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2023年11月・12月に読んだもの・見たもの

 2023年振り返りと2024年目標を書いたあとにさらに2月に入ってから11月、12月のコンテンツ記録を投稿するの、悔しさはありますがこれは呑み込むべき悔しさ……。こういうこと気にしすぎるとそのうち溜め込みすぎて投稿できなくなるのでね……!

 というわけで大遅刻ですが去年11月・12月分のコンテンツ月報です。12月は土日に予定が多かった上に平日も上手く使えず、11月の月報を書くことができませんでした……。まあ12月分はコンテンツほとんど触れられなかったので漫画だけになりますが、2ヶ月のコンテンツ記録、書いていきます!

 一覧は目次からどうぞ!
 全体通してネタバレはしていないつもりで、どちらかというと読んでいない・見ていない方向けとして書いています。

小説:キャロル/パトリシア・ハイスミス(柿沼瑛子訳)

 2016年の映画公開当時に買ったのにずっと積読してたのを7年越しに読みました。7年越しの積読……。映画は字幕で見てキャストの声が印象に残ったので、日本語文体で上書きしたくなくてすぐには読まなかった覚えがあります。

 読んでみて、映画大好きで当時2回見たんですが、小説もすごく好きになりました!
 人物像とか心情描写がより細やかに・字数を割いて描かれてる分、女性同士という言葉に収まらない、人間同士の物語なんだと思わされながら読みました。
 女性に恋した女性の物語という言葉では抽象的すぎるというか……女性に恋したテレーズがその葛藤や気持ちに対してどう向き合うかっていうところにテレーズ個人の性格とか思想が見えるから、テレーズの物語として読めたというか。

 そして上手いこと映画化されてたんだなと改めて知ることにもなりました。もう7年前に見た映画なのに、そんでところどころ設定変わってるのに、映画で見た情景がふっと思い出される瞬間があって、すごく素敵な体験をしていると思った……。特にラストは最後まで思い出せなかったけど映画のシーンが浮かんでそうだ! ってなりました。

 あとがきとか読んでたらこの作品は初めてハッピーエンドを迎えるレズビアンを描いた物語だと言われることがある、って書いてあってそれも驚きでした!
 でもこの驚きはこの作品がハッピーエンドを切り拓いてくれたからなんだなあ。

 振り回したり振り回されたり、他人や自分の感情のどうにもならなさが印象に残った読書でした。映画もう一度見直したい〜!

小説:まほろ駅前多田便利軒

 これは昔図書館で読んだ記憶があるんですが、神田古本まつりで買って積んでた本です。その前にキャロル読んでたからさくっと読めるやつがいいなと思って選んだんですよね。読みやすいけど軽やかなだけじゃなくていい読書でした。

 便利屋をやってる主人公のもとに高校の同級生(かつて主人公が大怪我を負わせたという負い目あり)がやってきて、なし崩しに居候が始まるし一緒に仕事するようになる、というバディものです。

 まほろ市、は明らかに町田市が舞台になってるんだけど、「幻」みたいな名前ついてるけど現実のしんどい問題も描いていて、エンタメ小説というには文学寄りでもある三浦しをんさんの作風が光ってる作品だと思います(でもエンタメ寄りとして読めると思う)。2人がなんでこうして便利屋をやってたりそこに転がり込むことになったりしたのかっていう過去が少しずつ明かされていくのが面白いしひとつひとつの事件も面白い。
 続きがあるはずなのでそちらもまた再読したいなと思いました!

