見出し画像

『株式給付信託』~株が喚起するモチベーション~

 日経電子版の記事【セイノーHD、株式給付信託を導入】は、社員に報酬として自社株を与える施策=企業の資金で信託銀行が株式を購入し必要に応じて従業員に交付する『株式給付信託(日本版ESOP)』の制度に関する、ごく短いですが示唆に富んだリポートだと思います。



 株をやっている方なら誰でもご存知のように、企業が実質的なインパクトのある施策やその業績を開示すると、株価は跳ね上がり、そのインパクトの性質いかんでは、株価はさらに長期にわたって上がり続けます。もちろん、逆の場合、ネガティブな情報が出た時は、株価は下落します(ただし、『悪材料出尽くし』として株価が反転したり、『達成感あり』・『材料出尽くし』で好材料が出た直後に急落する場合があるので注意が必要です)。

 この事は、その企業で働く者にとっては、自分達の取り組み・事業・施策が、最も分かり易い形で市場から評価される事である、と言えます。

 ですが、実際に、つぶさに自分の所属する会社の株価を追いかけて一喜一憂している、自分達のやっている事への評価として真剣に受け止めている人はどの位いるでしょうか?



 現実には、実際に株を所有していないと、ダイレクトな喜怒哀楽は湧いてこないとしても、何ら不思議はありません。

 そこで、社員に対する報酬の一部が『株』という事になるとどうなるか?――社員一人ひとりの仕事に対するモチベーションは、格段に上がりそうなことは容易に想像がつきます。

 『株式給付信託』は、社員のモチベーションを喚起する起爆剤と言っていいのではないでしょうか(株にはリスクもあるので、妥当なポートフォリオである事を前提に)。

▶『株式給付信託』の効果

① 業績をあげる努力、モチベーションの向上

② 努力の結果、会社の収益力が高まれば、配当も増える

③ 従業員が投資家と同じ目線を持ち、健全経営を意識する緊張感が。

④ チーム全体のモチベーションが上がり、職場が活性化する。

⑤ 会社と社員の一体感が増し、人材が定着する。



#COMEMO #NIKKEI

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?