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代替品が新たな価値となる時~「別のモノ」から「新しいモノ」への脱皮~

 日経電子版の記事【若者がはまる0%ビーフ 「植物肉」が味な進化】は、代替品としてスタートしたものが、独自の進化を遂げて、新たな価値を持った商品へと成長する様子をリポートしています。


 まず、記事などから、大豆ミートが辿ってきた道のりを整理してみると――

▶『大豆ミート』の進化の歴史

(第1の波)・・・70年代初め・・・ビーガン向け・・・健康食品・・・肉の代替品

(第2の波)・・・80年代半ば・・・購入層は限定的・・・健康食品・・・味が少し改善

(第3の波)・・・現在・・・若者中心に広がってきた・・・一般の食品・・・おいしい


 この植物肉の進化の歴史を見てすぐに気付かされるのは、おいしくなった事、『美味』であるという要素が決定的な役割を果たしているという事です。

▶『植物肉』の美味

① 本物みたいな見た目

② 本物みたいな食感

③ おいしい

 

 そして、この『見た目』、『食感』、『味覚』の3拍子揃った『美味』を実現したのは、材料を分子レベルまで分析するフードテックの力でした。フードテックによって商品の価値が押し上げられ、肉の代替品でしかなかったものが、肉の競合品へと成長したのです。

 肉とは「別のモノ」という位置づけから、全く「新しいモノ」へと脱皮した、と言えます。

 テクノロジーの力によって普及を阻んでいたキャズム(この場合は味)を乗り越えた時、その商品は新たな価値を見い出すことになる、『大豆ミート』はその典型的な事例だと言えそうです。



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