バンコクのミシンおばちゃん。そのリメイク術に惚れた話
このシャツ、ダボダボやんか!
柄に一目ぼれして買ったブロックプリントのシャツ。店で試着した時は、サイズもぴったりだと思いこんでいた。
お気に入りの柄を見つけたことに興奮していたのと、暑すぎて、冷静な判断ができなかったのだろう。
別のサイズに交換してもらう手もあったが、1000店以上もの店が立ち並ぶバンコクのウィークエンドマーケットである。
どこに店があるかも覚えていない。それに、気づいたのは月曜日。週末はクアラルンプール。万事休す。
ああ、なんか悔しい。
このままでは帰れない。何かいい方法はないかと考えていたら、あることを思いつたのであった。
タイはリメイク王国だった
そうだ。リメイクしてもらえばいいんや。
バンコクに住んでいた時、妻が近所の仕立屋で、スカートの裾をつめていたのを思い出した。
かくいうわたしも、ジーンズやパンツを買ったときは、仕立屋にもっていっていた。
日本のように、服屋で裾直しをしてくれない。よって、仕立屋に持っていくしかないのだ。
そんな事情もあってか、街中には、仕立屋が多くある。立派な店舗から、ミシン1台で営業している路面店までいろいろある。
幸運にも、ジャストサイズのシャツを持ってきていたので、それを型にしてリメイクすればいいな、と。
さっそく、買ったばかりのシャツを手につかんで、仕立屋を探す旅にでた。
ミシン1台で営業するおばちゃん
人のあつまる場所に仕立屋があるだろう。
そう踏んで、1番ちかいスカイトレインのアーリー駅までバイクタクシーをぶっとばした。
駅の裏には、食堂やカフェがたくさんあり、いつも、たくさんの人で賑わっている。
タイのスイーツやアルミのパットに盛られたおかずに目を奪われながら、小道を進んでいく。
「シャツのリメイクをしてくれるお店ないですか?」
服屋のおねえさんに聞くと、すぐそこにあるよ、と言って、わざわざ連れて行ってくれた。
路地裏のちいさなスペースに、ミシン1台と人のよさそうなおばちゃんが佇んでいた。
おねえさんにお礼を言って、さっそくぞのおばちゃんにシャツのお直しをお願いした。
型となるシャツをみせながら、丈と幅を少しつめて、これと同じサイズに仕立て直してほしいと伝えた。
おばちゃんは、服をじっくりながめながら、しばらく考えていた。
「これなら、すぐできるよ。2時間後にとりにきて」
ほんとうにちゃんと仕立ててくれるか不安ではあったが、結果は、天におまかせするしかない。
気になっていたスイーツ屋で、バナナとココナッツミルク、糯米でできたおやつを買ってホテルにもどった。
満足度100%の仕上がり
これめっちゃいいやん!ジャストやわ。
おばちゃんから、シャツを受け取り、さっそくトイレで、試着したら、めちゃくちゃよかった。
袖の部分が若干、長めではあったものの、型どおりに仕立ててくれた。しかも、値段は1000円足らず。
裁縫もしっかりしていてクオリティが高い。おばちゃん、天才では?と思ってしまった。
「おばちゃん、ぴったりやわ。ありがとう」
服のサイズがぴったりって最高。わたしは、そのシャツをきて、そのまま友人との食事にでかけた。
おばちゃん次回もよろしく
布と型になる服もってきな。なんでも仕立てるよ。
次の日、歩いていたらおばちゃんにでくわした。つくりたいものがあれば、もってきなよ、と。
残念ながら、布は手元にないし、2日後には、クアラルンプールに帰らないといけなかったので断念。
そういやパフラット(インド人街)にいけば、わたしの好きなブロックプリントの生地がたくさんある。
次回は、そこで大量に生地を仕入れて、おばちゃんにシャツを二、三着つくってもらおう。それに、クアラルンプールでも、リメイクできそうだなと妄想する。
あれから1ヶ月が経った。幾度かそのシャツを着て、洗濯もしたが糸がほつれることもない。
ホンマ、最高のリメイク体験だった。おばちゃん、次回もなんか頼むから、よろしくたのむわ〜。
話にでてくる店情報
①チャトチャックウィークエンドマーケット
週末だけやっている昔からある有名なマーケット。衣類、食器、家具、ペットなんでも揃う。
わたしは、古着やインディーズブランドの服が気に入っている。
↓タイ人が紹介するマーケット内の服屋。雰囲気があじわえるかも
わかりやすいマップ。あまりにひろくて、店もおおいので参考になる。
②Maliwan Thai dessert shop
わたしが仕立ての合間に立ち寄った人気のタイスイーツ屋。いつも人だかりができている。ココナッツ好きならば何をたべてもおいしい。
③仕立屋のおばちゃん
Maliwan Thai dessert shopの対面にある小さな路地にミシンと佇んでいるおばちゃんがいたら、その方が仕立屋やさん。型となる服をもっていけば、言葉が通じなくてもなんとかなるかも。
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