喧嘩をしない夫婦は、いい夫婦なのか?
夫を傷つけるのが怖くて、つい本音を引っ込めてしまう。
本当はこう感じているんだけど、相手の立場もあるし、わたしが我慢すればいいかな、そんなに激しく嫌なわけじゃないし。
育児、子供の学校関係、家事、性の問題。
日常の中でパートナーに対して感じる些細な不満はあるけれど、特に大きな声で責めるほどのことでもない。
お互いを責め立てるような夫婦喧嘩もないし、これでいいんじゃないのかな?
そう思ったことはないでしょうか。
確かに、相手を心理的や肉体的に傷つける争いはよくないとは思います。
ですが、心の奥にある本音を相手に遠慮して言わないことは、二人にとっていいことなんでしょうか。
ぼくは、それが後々、取り返しのつかない事態へと発展する前触れなんじゃないかと思うんです。
◇
夫に不満を抱き、我慢し続け(本人は我慢と認識していないことが多いですが)、いつしか夫に性的な嫌悪感を抱くようになった女性の多くは、優しい人が多いです。
優しく、仕事ができ、気配りもできます。一昔前なら「いい奥さん」と言われるような方ばかりです。ぼくはスーパーワイフと呼んでいます。
夫の帰りが遅くても、「もっと早く帰ってきてよ!」と責めることもなく、おかずを3品以上用意し、玄関の靴をきれいに整理し、お風呂から上がる夫の着替えを用意します。
そんな女性の夫たちは、スーパーワイフに支えられ、仕事や趣味に好きに生きていることが多く、まさか自分の妻が夫婦関係に不満を抱いているとは夢にも思いません。
ええ、気がつくわけがないんです。スーパーワイフは(夫も大変だろうから、文句は言わない方がいい。私が頑張らないと)と、自分を追い込む習性があり、夫に自分の不満を悟られないようにすることが得意だからです。
妻が不満を漏らさないので、夫は(うちの夫婦関係はうまくいっている)と思いがちです。
また、夫も争いごとを避ける傾向にある場合、妻の心理に踏み込んだ言動が苦手であるため、妻の本音に迫ろうとしません。
ニコニコ笑っている妻が、その裏で何を考えているのか?
家庭内日常業務を効率良く回っていることに満足し、その裏にある妻の情緒面の変化に気がつきません。
家事育児が効率良く回ることと、夫婦関係がうまくいくことは全く別の話です。なぜなら、夫婦の関係性は、論理や理屈ではなく、情緒で動いているからです。
夫が家事育児に関わっていても触れられたくないと感じてしまうなら、それは情緒面での関わりが圧倒的に足りていない証拠だと思うのです。
ニコニコ笑っているけれど、本当はどう感じているのか?
相手に遠慮して我慢していることはなんなのか?
相手を傷つけるのが怖くて、伝えられていないことはなんなのか?
心の奥底にある感情を、もし自分が認識しているのであれば、それを相手に伝えることも優しさだと思うのです。
相手の心に自分の思いを届けなければ、夫は家庭がうまくいっている、妻は夫に満足していると勘違いし続けるからです。
そして、ある日、ダムが決壊するように、夫への嫌悪感が溢れ出すのです。
一度、嫌悪感を抱いてしまったら、なかなか元には戻りません。ぼくは奇跡的に妻から抱かれた嫌悪感を払拭することに成功した男性を知っていますが、とてつもなく途方な道のりでした。
妻から嫌悪感を抱かれ、妻に不倫をされてしまった男性の多くは「死にたい」と言います。
最初にその言葉を聞いたとき、本当に驚きました。妻の不貞行為が原因で自殺した男性なんて聞いたことがなかったからです。
ですが、何人もの男性と定期的に話すようになり、わかったことがあります。彼らは口に出さずとも、妻との心理的な絆を欲していたんです。
実際には、妻は夫を嫌悪しているので心理的な絆は存在しませんが、その不在を認知できない夫にとって、「(本当は存在しない)妻との心理的な絆」が生きる希望だったんです。
それが失われた時、どれだけ自分にとって妻が大切な存在であったかに気がつくんです。
現実にはそんなもの、どこにも存在しなかった。自分の生きる希望はどこにもなかったんだ。その絶望感に苛まれた男性の多くが、死を望むのです。
夫を傷つけることが怖い。
妻を傷つけることが怖い。
その気持ちもわかります。優しい方なら余計そう思いますよね。
言い争いはぼくも好きじゃありません。お互いの感情が螺旋階段のように上昇し、取り返しのつかない場所まで吹き飛ばされてしまいますから。
ですが、優しい方だからこそ、相手の心に近づくこともできるんじゃないのかなって思うんです。
相手に遠慮がない人は、ガンガンとパートナーの心の扉を叩きまくりますが、相手が引いてしまうこともあります。
優しい人だからこそ、少しづつ距離を詰めながら話ができるんじゃないのかなって思うんです。
相手の心に、確実に自分の感情が届くまで諦めない。
相手の感情を確実に受け止めるまで、諦めない。
わかったつもりにならない。
自分勝手な解釈をしない。
そして、お互いの感情を確実に受け止めた上で、自分たちの答えを出す。
それはとても時間も、勇気も、根気もいる作業だと思う。
だけど、心の奥に閉まっていた本音を相手に見せられなかったあの頃より、きっと違う世界が待っているんじゃないかなと、そう思うんです。
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