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【雑感】本当の「Beautiful Harmony」のために

2019年5月1日。新たなる時代「令和」がはじまりました。

とは言いつつも、元号が「令和」に変わったからと言って、多くの人にとって日常生活が大きく変わったということはないと思います。

そういえば、以前から懸念されていた、改元によるシステムトラブル等も報道によれば特に起こっていないようです。多くの方が苦労されながらも必死に対応してくださったのだと思います。こうした「影の努力」もありながら、無事に新たな時代を迎えることができたと言えると思います。

今後の課題

現在の日本には、時代が変わったとは言っても、リセットできない現実・課題がたくさんあると思います。

特に、統計不正の問題は非常に根深いと思います。平成の賃金が8年分検証不能という事態は本当に大変なことです。統計が信頼できないというのは、国家の信頼を揺るがす異常事態です。現政権が悪い・悪くないという問題を超えて、現政権は厳正な対応をすることが求められるでしょう。国会の質疑などを見ていると、どこまでそれが可能なのか非常に心配になりますが。

「令和」の時代をよい時代にするために、不都合な現実とも向き合い、また国民一人一人の手でよい時代を切り開いていく意識は忘れないでおきたいです。

英訳をめぐって

さて、令和が発表された直後くらいに、英語では「Beautiful Harmony」とするという報道がありました。最初に「Order and Peace」と紹介されたことがきっかけのようです。

個人的には、元号で「Beautiful」と言われてしまうと、「美しい国、日本」というキャッチフレーズと共に安倍首相のことが思い浮かんでしまうので、あまりいい気持ちはしません。ただ、イデオロギーなどは関係なく、真の意味で日本が「美しい」国になってほしいとは思うので、希望を込めてBeautiful Harmonyも悪くないかなと思っています。

現在の日本が、先ほど紹介したような様々な困難を抱えるばかりでなく、さまざまな嘘や隠蔽で成り立ち、不都合な言論は無視され、民主主義もまともに機能しておらず、「美しい」とは到底呼べない状況にあることは本当に残念なことです。だからこそ、令和時代が失われたものを取り戻す、真の意味での「Beautiful Harmony」の時代となることを信じたいと思います。

そういえば、平成より前の英語説明はどうなんだろうと思って調べてみたところ、こんな記事がありました。

記事には明治以降の元号の英語表記について紹介されています(ソースはBBCだそうです)。

・明治…Enlightened Rule(文明開化した統治)
・大正…Great Righteousness(偉大なる正義)
・昭和…Enlightened Harmony(見識ある調和)
・平成…Achieving Peace(平和の達成)
・令和…Auspicious Harmony(縁起のよい調和)※記事をそのまま引用。

似たような意味の単語ばかりですし、そうした単語の組み合わせを変えただけにも見えますが……こうした英訳を参考にすることで、普段はあまり意識することのない元号の意味を知るきっかけとなるかなと思いました。

平成を振り返ると

ところで、去りし「平成」は英語で「Achievement Peace」だったようですが、果たして日本は平和を達成することができたと言えるでしょうか。

天皇陛下のおことばにもありましたが、日本で戦争が起こらなかったという意味では、しっかりと平和を達成することができたのかなと思います。

しかし、2011年3月11日に起こった東日本大震災では、多くの人が平和な生活を奪われ、今もいまだに苦しみ続けている人がいます。他にも、阪神・淡路大震災、新潟中越地震、熊本地震、北海道地震などの地震、さらには西日本豪雨、御嶽山噴火、台風などといった自然災害にも数多く見舞われました。そういった意味では「平和」だったと断言することはできないと言えるかもしれません。

そうしたことに思いを馳せれば、平成の世に達成できなかった「平和」を改めて見つめ直し、令和の世には少しでもそうした苦しみを減らす方向につながってほしいと思います。

おわりに

現在の安倍政権にはさまざまな批判があります(私も批判的な一人です)。対して、現政権を好意的に見ている人もたくさんいます。もちろん、どちらでもない人もいると思います。しかし、たまにはイデオロギーに囚われた争いを超えて、日本という国が目指すべき「Beautiful Harmony」が何なのか、具体的に意見を出してみても良いかもしれません。

目標は具体的に。それが実現のための一歩です。

ところで、音楽において「ド」と「ソ」を同時に鳴らすと、美しい響きがします。完全協和音程です。しかし、そこに生まれる響きは非常に空虚なものです。そこに「ミ」を入れると、不完全協和音程となりますが、色のある美しいハーモニーとなります。

さらに、そこに「シ」や「レ」などといった音を加えると、音にぶつかりが生まれます。不協和音程です。しかし、そうして生まれたハーモニーもまた美しいものが多く、現代はそうした和音の方が好まれて使われることが多くなりました。

これはあくまで私見ですが、「Beautiful Harmony」というのは、ぶつかりのない響きではないと思います。むしろ、ぶつかり合いの中に生まれる「調和」こそ、真の意味での「美しい調和」ではないでしょうか。

異論を封殺するような空気感が生むのは、完全協和の世界ですが、そこにある響きは、色のない「空虚な」ものだと思います。美しさのためには「異論」という不協和音程も必要だと思います。

ですから、そうしたぶつかり合いを大切にし、相互を尊重する態度が令和の世を生きる私たちには必要だと思います。


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