見出し画像

うつ病の私がキャリアの悩みに答えを出した話

復職してからずっとキャリアに悩んできた私ですが、やっと心の整理ができたので記録として残そうと思います。私と似た悩みをお持ちの方、病気前と同じように働くことができず苦しい思いをしている方に役立つ話になるかもしれません。


復職後のキャリアの悩み

復職してから、私はキャリアについてずっと悩んできました。うつ病で休職していた期間が長かったこともあり、復職後は簡単な設計業務を担当する日々が続きました。今も続いております。私が簡単な業務をやっている横で、後輩たちは自分がやりたいと思っていた仕事をバリバリこなし活躍していました。

以前書き殴った記事はこちら。

現状と不安

私の部署が設計している製品は約3年周期でモデルチェンジをしていきます。私の復職したタイミングは、新製品の開発がスタートし各設計者に担当が割り振られた後でした。当時のマネージャーが私に振る担当業務がなく、とても困っていたことを覚えています。

最終的に私がアサインされた業務は、すごく簡単なもので新人が2年目に差し掛かる頃に試しにやってみようくらいのレベル感でした。しかも複数の製品プロジェクトを横断しアサインされたため、3年以上その設計をしていくことになりました。つまり、この状況は最低あと3年は続きます。3年待ち、次の製品開発で希望の仕事ができるかも不明です。おそらく私ではなく若手に振られるのだろうなと薄々気づいています、、、

また、復職して体調と付き合いながら仕事をしていくと、自分ができる業務量の限界が見えてきます。うつ病になり疲れやすくなった体では、周りと同じ業務量をこなすのはかなり難しいです。自分がやりたかった仕事はスーパーハードで、担当者は毎日遅くまで残業しています。体調を考えるとその仕事をやるのは難しいと分かってきました。

入社歴だけ重ねて技術的な専門スキル・専門分野を持たず、さらに今後を想像するとその状況の改善が見込めない。同期や後輩がメキメキ成長していくのを横目で見ながら、置いてかれてる不安と戦いながら仕事をしてきました。入社年数は中堅の入り口なのに、できることは何もない。このことで悩みすぎて体調を悪化させ不調に入ることが何度もありました。悩んでも悩んでも答えは出ず、ずっとモヤモヤしていました。

新しい考え方

そんな中で復職2年が経過し安定した頃に、ある本と出会いました。正確に言うと大学時代に一度読んだことのある本ですが、タイトルを見て久しぶりに手を取りました。その本は為末大さんの「諦める力」という本です。この本の内容がまさに復職後にキャリアで悩む自分にぴったり当てはまりました。

この本の一説に「手段はあきらめていいが、目的は諦めてはいけない」という言葉が登場します。この言葉が今の私に刺さりました。

ちょっとだけ本の内容を紹介します。

為末大さんは陸上選手です。高校生のある時期までは、陸上競技の花型である100m選手だったそうです。しかしある時点で100mでは勝てないと気づき、400mハードルに競技変更をしました。為末大さんは100mをやりたいではなく勝ちたい(オリンピックでメダルを取りたい)ということに気づいたそうで、勝てない100mではなく400mハードルという勝てるフィールドに変えたと語っています。とは言え、競技を変えた当時、葛藤はあったそうです。勝つという目的のために、100mをあきらめ400mハードルに転向した、つまり手段を変えたということです。

本当の目的とは?

この本を読んだ私は、自分の目的は何だろうと考えました。自分のやりたかった仕事をここでは仕事Aとします。仕事Aをやりたいと思っていたのはなぜだろう?それはどんな目的から来ているものだろう?と考えました。

なぜ仕事Aをやりたかったのだろう?

  • 技術者としてスキルを身に付けたい、知識を増やしたいから

  • 製品全体を把握したいから

  • 製品開発をする上で一番勉強になる仕事だから

  • 自分の目指す技術者として必須のスキルだと感じていたから

  • その仕事を経験しているか否かで業務の幅が全く異なるから

  • 後輩たちが皆経験しているから

もう少し掘り下げて、上のように考えたのはなぜだろう?

  • やりがいを持ちながら働きたい

  • 自分の喜びポイントは知識や経験が増えていくことにある(ストレングスファインダーで学習欲が上位にあります)

  • 誰かに貢献したい

  • 誰かに必要とされたい

  • 自分の存在価値を認められたい

整理すると「やりがいを感じながら働きたい」という言葉に集約されそうです。自分の仕事に対して、生活の大部分の時間は仕事が占めているのだから、仕事を楽しんでやることができれば幸福度は上がると考えていて、仕事をどうやっていくかには人一倍こだわっていました。

仕事Aをやりたいは【手段】で、
やりがいを感じながら働きたいが【目的】であると
自分の中で言語化しました。

新たなキャリアの方向性

このように言語化できたことにより、仕事Aをあきらめていい(手段を変えていい)のでは?と思えるようになりました。

仕事Aが難しいなら、他の手段で目的を達成する方法を探すべきだと。私がうつ病と付き合いながら戦えるフィールドを見つけ、その中で最善を尽くすことが大切だと感じるようになりました。

そして目的である「やりがいを感じながら働く」を達成するために、仕事Aをあきらめて仕事A以外で勝負しよう(他の手段を取ろう)と自分で決めました。

もちろん心はそんな単純に割り切れるものではなく葛藤はあり、たくさんの言葉で自分を説得しました。

  • 仕事Aを諦めることは、僕の目的を達成するために必要だ

  • キャリアを考える時に同期や後輩を意識してたが、自分のキャリアの延長線上に同期や後輩はいない。当たり前ではあるが、健康な人が僕の延長線にいないのもそうだし、どんな人でも同じキャリアを歩むことはない

  • 自分に能力に見合った(病気の自分でもできる)戦えるフィールドを探そう。そこで戦おう

  • 頑張っても勝てない領域で勝負するのではなく、頑張ったら勝てる領域で勝負する

結論と今後の展望

うつ病で制限されることはたくさんあるけど、そこはそういう自分の特性だととらえて、じゃあそういう特性の自分は何だったら目的を達成できるかを今は考えています。

実は今年に入ってから自分から手を挙げて今までやったことない業務を勉強の一環としてトライしたりしています。

そこで目的を達成するための手段を見つけれるかは分かりませんが、試行錯誤しながら目的を達成する手段を模索していこうとしています。

「あきらめる」は復職してから私がよく使う言葉ですが、決してネガティブな意味ではありません。これまでは上手に言語化できていませんでしたが、目的を達成するための手段は一つではないということを私は思っていたようです。

目的である「やりがいを感じながら働く」を達成する日が来るといいなと思います。いや、実はすでにやりがいは感じていて仕事を楽しめている自分に気づいてはいるので、これでいいのではと思ったりもしています。

というわけで、復職してからのキャリアに対する悩みに一区切りつけることができました。こんなことを言っておきながら、しばらくしたらまた悩んでいるかもしれませんが笑

今日はここまで!最後までお読みいただきありがとうございました。


復職やうつ病後の働き方・生き方に関する記事をまとめています↓

X(Twitter)もやっています↓


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?