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サーキュラーエコノミーについてのメモ ~「捨てる」という選択肢をなくす~

サーキュラーエコノミー(循環型経済)について、以下の書籍と資料を読んだメモを記す。取り組みの具体例などはあまり挙げず、最後の参考資料にまとめ、重要なキーワードや概念、感じたことなどをメモしていく。

・このブログの要約
サーキュラーエコノミーにおいて、廃棄を出さない仕組み、「捨てる」という選択肢をなくすことが最重要。地球の資源には上限がある、という前提に立つ。
そして、3つのP( Profit : 経済偏重型、People : 幸福度偏重型、Planet : 環境偏重型)を、同時に追求できる仕組みを生み出すことが必要。
また「廃棄」に対して自覚的になるための「実体験」を持つことが循環型社会につながる。

廃棄を出さない仕組み ~ 「捨てる」という選択肢をなくす ~

サーキュラーエコノミー(循環型経済)とは、資源を半永久的に活用し続けて廃棄を出さないという考え方。

まず第一に「地球の資源には上限がある」という前提に立つ、ということ。言葉にすると当たり前すぎるが、食料や資源が尽きるというのは日常生活をしていてかなり想像しにくい。

例えば、目の前にあるゴミ箱のゴミはどのように処理されるのか。いま目の前にある食べ物はどこから来たのか。全く見えてこない。

ゴミの処理について、松本市を例に調べてみた。
可燃ゴミの場合、紙、布などの資源物は分別、再利用される。のこりの燃えるゴミは焼却した後、最終処分場に灰を埋め立てる。

ゴミステーションに持っていけば、この世からそれが消えるわけではない。膨大な量のゴミを今日も埋め立てているというのを知ること。

まず「捨てる」ということに対して自覚的になることが、サーキュラーエコノミーの第一歩であると感じた。

持続可能な取り組みを実体験として持つ

自分は環境に対して、関心を持ち始めたのは最近である。それまでは環境問題に対して「無関心層」であった。そんな状態から、乗鞍高原という地域に住んだのがきっかけで関心を持つようになった。

ゼロカーボンパークであり、脱炭素に向けた先行地域である乗鞍は、ゴミ分別の徹底、脱プラスチックの取り組みが当たり前のものとして取り組まれている。

この「実体験として環境問題に触れる」というのは、非常に重要な事柄であると思う。実体験なしに、サーキュラーエコノミーという概念に触れたとしても、実感がなく、知識としてインプットされるだけである(それも大事であるが)。

「無関心」から「関心」に変わり、「実体験」を獲得していくのが大切である。この実体験があれば、「捨てる」ということに対して抵抗が生まれ、「自分はいま資源を廃棄している」と自覚的になり、より循環型社会を志すようになる。

自分が関わる産業で、サーキュラーエコノミーどのように実践できるか

フード、ファッションなどの事業において、サステナブルな取り組みというのは想像しやすいが、それ以外の産業ではどう循環型経済を作っていけるのか。

特にテクノロジーの推進においては、環境に対してネガティブな側面で話されることも多い。大量生産、大量消費というスタイルは、テクノロジーの発展がそれを可能にしたという流れがある。

自分が関わる産業として、テクノロジーとサーキュラーエコノミーはどのようにつながるのか気になった。

たとえば以下はAI技術を使って、廃棄物を資源として必要な人に届けるマッチングサービスを実現しているスタートアップ。

そのほかにも自動車やスマホのリペア、リースとしての取り組みなどに触れて、環境負荷をかけない、むしろ資源が循環するテクノロジーを推進することが、IT分野に関わる自分にとって、一つの責務であると感じた。


サーキュラーエコノミーの考え方に触れて感じたこと、雑記

自分はアウトドアな趣味を多く持ち、自然から豊かさを感じてきた経験が多いので、このサーキュラーエコノミーの概念を調べながら、ワクワクした気持ちと、自分の社会活動のなかで積極的に関わっていきたいという気持ちを持った。

また積極的に取り組んでいる地域とそうでない地域に住んでいる場合で、実践するハードルが異なるなと感じた。

書籍に登場するオランダの事例のように公共コンポストがあるわけではないし、不必要なモノをシェアするという文化が浸透しているわけではないので、廃棄という選択を取るしかない場合も多いと感じる。自分の住んでいる地域では生ゴミを可燃ゴミと一緒に捨てるしかない場面もあったり、まだまだ使えるものも廃棄という選択になる。

環境に対してアンテナを持った人からアクションを起こし、積極的に取り組みを行っている地域に住み、広げていく、浸透させていく。

そして、環境問題だけでなく、何かしら社会課題に対して自覚的になることは、自身の生活を豊かにしてくれる一つの要素であるなと感じる。

個人的な目標は、生活に芯ができて、それに向かって成長することは喜びを生んでくれることは想像しやすい。それと同じく、社会に対しての目標を持つことも、生活に指針ができて、同じ志を持った仲間との交流も生まれて、生活に喜びが生まれる。

最後に、サーキュラーエコノミーという概念をリサーチしていくなかで、learning by doing(やりながら学んでいく)が大切である、という言葉が印象に残った。また環境問題に対して新たな視点を持つことができた喜びと、自身の生活や仕事に取り入れていく目標ができ、楽しい時間であった。

参考資料

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・EU のサーキュラー・エコノミー に関する調査報告書 日本貿易振興機構(ジェトロ)https://www.jetro.go.jp/ext_images/_Reports/02/2016/01cc0dd1eb518393/eu201612rp.pdf

・EU の循環型経済政策(第 1 回) 2022 年政策パッケージ第 1 弾において EU が目指すものとはhttps://www.jetro.go.jp/ext_images/_Reports/01/60d6edca66cfec17/20220030_01.pdf

・循環経済ビジョン2020 経済産業省

・書籍に登場する「ドーナツ経済」についての本

サーキュラーエコノミーの具体例

・オランダの廃棄食材レストラン「Instock」に学ぶ、サーキュラーシェフの5原則
https://www.table-source.jp/column/instock-circular-chefs/

・解体を前提とした「サーキュラーデザイン」建築

・オランダ発エシカルなスマホ「フェアフォン」、第3世代が登場

・Patagoniaのリペアサービス

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