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ビジネスを考える

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2020年3月の記事一覧

《連続投稿451日目》生まれ変わる農業~6次産業化のポテンシャル~

 日経電子版の記事【長野のそば栽培のかまくらや、初のそば店を開業】では、安曇野地区の耕作放棄地などを再生して「そば」を栽培し、直営そば店や「そば」を使った独自商品を販売する店舗を運営する「かまくらや」(長野県松本市)がリポートされています。  この記事の事例は、農業などの第1次産業が、食品加工などの第2次産業、そして、食品販売・外食などの第3次産業も兼営する『6次産業』の事業展開の好例、ケーススタディーだと思います。  そもそも、農業が6次産業化することには、耕作放棄地や

《連続投稿450日目》箪笥の着物が日傘に!~これは究極のリサイクルかも知れない~

 日経電子版の記事【あきざくらの山村代表、たんすの着物 鮮やかな日傘に 女性起業家 市場を拓く(3)】では、所有者から着物を預かり⇨国産の部材にこだわって手作りする国内では数少なくなった傘職人に製造を委託して⇨完成後に所有者に引き渡す、という興味深いビジネスモデルがリポートされています。  この記事を読んで驚かされるのは、何と言っても次のくだりではないでしょうか―― 「(記事より)着物は取得価格で兆円単位のたんす在庫があるという推計もある一方、リサイクル店に持ち込んでも需

《連続投稿449日目》倉庫型店舗からメディア型店舗への転換~小売のパラダイムシフト~

 日経電子版の記事【「買いたい」引き出す 次世代AI店舗の正体】は、デジタルサイネージやタブレットと決済機能の付いたレジカートなどで、店舗のメディア化を推進する大手ディスカウントストア「トライアルカンパニー」を追ったリポートです。  そもそも、小売の歴史を紐解くと、最初『掛売+配達』であったものが、『現金+持ち帰り』のシステムに変わったのが第一の大きな変化ではないでしょうか。  この変化によって経費が大幅に節減され廉価販売が可能となったのですが、当初、このシステムは、来店

《連続投稿448日目》リバーシブルショップ

 日経電子版の記事【ワークマンが「二毛作店」 作業員も女性も取り込み】では、デジタルサイネージやBGMをフル活用して、作業現場へ出勤前の早朝や仕事上がりの夕方以降の来店が多い作業員と、ワークマンプラス向けの昼間の一般客とを、それぞれ別の店の顔で迎えよう、という興味深い施策がリポートされています。  確かに、来店客の客層が時間帯によって変わる、という現象は、ワークマンに限らず、様々な業態、リアル店舗で見受けられる事だと思います。例えば、ランチタイムとそれ以外でお客の顔ぶれ(近

進化する組織と停滞する組織

 日経電子版の記事【京都で大学経営 日本電産・永守会長「教育に風穴開ける」】は、「(記事より)批判だけでなく、自分で大学を経営してみよう」という永守氏の、ある意味痛快な教育批判です。  さっそく、記事を参考に、それら指摘事項、日本の大学の問題点を整理してみると―― ▶日本の大学の問題点(1)「(記事より)大学の偏差値と入社後の仕事ぶりには何の関係も   ない」   ⇨ 偏差値と仕事のポテンシャルは無関係。だったら、偏差値とは何    なのか?大学とは何なのか?    (

ご当地食の経済効果

 日経電子版の記事【マヨネーズ好きな町は? クイズで巡る「ご当地食」】は、1世帯当たりの消費額で意外な地域が意外な食べ物でトップに立つ状況をクイズ形式で紹介している記事です。  この興味尽きない記事から、それでは何故その地域がトップになったのか、その理由と考えられる部分を整理してみると―― ▶何故トップになったのか?① ベッドタウン化で子育て世代が増え、時短調理である鍋物が好まれる。 ② 太平洋戦争中の国策で、かつお節工場が沖縄に多数作られた。 ③ 栄えた繊維産業の問

ペットテックのポテンシャル

 日経電子版の記事【ネット獣医や愛犬用代替肉 ペット市場にテック革命】では、IoTなど第4次産業革命のアクセラレータをペット業界にも活用することで、「ペットも家族の一員」という消費者の意識に寄り添う施策、スタートアップが紹介されています。  さっそく、記事からその事業分野、様々なカテゴリーをピックアップしてみると―― ▶ペットテックのカテゴリー(1)ペットサービス   ①『犬の散歩代行・ペット預かり』・・・飼い主と散歩代行者・ペット    シッターをマッチングするアプリ

