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『天使の翼』第12章(51)~吟遊詩人デイテのネバーエンディング・アドベンチャー~

 わたしは、彼女の鼻息に我に返って、改めて、人の頭位も大きい彼女の丸い目と見詰めあった。妙な話だが、この近さだと、彼女の両目を見るのは無理で、右目だけを見詰めた。
 『あなたは、とても優しい人、感謝するわ』
 わたしの心の中に――何とも表現しようがないのだけど、わたしの胸の辺りに声がするのだ――労せずして言葉がこだました。
 「とんでもない。良くなるといいのだけれど……いったいあの娘に何があったのかしら?」
 『デビル・ハンターの仕業よ』
 「えっ、ハンターの?」
 『あの皮の正体は、巨大な海の生き物、そして、ロープの使い道は、私達を捕まえる時の投げ縄……。ハンター族をよく言うつもりは全くないけれど、本来はあんなふうに絡まったりするものじゃないわ』

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