4月から復職する皆さんへ
もうすぐ新年度ですね。
今年もこの時期がやってきました。
会社でもっとも変化のあるタイミングです。
そして多くの休職者が復職をしてくタイミングでもあります。
今日はこれから復職していく皆さんに向けて書いてみようと思います。
まずは、復職が決まった皆さんおめでとうございます。
ツラいうつ病との闘病生活を乗り越えて、いま復職にたどり着いたのだと思います。復職する自分を目一杯ホメてあげましょう。大袈裟だなと思ったあなた、自分をホメるってとても大事なことです。どんな状況でもあなたの味方でいてくれるのはあなただけです。どんな些細なことでも自分をホメていきましょう。
さてさて、復職が近づいてきて落ち着かない人も多いと思います。復職までの時間は減っていくけれど何も手が付かないなんて人もいるのでは?でもせっかくまだ時間があるのだから、残り時間を有意義なものにするための、ちょっとしたヒントになればと思います。
復職前の不安について
まずは復職に対して、すごい不安を感じている人へ。その感覚、正常です。復職する人のほとんどがあなたと同じように不安を感じています。未知な世界に飛びこむわけですから、不安を感じるのは当然のことです。(不安が強すぎる場合は主治医に相談して下さい。まだ復職するタイミングではないかもも。)
僕は強い不安を感じたら「みんな不安を感じているんだ。私だけではない。」とつぶやいていました。よかったら試してみて下さい。
強い不安に襲われているとき、おそらく復職後の未来を想像していると思います。例えば、僕の場合
周囲の人にどう思われるか。どんな風に見られるか。周りの人の目が気になる。
自分は仕事をすることができるのか?もしできなかったらどうしよう…
今後のキャリアはどうなるのだろうか?
同期や後輩は何をしているんだろう?置いてかれてるだろうなー。無能だと思われたらどうしよう。
などなど。当時の自分にとってどれも深刻な問題で、すごく思い悩んでいた記憶があります。ただこれに関して、ちょっとだけ皆さんより先に復職した僕からのアドバイスは「ほとんどの問題は時間が解決してれるので気にしなくていい」です。
おそらく復職を経験した方なら同意してくれると思いますが、復職して時間がたてば、復職前に悩んでいたことのほとんどはどうでも良くなっています。大抵は忘れています。
もちろん時間が解決してくれない問題もありますが(キャリアなど)、そういう問題は復職後に長い時間をかけてじっくり取り組んでいくしかないので、今考えても仕方がないことです。復職して安定して働けるようになってから考えましょう。
というわけで、復職前にあれこれ考えすぎないでね。
復職までの残り時間でやってほしいこと
ここからは、復職までの残り時間でやってほしいことを5つお話しします。
① マイルールを作る
② 小さな目標を立てる
③ ごほうびを用意する
④ イメトレをしておく
⑤ 休職ラインを決めておく
① マイルールを作る
復職後の一番の課題は「いかに病気を再発させず働き続けるか」です。これがとても難しく復職者の半数が失敗し再休職しています。
そうならないように病気が再発し再休職しないための“マイルール”を作っておきましょう。ルールはシンプルに、そして短い文章で作るとよいです。ルールを考える際は下記を考えてみてください。
どのように生活すれば病気は再発しない?
どのように働けば病気は再発しない?
どのようにに考えれば病気は再発しない?
どのように行動すれば病気は再発しない?
どのように生きれば病気は再発しない?
ちなみに僕の職場でのマイルールは下記です。当時、PCとスマホのメモ帳に貼り付けて、隙間時間や休憩時間に見て忘れないようにしていました。
② 小さな目標を立てる
復職の大目標は「病気を再発させず、働き続ける」だと思っています。ただこれは大きすぎて何をしたらいいか分かりません。そこでおすすめは大目標を小さく分解するです。
大目標は小目標の集合体です。大目標を達成する過程には、たくさんの小目標を達成ししているはずです。まずは復職直近の小さな目標を立てましょう。
例えば「復職初日の目標は、会社に行く」というように。できるだけハードルを低くして、1日に1つ小さな目標を達成していくとよいでしょう。目標を達成したら目一杯自分をホメましょう。
③ ごほうびを用意する
②で考えた小さな目標を達成した時のごほうびを用意しましょう。復職ってとにかく大変です。そんな大変な日々を乗り越えていくには、自分をいたわる必要があります。特に復職はじめは自分を甘やかしてください!
