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『天使の翼』第12章(3)~吟遊詩人デイテのネバーエンディング・アドベンチャー~

 一陣の風が砂埃を舞い上げた。夕方というほどではないが、陽がだいぶ傾いてきたようだ。とにかく寒い。
 わたしは、改めて自分の身なりを見直した――その時のわたしはとても混乱していて、物事の優先順位を主体的に考えられるような状態ではなかった――。わたしのヘビー・ローテーション、お気に入りの黒のコート、旅人の頼もしい味方、全天候型のごつい黒のブーツ……そして、ラプラスの宇宙港にあったジーンズ屋さんで買った素敵なロングスカート――
 「ギター!」
 わたしは、叫びそうになって口元を押さえた。
 泡を食って周囲を見回す、二回転、三回転……あった!
 わたしは、ぎょっとした。――わたしのギターとバッグが、まるで置き揃えたかのように、低木の根元に立て掛けてある……

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