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『天使の翼』第12章(50)~吟遊詩人デイテのネバーエンディング・アドベンチャー~

 わたしの心を読んだかのように、母獣が、光の中に進み出てきた――
 (なんて立派なの!)
 8標準メートルではおさまらない……10メートル以上あるわ!
 堂々たる体躯、そして、1メートルはあろうかという角の生えた威厳のある顔……でも、女性であることは間違いない、絶対に。
 (女性とは何なのか、定義を書き直す必要があるわね……)
 わたしは、彼女に歩み寄った。
 彼女も、頭をわたしの眼前に下げてきた。
 ちらと彼女の背後を見ると、暗くて色はよく分からないが、それでも明らかに皮膚の模様の異なる、一匹一匹個性の違いの際立ったデビル達が、狭い洞窟の中に押し合うようにしてひしめいていた。ここは、デビルの巣か、少なくとも通り道の類だったのだ……わたしの登ってきた山道は、デビルの獣道だったって事!……何に使ってるのかしら?…………

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