「会社に行けたらごほうびにハーゲンダッツを買って帰る」というように。ちなみに僕は、初日記念、1週間記念、1ヶ月記念、2ヶ月記念、…と称して、事あるごとに欲しいものを買っていました笑 お金はかかるけど、働けてなかったら入らなかったお金だしイイじゃんと言い聞かせていました🫠
④ イメトレをしておく
復職後に起きそうなことをイメトレしておきましょう。「こんな事が起きたらこう対処しよう」とメモ帳に書き出しておくことをオススメします。どんどん書き出して、復職後にトラブルが起きた時に「これは想定の範囲内だ」と思えれば安心できます。とは言っても全部は想定できないので、メモの最後に「想定外のことが起きるのは想定内」と書いておいてください。これで完璧です笑
⑤ 休職ラインを決めておく
今から復職する人に次の休職を考えておけというのは気が引けますが、現実問題として復職者の約半数は再休職しています。確率約50%です。こちらも想定しておかなければいけません。
やってほしいのは、どういう状態になったら休職するか決めておくこと。なぜ決めておく必要があるかというと、休職しなければいけない状態になったとき、あなたの判断能力が正常に機能していない可能性が高いからです。体調が悪い時、人は思考がネガティブなので間違った判断をします。
僕の話をすると「次休職したら人生終わりだ」と休職することができず、体調がどんどん悪くなっても無理して働き続けました。結果、過去一体調が悪い状態で再休職。再休職後の治療が長期化することになりました。再休職するにしてもできるだけ傷は浅い方がいいのです。
そのためあらかじめ休職ラインを引いておきましょう。
画像は以前、X(Twitter)でポストしたものです。こちらもぜひ!
復職後の働き方について
知っておいて欲しいことがあります。メンタルヘル不調で休職し復職した人の約50%は再休職しています。こちらは厚生労働省のHPで紹介されている研究データです。5年以内の再休職率は47.1%です。そしてそのほとんどは2年以内に集中していると分かっています。脅しではなく事実です。
復職後に病気を再発させず働くことは非常に難しいということです。そのため復職自体をゴールと捉えるのはとても危険です。「復職はゴールではなく、スタート」ということを覚えておいてください。「復職後に継続して働く」を目標にしましょう。
復職すると休んでいたことを挽回するために全力疾走してしまう人が多いです。しかし復職後、仕事の日々はずーっと続いていきます。再休職しない限り立ち止まることはできません。
全力疾走ではゴールまで持ちません。長距離走のようにペース配分には気をつけてくださいね。
さてさて前置きが長くなってしまいましたが、復職後の働き方を考えましょう。警告ですが、復職前と同じ働き方をすれば病気は再発します。復職前の働き方をして病気になったのですから当たり前のことですが、結構忘れている方が多いです。「継続して働く」という長期的な視点で、どんな働き方をすれば体調をキープできるかを考えましょう。
僕が働く上で大事にしていることは、
「最も重要なことを、最も楽な方法でやる」です。
復職前に読んだエッシャル思考、エフォートレス思考という本から影響を受けています。
復職はチャンス
復職をネガティブに捉えている方は多いですが、実は復職って生まれ変わる大きなチャンスであると思っています。一度立ち止まり、働き方を見直せる機会って意外にないです。
休職を逆手に取り、今までとは全く別の働き方を模索すると良いと思います。
仕事以外のことにも目を向ける
ここまで復職について書いてきましたが、仕事以外のことにも目を向けるのを忘れないようにしたいです。特に復職直後は毎日の仕事のことで頭がいっぱいになります。仕事に追われているとどうしても忘れてしまいますが、人生は仕事だけではありません。
趣味を楽む、お出かけする、映画を見る、家族と過ごす、生活の中のささやかなイベントを味わう…何でもいいです。仕事以外のことにも目を向け日々を充実させる、そして幸せを感じる。
たとえ仕事が上手くいかなくても、それ以外のことで人生が楽しければいいんです。人生は仕事だけではないということを覚えておいてください。
おわり
病気を乗り越え復職まで辿り着いたあなたは強いです。どんな困難も乗り越えられると思います。仕事でツライ時はうつ病どん底の時に比べれば取るに足りないと思うと少しは楽になれると思います。(もちろん無理は禁物ですが。)
復職してもうすぐ2年の僕ですが、ここまで道のりは本当に大変でした。しかし今は復職をプラスに捉えられるようになってきました。どんなにツラく苦しい出来事も時間がたてば思い出に変わります。
皆さんがいつか振り返った時に復職を懐かしく思う日が来る事を祈っています。復職頑張ってくださいね。応援してます!
最後までお読みいただきありがとうございました!
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