買った漫画リスト(11月)

1.氷の城壁(6)
2.セシルの女王(5)
3.正反対な君と僕(5)
4.僕のヒーローアカデミア(39)
5.パンダ探偵社(1)
6.その件は無かったことに
7.朝日向先生は秘密の診察をしているらしい(1)~(2)
8.花野井くんと恋の病(7)~(14)
9.青野くんに触りたいから死にたい(11)
10.よふかしのうた(18)
11.顔だけじゃ好きになりません(9)
12.メダリスト(7)・(9)
13.僕らの地球の歩き方(5)
14.緑の歌 収集群風 上・下
15.夏の魔物 04
16.税金で買った本(9)

15シリーズ・たぶん25冊

ピックアップ:緑の歌  収集群風/高 妍

 本屋さんに行くたびに目に入っていてずっと気になっていたのをついに購入して読みました。
 濃密な物語で、でも余白もあって、いい短編小説を読み終わったときみたいな気持ちいい読了感でした。

 台湾で日本の音楽や小説を愛した大学生の、文化との出会い、人との出会いを描いたもので、何かしらの芸術を愛することの尊さ、人を愛することの尊さをすごく感じた……。
 繊細というかリアル寄りの絵柄で、表情が移ろうのもすごく素敵だった〜。

 日本の小説、は主に村上春樹で、キーとなる場所が「海辺のカフカ」っていう名前のカフェだったりするんだけど、村上春樹ちゃんと読んだことないので読んでみたいな〜という気分にもなったなあ。

 作家の方が実際村上春樹好きで、あるとき村上春樹の本の表紙絵を依頼されてこんなことが人生に起きるのかと思った、みたいなエピソードがあとがきに書かれてるんですけど、そういう愛せる何かに出会って、その先で奇跡みたいな出会いが生まれる、みたいなことの輝きや煌めきも作中に表れていたと思います。

 分厚い上下巻、すごい満足感でした! おすすめです!

買った漫画リスト(12月)

1.青春離婚
2.氷の城壁(7)
3.やわ男とカタ子(9)
4.株式会社マジルミエ(10)
5.剥かせて!竜ケ崎さん(1)~(4)
6.青春の霹靂(1)~(4)
7.アンデッドアンラック(19)
8.葬送のフリーレン(12)
9.ファミレス行こ。上
10.蓼食う君も好き好き(1)~(3)
11.多聞くん今どっち!?(7)
12.ながたんと青と-いちかの料理帖-(11)

12シリーズ・20冊

ピックアップ:ファミレス行こ。/和山やま

 前作「カラオケ行こ!」の映画が話題になっている今作!
 3年ぶりに出た続編、中学生だった聡実くんが大学生になったので作中の時間も実際4年後とか。
 あんまりネタバレしたくないんですけど、いやもう、本当に漫画が上手すぎるというか……。語らないことというか、余白の作り方というか、情報の出し方というか。。。
 最後に特大爆弾落とされてTwitterの私のタイムラインは割と阿鼻叫喚でした。私も叫んだ。

 きっとまた次が出るのもすぐではないんだろうな……読むたびに微妙な気付きが増えてめちゃくちゃ楽しいです。
 でもあとがきで今作では聡実くんの幸せを考えて〜…というのがすごく! 気になる!!!
 期待して、しかし長い目で続きを待とうと思います……!

映画:パトリシア・ハイスミスに恋して

 この映画を見る前に読み直そうと思って『キャロル』を読んだところはありました。
 映画原題はLoving Highsmithで、「ハイスミスに恋して」(HighsmithはLoveの目的語)っていうのと、「恋するハイスミス」(LovingはHighsmithの修飾語)っていうかけ言葉なのかな。
 色んな証人(?)のひとが彼女はどんな人だったか語るドキュメンタリーの映画でした。すごく色んな人と恋愛をした作家だったんですね。
 あんまり面白かったかとかで評価するタイプの映画じゃないと思うのでそこは置いときますが、『キャロル』の感想でも書きましたが初めてレズビアンのハッピーエンドを描いたこと、当初は別名義で本を出したこと、でもそういう過去の時代があって今の時代があるということに思いを馳せることになった映画でした。

 というわけで今回はここまで! 1月は3冊読んだり映画も3本見たりしたのでこれも早いうちにまとめねば〜。

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