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歩道橋で詩集を売らないために~『読みたいことを、書けばいい。人生が変わるシンプル文章術』~

非常勤の仕事をしているので休みが不定期。
1月末から1週間丸々休みです。

というわけで、今週は積読解消週間。
積んであった本を1冊ずつ読んでその感想をnoteにつづっています。

今日読んだのは『読みたいことを、書けばいい。人生が変わるシンプルな文章術』です。

うかつにも本のタイトルを『書きたいことを書けばいい』と思い込んで途中まで読み進めていたわたし。

「この本はタイトルと書いていることが違うなあ」と不審に思っていました。

うっかりにもほどがある。

つまらない人間とはなにか。それは自分の内面を語る人である。少しでもおもしろく感じる人というのは、その人の外部にあることを語っているのである。
(中略)
いまからでも遅くない。そういう「わたしの想いを届けたい!」人は、歩道橋で詩集を売ろう。

危ない危ない、あやうく寒空の下で詩集を売るところでした。

さて、ふりだしにもどって
『読みたいことを、書けばいい。人生が変わるシンプルな文章術』。

ネットで読まれている文章の9割は「随筆」だそうです。
では随筆とはなにか?

定義はとても大切だ。もちろん、辞書で「随筆」の項を引けば、【思うがまま筆に任せて書いた文章】などという説明が載っている。筆に任せる。どんな便利な筆だろうか。どこで売っているのだろうか。ぜひ購入したい。

まじめなのか、ふざけているのか。
でも、嫌いじゃないというよりむしろ好き。

こんな調子で硬軟入り混じって話が進んでいきます。

わたしが随筆を定義すると、こうなる。「事象と心象が交わるところに生まれる文章」(中略)事象とはすなわち、見聞きしたことや、知ったことだ。世の中のあらゆるモノ、コト、ヒトは「事象」である。それに触れて心が動き、書きたくなる気持ちが生まれる。それが「心象」である。

その2つがそろってはじめて「随筆」が書かれる。人間は、事象を見聞きして、それに対して思ったこと、考えたことを書きたいし、また読みたいのである。

わたしがこの記事に読んだ本の感想を書いているのがまさにこれ。
随筆なんですね。

では、だれに向けて書くのか。

読み手など想定して書かなくていい。その文章を最初に読むのは、間違いなく自分だ。自分で読んでおもしろくなければ、書くこと自体が無駄になる。

でも、自分が読んでおもしろくても、必ず他人もおもしろいわけではありません。
そこで「一次資料」に当たって調べるのです。

ネットでググるのではなく、図書館に行って資料を探し、調べる。

物書きは「調べる」が9割9分5厘6毛

なるほど。

自分が読みたくて、自分のために調べる。それを書き記すことが人生をおもしろくしてくれるし、自分の思い込みから解放してくれる。何も知らずに生まれてきた中で、わかる、学ぶということ以上の幸せなんてない、とわたしは思う。

第4章の最後の部分が心にしみます。

「人生が変わ」ったかどうかは、定かではないですが、目からウロコが落ちました。

なんて書いたら

目にウロコを貼り直すのが早すぎる。ワンデー仕様のコンタクトレンズか。

と、つっこまれそうだけど。



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