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【pino fantasia】食品ブランドがイベントを”発信基地”にするべき理由

9/2(本日)までラフォーレ原宿の最上階で実施しているpino fantasia(ピノ ファンタジア)に行ってきました。

「アート」×「食」×「空間」をかけあわせた新感覚の体験型イベントで"食べるアート体験"をキーワードに、room"イロ"とroom"ヒカリ"の2つのコンテンツが用意されていました。


広い会場に入った瞬間に、迎えてくれるのがこの巨大なピノタワー。会場全体がチョコレートの甘い香りに包まれていて、言いようのない幸福感の中で約60分、コンテンツを楽しむことができました。

【room"イロ"】 オリジナルのピノを作って食べる。工作気分で楽しい!

コンテンツの一つ目は、room”イロ”。8色のチョコレートソースの中から4色を選択。丁寧に説明を受けて作ってみたいピノをイメージしながら、ソースを混ぜてグラデーションを作っていきます。

食紅なんだろうけど、キラキラと光沢感があって新感覚。味はホワイトチョコレートなのでとっても美味しかったです。アートを食べる感覚って、ドキドキしますわ。

【room"ヒカリ"】幻想的な世界の中のピノ、それを口の中に放り込む喜び。

もうひとつのブースへ移動し、ピノと映像が反応するデジタルコンテンツを体験。真っ暗な空間に通されて、待っていると3つのピノ(【フルーティゼリーピノ】【ストロベリーショートピノ】、【テイーフレーバーピノ】)を渡してくれます。
そのピノの上に花が咲いたり散ったり。ロマンティックな空間の中で五感を使ってピノを味わうことができましたよ。


店頭をコントロールできない食品業界の、これからの”発信方法”

車や化粧品業界と違って、食品業界は出版業界と同じように、製造元が店頭をコントロールすることができない歯がゆい世界。
※少し詳しく書くと、化粧品ならば百貨店にブースが設けられて、ブランドの世界観の中で消費者と直接関わってお客さんの反応を逐一見ることができます。しかし、食品メーカーの場合は店頭の実権はスーパーだったりコンビニ。そのため、流通のロジックでしか店頭に並ぶことはできないため、食品メーカーも消費者より流通向けの戦略を打たないといけない場合がほとんどなのです。

スーパーやコンビニの限られたスペースの争奪戦は厳しく、主である流通の声を反映しながらの店頭つくりとなるためお客さんに伝えたいことを直接伝える機会が作れないのです。

今はAmazonフレッシュなどオンラインでの生鮮展開も活発ですが、まだ始まったばかり。当面は既存の仕組みが継続されていきます。

リアル店舗はメディアになる。その時、食品はどうする?

以前も何かで紹介した「小売再生 リアル店舗はメディアになる」に記述されていますが、Amazonが一般化したことで今やリアル店舗がより重要な存在になっていると言います。店頭は、偶然知らない商品とマッチングされる場所であり、ブランドからすれば伝えたいメッセージを思い切り伝える重要なメディアとしての役割を果たしていくのだそう。


その時、店頭をもたない食品メーカーはどうなるのか?


おそらく今回のpinoのイベントのような施策が一時的にも、食品メーカーにとってメディアのような役割を担っていくのかもしれません。
メーカーが発信したい世界観を創り、未開拓のターゲット層との共感を生み、ブランドへの親近感を生み出す”発信基地”として機能させていくのです。

ただし、それは今回のpinoイベントのように、”五感でブランドを伝えるようなイベント”に限ります。
既視感のある商品サンプリングや、一部のカフェを貸し切った形態のイベントだと、消費者はブランドを全身で体感することができないため、発信装置としては意味をもたないでしょう。
「す、すごい、、」こんなの見たことない。という印象を残すぐらいの体験をさせないと、ブランドが叶えたいところまでは到達できないはず。

低価格な商品が多く、マーケティングがあまり機能しないと言われる食品。でも、ブランドとの関係性はこれからもより一層重要になってくることには変わりません。Amazonのある世の中を大前提として、どのように消費者と関係を築いていくか。そこにはこれまでのマーケティング戦略ではない、新しい戦術が求められているように感じます。

そんなことを、たくさんのpinoを味わうイベントを通じてあーだこーだ思ってしまいました。



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