学ぶ~
日経電子版の記事【時代に合わせたソファ次々と マルイチセーリング】は、私達の日常生活に溶け込んだソファというアイテムで、生活スタイルの変化を模索してきた家具メーカーをリポートしたものです。
さっそく記事からその流れ、変化対応するソファを整理してみると――
▶変化対応するソファ
① 第2次世界大戦時、生まれ故郷の越前市に疎開を契機に創業。
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創業当時~応接間に置かれるような高級ソファ・洋風椅子の製作。
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② 家族団欒の生活シーンが和室からリビング(洋間)に。
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1975年~肘掛けのない、リビングの大きさに合わせて組み合わせて
使える手頃なソファを開発。
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③ 大ヒット、そして、急激な出荷の伸び悩み。
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利用状況を調べると、ソファに座らず、背もたれとして使われていた。
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1982年~脚のない、こたつに入りながら座椅子のように使えるソファを
開発。
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④ 今も続く人気商品に。
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⑤ 趣味の多様化により、長時間1人で座れる椅子が求められるはず。
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2019年最新作~軽く、よくしなるため、長時間座っていても疲れにくい
カーボンファイバー製の1人がけ椅子を開発。
こうしてみると、後から見れば一見当たり前のように思えるデザイン、組み合わせられるソファーや脚のないソファーといったデザインも、現実に、その僅かのようでいて大きな変更点に気付くには、ユーザーの生活シーンをイメージするスキルが不可欠である事が良く分かります。
そして、重要な事は、その生活シーンのイメージが、単に調査によって浮かび上がってくるユーザーの『ニーズ』に留まらず、ユーザー自身も気付いていないような生活シーンの先取り=『インサイト』に肉薄している事である、と考えられるのです。
▶生活シーンのイメージ
ユーザーの生活シーンの調査⇨『ニーズ』
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ユーザーの生活シーンの先取り⇨『インサイト』
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