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【雑記】標高1500m 信州・乗鞍高原での暮らし

5月から標高1500mにある長野県、乗鞍高原に移住しています。アウトドアを趣味にするものにとって最高の環境です。

ゲストハウス生活は3回目。東南アジアで1ヶ月、東京で半年。今回は乗鞍。仕事・研究用のスーツケースと、登山用のバックパックを持って乗り込んできました。ゲストハウス雷鳥という自然好きが集まる場所で、スタッフとして働きながら生活しています。

環境を変えることに年々抵抗がなくなり、このエネルギーは大事にしたいなと思っています。

5月でも桜が咲いている

自然について

夏の乗鞍岳

乗鞍高原には、池、川、森、滝、山、星空などがあります。「この世の全てをそこに置いてきた!」(ゴール・D・ロジャー)というぐらい、自然で溢れています。

朝に虹がかかる滝も素晴らしいし、峠から見る夕日も美しい。標高が高いので気温も各所より10℃ほど低いです。

自然について文章を書くとき、「遊ぶ」という言葉はあまりピンと来ない。「学ぶ」「感じる」「味わう」という言葉などが似合うように思います。

「遊ぶ」にしては、準備はめんどくさいし、当日は身体を動かしてしんどいし、事故のリスクも潜んでいます。特に登山であれば、入念なリサーチと体調管理が必要です。

それでもなぜ自然に惹かれるのか。

物事に没頭することを意味する「フロー体験」という概念があるのですが、それを価値観の中心に置いている自分にとって、自然や山とすごく相性が良い。自然を味わっているうちに、没頭する感覚を持ちます。それ以外のことを全て忘れて、時間すらも忘れて、ただ自然と一体になる。歩くという一点に集中する。

没頭はめんどくささ、しんどさの先にある。芸術や料理、仕事やスポーツも同じです。自分のエネルギーをぶつけるからこそ、物事はおもしろいのです。3年前にはじめて、北アルプスの槍ヶ岳に登ったときから、「これは間違いない、これは一生続ける価値がある」と確信したのを思い出します。

めんどくさいもの、エネルギーを使うものにこそ取り組む、という思想はこれからも持ち続けたいと思っています。

北アルプスを一望

生活について

乗鞍に来てからの生活は非常にシンプル。太陽が昇るころに起きて、日中は働いて、夜はみんなでご飯を食べて、はやめに寝る。ゲストハウスには温泉があるので疲れを癒します。休日は登山にサイクリングに大忙し。

目覚ましをかけることがなくなったし、都市とは時間の流れも違います。移住してきて、一呼吸おくことが上手くなったように感じます。少し散歩しよう、ぼーっと川を眺めていよう、というちょっとした余白が大事で、そうしていると、頭で意識せずともエネルギーが湧いてきます。

乗鞍を紹介するとき、最寄りのコンビニは40分、ATMとかも遠いよ、と説明したりしますが、そういう不便さゆえのシンプルな生活を求めている人はいるのではないでしょうか。

乗鞍のそういう部分は極端な例ではありますが、既存の当たり前を壊して、今を考えるきっかけになれば良いなと思います。

乗鞍高原の夕方

人について

そして、何よりも乗鞍で関わる方々への敬意があります。

さまざまな生活スタイルから、ある種、勇気を持って乗鞍に飛び込んできたという共通点。

芯があって、自分の考えを強く持っていて、料理や写真など創作活動を楽しんでいて。丁寧なコミュニケーションと思いやりを、周りからたくさん学んでいる気がします。

どんなコミュニティでも年下になることが多いですが、年上の方との交流のなかで、「自分もこうやって進んでいけば良いんだ」と思えることがありがたいことだなと。

自然を満喫している日々ですが、夜にみんなでご飯を食べる時間が一番楽しいかもしれません。ただみんなで話すのが楽しい。

都市よりもクローズドな人間関係で、これから苦労もあるだろうと思いますが、苦労の先にも満足がある、豊かさがある、という考えでやっていきたい。

最後は、僕の愛するMr.Childrenの一節で。

君は君 僕は僕 そんな当たり前のこと
なんでこんなにも簡単に 僕ら
見失ってしまえるんだろう?
ひとつにならなくていいよ 認め合うことができればさ
もちろん投げやりじゃなくて 認め合うことができるから
Mr.Children 『掌』より


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