第2ステージに入るリサイクル~企業の本気度が問われる時代に~

 日経電子版の記事【セブン&アイ、ペットボトル回収機を年1千台 環境目標達成へ再利用本格化】では、サスティナビリティ(持続可能性)が求められる時代に、「(記事より)再利用の目標を掲げる企業は多いが回収の仕組みは不十分で、このままでは達成が難しい状況になっていた」事がリポートされています。  この記事を読んで改めて気付かされるのは、日本におけるプラスチックのリサイクル率は8割を超えているにもかかわらず、そのうちの約7割が焼却で発生する熱をエネルギーとして使う『サーマルリサイク

ドライブスルーがMaaSの重要な要素に

 日経電子版の記事【ダイフク、ドライブスルー物流 積載時間を4分の1に】は、荷物をスライドして移動させる「トラバーサ」と荷物を送り出す「コンベヤー」を使って、今まで別々の場所で行っていた荷下ろし・荷積みを、ドライブスルーに1カ所で出来る物流システム「TRTS(トータス)」に関する興味深いリポートです。  確かに、このようなシステムがあれば、省力化・省人化⇨そして大幅な時短が実現し⇨結果、トラック一台当たりの効率が改善されて⇨運送に必要なトラックの台数の削減にまで繋がっていき

西洋薬的発想と漢方薬的発想

 日経電子版の記事【サイエンス、微細な泡で食器汚れ落とす】は、「(記事より)キッチンで水の出し止めを調整する水栓金具の部品を開発した。先端部から空気を取り込み、水の中に1マイクロ(マイクロは100万分の1)メートル未満の微細な泡「ウルトラファインバブル」を生み出す」という「ミラブルキッチン」についてのリポートです。  記事によれば、このような微細な泡の効果として―― ▶微細な泡の効果① 微細な泡が油汚れの下に入り込む⇨汚れを浮かし取る⇨高い洗浄効果。 ② 通常より短時間

データを掛け算すると見えてくる消費行動

 日経電子版の記事【ネットサービス統合の先は… データ活用に勝機あり】では、様々な企業の持っている様々なデータを掛け合わせる事で⇨今まで気付かなかった知見を得て⇨それをプロダクト(モノ・サービス)に生かそう、という施策がリポートされています。  確かに、個人情報の保護を前提に、データは一つよりも二つ、二つよりも三つあった方が、より高い精度で対象に迫れるはずです。  例えば―― ▶データの掛け算で消費行動の真実が見えてくる……(1)『POSデータ』によると、AスーパーB店

ビューティーテック、どこまで進化

 日経電子版の記事【鏡が肌分析→コスメ提案 銀座で花開く接客テック】・【美容×テック 肌思い 鏡に映る顔に仮想の化粧 シミ認識しムラ無く下地】では、数ある『〇〇テック』の中、先頭集団の一つと言っても良さそうな『ビューティーテック』の最新動向が紹介されています。  さっそく、記事からそんな事例をピックアップしてみると―― ▶ビューティーテックの最新動向(1)『デジタルミラー』・・・鏡に映った顔をセンサーで検知⇨肌状態を   分析⇨ユーザーの肌色を変えた画像を複数パターン表示

オンラインのポテンシャル~オンラインは仕方なくやるものじゃない~

 日経電子版の記事【本気のオンライン社会へ】は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴うテレワーク導入の動きがみられる中、改めて『オンライン』の持つポテンシャルを追求した骨太のリポートだと思います。  ――テレワーク・オンライン授業・オンライン診療などをはじめとした『オンライン』は、仕方なくやるものなのでしょうか?  ――オンラインはオフラインの出来ない時の代りにすぎないのでしょうか?  ――そこには、オンラインならではの体験価値があるのではないか?  さっそく、記事から『

トラックよりもCO2排出量の増加しているSUVが大好きな消費者~地球温暖化対策、結局は一人ひとりの意識~

 日経電子版の記事【「カッコいい!」が阻む地球温暖化対策】は、「(記事より)IEAによると、SUVのCO2排出量は10~18年に約5.5億トン増加した。これは電力(14億トン)に次ぐ規模で重工業やトラックなどを上回る」という具合に、消費者の選択の条件が、未だに『地球温暖化対策<カッコいい』である事に警鐘を鳴らしています。  確かに、家に次ぐ大きな買い物と言って良いクルマ、実際に買うとなると、レジ袋有料化に伴うマイバッグ、ペットボトル回収といった日頃の環境意識など吹き飛んでし