『天使の翼』第10章(126)~吟遊詩人デイテのネバーエンディング・アドベンチャー~
わたしとローラは、絶叫するのもほどほどにして、商品の棚に取り付いた。
その時になってようやく店の奥から出てきた主人――年配の、上から下までジーンズで決めた渋いお父さんが、特にいらっしゃいを言うでもなく、ニヤニヤしてわたし達の夢中な様子を見ていた。
シャルルと何か話している様子だったが、もうどうでもいい、って感じ……
もし、シャルルから止められなかったら、どれだけ買っていたか分からない――ローラと違って、本当は日用品以外何も買う必要はないのに。もし、これが普通の、何もな