夫婦喧嘩はエビとカニの戦い?殻ではなく身を意識しよう。
お互いへの非難が止まらない夫婦喧嘩。込み上げてくる怒りはとどまることを知らず、相手を打ちのめしたくて仕方なくなる。
あとからいつも後悔するのに、なぜ人は夫婦喧嘩をしてしまうんでしょう?
何度かポッドキャストにご出演いただいた上遠文恵さん(臨床歴25年の臨床心理士さん)が夫婦関係に関する本を出版され、その中でこんなことを書かれていました。
夫婦喧嘩が「二次感情のぶつけ合い」ならば、一次感情があるはずです。
そして、その一次感情を理解することが、夫婦喧嘩におちいらない大きなヒントになるのです。
上遠さんの本をもとに、夫婦喧嘩に突入しないためのヒントを紐解いていきます。
◇
上遠さんは「夫婦は感情的・情緒的なつながりを基盤としている」と言います。
うれしい、楽しい、寂しい、辛い。
そんな感情をもっとも呼び起こすことができるのはパートナーであり、誰よりもその感情を共有することができるのもパートナーです。
この人に自分の寂しさをわかって欲しい。
そう思ったことがきっとあなたにもあるはずです。ぼくにもあります。
だけど、パートナーにかける言葉といえば、「なんで、あなたはそうなの?」「こうすべきでしょ?」「なんでこうしないの?」といった、相手を理性的に追い詰めるようなものばかりです。
ぼくも言ったことがあるし、言われたこともあります。
夫婦が感情を基盤とした関係性ならば、理性を基盤としたコミュニケーションは夫婦にとって矛盾する行為なんです。
だから、相手を理屈でやり込もうとしてもうまくいかず、余計に距離が広がっていくんです。
先日、こんな話を聞きました。
婚活アプリで知り合った男女の話です。結婚して10年。子どもは小学校3年生の男の子が一人。
産後クライシスがきっかけで夫婦関係は悪化し、今では夫の洗濯物や料理や皿洗いは妻と子どもとは別にしています。
つまり、夫は仕事から帰ってくると、自分だけの服を洗濯し、自分だけのために料理をし、自分だけの洗い物をするんです。
夫が帰ってくる前に、妻は子どもと自分の分の洗濯や食事は終わらせています。
なぜ、そうなったかというと、毎回の夫婦喧嘩の原因が「どれだけ相手のことをやってあげているか」にあるからだそうです。
だったら生活を完全に分けて、洗濯も料理もすべての家事を分けてしまえばいいとなったのです。
それでも夫婦仲が良くなったわけではなく、表面的に見える喧嘩が減っただけであり、彼らは近いうちに離婚するようです。
二人の喧嘩はだいぶ激しいらしいのですが、その怒りという二次感情の裏には別の気持ちが隠されているんだと思います。
「幸福な夫婦のマニュアル」ではこう書かれています。
怒りは自分を大切にされないこと(情緒的つながりがないこと)への抗議であり、心の奥では「関心を持って欲しい、自分を受け入れて欲しい」という柔らかな気持ちがあるんです。
ただ、この柔らかな気持ちはとても繊細なので、喧嘩の最中に持ち出すことができません。自分が傷ついてしまいますからね。
婚活アプリで知り合った夫婦は、「恋愛期間がなかったから、ぼくらには繋がりがない。ぼくは妻の顔を、妻はぼくの収入を選んだだけ。ぼくらはスペックで相手を選んだんだ」と言います。
本当にそうなのかもしれませんが、10年近く結婚しているので相手の柔らかな気持ちを知る機会はあったはずです。
彼らの目には、怒りという二次感情しか見えていなかったのです。
相手の怒りの裏に何があるのか?なぜ、心無い言葉を自分にかけるのか?
そこに目を向けることがあれば、きっとなにかが変わったはず。
彼は「ぼくらはスペックで相手を選んだ」と言う。
目に見える表面的な部分しか見ておらず、そして今もまた目に見える部分だけを二人は見てしまっているんだと思う。
上遠さんは本書でこう書かれています。
ぼくらがパートナーの体を覆う硬い殻(二次感情)ではなく、その中の柔らかな身(一次感情)に気づくことができれば、それに気がつこうという意識を常に持つことができれば、夫婦喧嘩は減っていくのだと思う。
ぼくら夫婦も、お互いの柔らかな心を積極的にさらけだすようになってから、だいぶ関係性が丸くなりました。
硬い殻ではなく、柔らかな身の存在を意識する。
それだけでも、夫婦喧嘩に悩む人の多くは変われるんじゃないかなと思っています。
◇
夫婦関係に悩む女性向けに無料でZOOM相談を行っています。こちらのフォームからどうぞ。
お話から得られた気づきを、noteやポッドキャストで発信させていただくのでお金はいただいていません。
友人に相談するような気軽な気持ちでご連絡ください。
▶︎女性向け無料ZOOM相談フォーム
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?