見出し画像

#1 ラパスの町を歩く

2021年11月27日 sábado
-
体を高地に順応させるのと、ほどよく時差ボケもあって、ボリビアに到着した次の日は、滞在しているホテル近辺をぶらぶら歩くくらいにとどめる。
今回の滞在では時間の許す限り、ボリビアの空気を写真に収めておきたいとおもう。いつ何が起こるかも知れず、家から出られない、また予期せぬ帰国の可能性も否定できないので、気持ち的にはけっこう前のめっている。やれることはやれるうちに。

朝をゆっくり過ごしてから11時頃にホテルを出る。すぐ近くのSan Miguel[サン ミゲル]教会の広場を通ると、結婚式が行われてる様子。新郎新婦に、正装したチョリータさんの姿がちらほら。

画像2

そして、広場の脇に出ていたお店でボリビアの国民的スナック(ストリートフード的な)Salteña[サルテーニャ ]をゲット。Pollo[ポジョ]=鶏肉の入ったものを購入し、お店のすぐ横で食べる。特に辛くはないはずのノーマルのものだったのに、しっかり辛かった。

画像5

画像7

中身はこんな感じ。鶏肉とじゃがいもが大部分、ゆで卵とオリーブも入っていた。そしてたっぷりとスープが入っているので、こばさないようにスープをすすって飲みながら具と一緒に食べる。外の皮は甘めでサクッとしている。中身は海外版肉じゃがって感じかな。一個でも、じゅうぶんお腹いっぱいになるとおもう。日本人には。

食べていると、隣に小さな子どもたちとママが座って、同じく買ったばかりのサルテーニャ を食べ始めた。男の子が、サルテーニャ の入っているビニール袋の中にスープをめちゃくちゃこぼしながら食べているのを見て、カメラを構えると、「セニョリータが写真撮ってる!」と、ママに報告する。私は「見たい?」と、撮ったばかりの写真を彼と一緒に見る。

画像9

うしろのポスターを見て、「サルテーニャ は知ってるけど、トゥクマナは食べたことない、どんなの?」と男の子に聞くと、「サルテーニャみたいなのでー、中にお肉が入っててー、デリシオソ(おいしい)!!うしろの写真の右が、トゥクマナ!」と言ったが、右はサルテーニャ である。後でママが「この子、さっき間違った」と、こそっと言ってくれた。

ホテルの部屋にはキッチンもあるので、少しだけ食材を購入。夕方までゆっくり散歩して帰路につく。最初の土曜日はそんな感じで終了。

画像1

画像9

画像10

画像11

==========

2021年11月28日 domingo
-
今回、こまめに酸素を入れているおかげか、前回の入国時に感じていたような軽い頭痛や息苦しさはあまり感じない。無理はいけないけれど、時差ボケを調整するべく、死ぬほど眠くなるお昼(13:00〜16:00くらい)に外を歩こうと、今日はテレフェリコに乗って、以前住んでいたエリアまで出かける。「テレフェリコ」(Mi Teleférico)とは、ラパスの公共交通のゴンドラ。険しい山の町なので空で移動しよう、ということだ。日本の地下鉄のごとく路線で色分けされており、2021年現在は10路線ある。(赤・黄色・オレンジ・緑・青・水色・紫・茶色・白・シルバー)

私の今日の出発地点は標高3200m。目的地のSopocachi[ソポカチ]は3600m少し。この標高差だが、15分ほどで一気に上がっていく。最初に乗った緑の路線で写真を撮っていると、乗り合わせたおじいちゃんに話しかけられる。「わしはボリビア中いろんな場所を知っているから、旅行するなら一緒に行くぞ」的なことを話していた。楽しくおしゃべりしたのちお別れし、私は黄色の線に乗り継いで目的地へ行く。

ソポカチは、坂道の激しい(基本、山の)町で、歩くだけで激しく疲れてしまう。滞在しているホテルのあるエリアとは違い、ざわざわと生っぽい暮らしの空気を感じる。コロナの影響もあり、空き店舗などもっと多く見られるのかと思いきや、意外と新しい店舗ができていたりするので、町が動いていたと感じホッとする。定食屋さんでランチを食べた後、ゆっくり坂道を歩いているとかわいい声が聞こえた。

ジジのような子猫!!!しばし虜になる私。かわいい猫や犬もよく見かけるけども、それと同じくらい、見るからに近づきたくないオーラをビンビンに放つ野犬も多いラパスの町。狂犬病にも注意が必要なので、決して近づかないように。

帰りも同じくテレフェリコに乗って、ホテルのあるエリアまで降りる。ここで乗り合わせたのは小学生くらいの女の子とママ。私が日本から来たこと、デザイナーであることなど話して、ちょうど自分のデザインしたボリビアTシャツを着ていたので(チョリータ仕様のアルパカがモチーフ)、これも私のデザインだよ、と言うと、「どこで買えるの?でも日本のものは高いよね。」と女の子が欲しがっている様子。ボリビアにいくつか持って来ればよかった・・・と後悔。

画像9

名刺を渡し、お別れする直前、「ベーテーエセに会ったことある?」と聞かれた。ん??あ!「BTS」ね。韓国のポップカルチャーはここでもしっかり浸透していると実感。
町を歩くたびに、そこで出会う人たちと話ができるのはとても楽しい。

-

ATSUKINO(アツキーノ)

2006年〜日本でグラフィックデザイナーとして働いた後、2013年に渡英。スコットランドの The Glasgow School of Art で修士号(Communcation Design: Graphic Design)を取得。帰国後はアートディレクター、キュレーターとしてデザインディレクションとともに現代アートの展示企画制作なども行う。海外での生活、旅を通じて得られる新たな表現や人との出会いが次の可能性につながると信じて動く、旅するデザイナーでありアーティスト。
現在は南米のボリビア、ラパスにてJICAボランティア活動中。デザイン教育環境の改善にあたっている。
http://nakanoatsuko.com/
https://shadow-candle.com/

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?