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#25 京都の小学生40人といっしょ!メンバー親子が引き寄せた!オストメイト啓発授業&デコパウチワークショップ

こんにちは!「オストメイトといっしょ!秘密結社アッと♡ストーマ」共同管理人の中島小百合です。

オストメイトといっしょ!秘密結社アッと♡ストーマは、総勢70人 (うちオストメイト13名) のメンバーが在籍(2022/01/22現在)。

職業も、家族構成も、生活スタイルも、診断名も違う70人なので、ミーティングの時間を決めるのも大騒ぎ(笑)な大所帯になってきました(現在は新規メンバーの募集を受け付けておりません)。

そんなカラフルなメンバーのなかから、共通の想いを持つ人たちが出てきて。その想いがみんなの心を動かし、たくさんの出会いと感動を呼ぶイベントとして実を結びました。

きょうはそんな「オストメイトといっしょ!京都の小学生40人にオストメイト啓発授業&デコパウチワークショップ」についてお話します。

はじまりは、メンバーの声

「子どもたちに、オストメイトのことを知ってほしい」

そんな声が、小学生のお子さんを持つメンバー達から上がりました。

小学校でデブだブスだといじめられたトラウマがあり、ちょっとした小学生恐怖症の私は、物陰から(笑) おっかなびっくり状況を見守っていたのですが... 

ある日、入江 眞由美 さん

「ウチの子供の小学校でやれそう!っていうか娘がもう学校に話を取り付けてきた!」

と名乗り出てくださり。そこから眞由美さん親子の怒涛の快進撃が始まりました。

娘さんが担任の先生に「オストメイトを知ってもらう授業をしたい」と掛け合ってくだったそうなんです!そこからはあれよあれよという間に担任の先生とのZoomミーティングの日程が決まり、校長先生や教育委員会を巻き込んだ交渉が進み。気づけば実行日とプランが決定!眞由美さんは既にPowerPoint資料の大枠を仕上げてシェアしてくださる!神速ぶり。

入江さん親子の本気が生んだ疾走感に酔いしれるプロジェクトメンバーでした。

確かに、自分の見た目や人からの視線が気になり始める思春期の前に、オストメイトという身体の人が居ると知ってもらうのはすごく大事なことで。

「もし。いろんな身体の人がいるんだよと知ってくれたら、当時の私みたいな人間も外見でイジられたりしなかったのかなぁ... 」なんて、完全に個人的な想いを抱えつつ(笑) 秘密結社は一路、京都を目指したのでした。 

先生方の熱い想いと、教室いっぱいのまっすぐな瞳

そんなこんなで京都に結集したオストメイトは3人。先日報道ランナーでも取り上げられていたストマリーナの北田まゆみサンは大阪から、岩元浩さんは静岡から、そして不肖ナカジマは東京から。それぞれ京都に現地集合!

司会進行と講義部分を担当してくださるのはWOCナース(傷、オストミー、失禁などのケアを専門とする看護師さん)の入江眞由美さん。デコパウチワークショップの設営をしてくださったのはコロプラスト株式会社からシディキ佐衣子さん渡辺由莉香さんのタッグ!さらに共同管理人のれなさんが!おsまさかの!TVクルーを連れての取材合流!

平日昼の講義にもかかわらず、うっかり最強の布陣です(笑)

参加してくれたのは4年生と6年生のみんな、合計40人。大きな視聴覚教室で、グループごとに机を寄せて。担任の先生方と校長先生が見守るなか「よろしくお願いします!」の元気な声に背中を押されて、眞由美ナースの講義セクションが始まりました。

京都府は人権教育に力を入れているそうで、

一人ひとりの男性も女性も、子どもも高齢者も障害者も、外国人も、すべての人が地域で「守られている」「包み込まれている」と感じ、誰もが持つ能力を発揮し、参画することのできる社会の実現(京都府人権教育・啓発推進計画より引用)

のため、さまざまな施策をされているとのこと。今回の講義もその一環で、過去には車いすユーザーの方、視覚障害をお持ちの方も講義をされたそうです。

「外からは見えないオストメイトを、あまりグロテスクな話でみんなを怖がらせないように(←学校からのリクエスト)... どう知ってもらおう?」

という温度感については、事前にメンバー間で何度も議論しました。こんな風に行きたいね、こういうことは言わないほうがいいのかな。と慎重に言葉を選んで... 眞由美さんが聞いているみんなに問いかけつつ、オストメイツ(複数形 笑)がワイワイ合いの手を入れつつ。講義は進みます。

先生方も打ち合わせ段階から、「話を聞くみんなが、どんなふうに講義の内容を受け取るか」を想像してくれました。こういう風だとうれしい、という希望を伝えてくれた先生方の、みんなに対する想いの深さを感じます。現場で眞由美さんの話をうなずきながら、笑いながら、聞いてくれるみんなのまっすぐな瞳がまぶしいです。

核心をついた質問がつぎつぎと投げかけられ、オストメイツはそれにまっすぐ答えながら。小学生の子たちって、こんなに純粋に話を聞いてくれるんだ... ここまで私たちの心に、寄り添ってくれるんだ... と感動の連続でした。

いよいよ!デコパウチつくろう!

休み時間をはさんで、いよいよデコパウチ作りの時間です。シディキ佐衣子さんが用意してくれた参加者全員分のオストミーパウチ(オストメイトがおなかに着けている袋)をみんなに配り。

「がんばるぞ~、オーぉぉぉぉ!!」

と全員で拳を振り上げ!デコパウチ作りが始まりました。

休憩時間からもう、オストメイツはみんなに囲まれる人気ぶりで(笑) こんなに興味を持ってくれるなんて!と純粋にうれしい私たちは、なんだかロックスターになった気分で(万全の感染対策を講じたうえで)みんなの机をまわりながら。1人ひとりがクリエイティブなデコパウチを描いていくのを、うれしく見ていました

絵を描いてくれる子、メッセージを書いてくれる子。みんなの作品はぜんぶ違うのですが、多くのパウチに込められていたメッセージは「がんばって!」というもの

ちょっと前に「もう頑張っている人に、頑張れという言葉をかけるのは酷だ」なんて話題が出たことがありましたが... デコパウチに書いてくれたみんなの「がんばって」は、みんなの心から出た、本当にピュアなメッセージでした。

言葉って、パッと見じゃないんです。言葉尻じゃないんです。みんながどんな想いで「がんばって」とデコパウチに書いてくれたか、という背景まで見えた時、その言葉は、それがどんな見た目だったとしても、心からの純粋で前向きなメッセージとして、まっすぐこちらに届くんです。

出来上がった40の作品は、どれも本当に個性的な、素敵な、前向きなメッセージに溢れていました。シディキさんが別の投稿でも写真を紹介してくれていますが、みんなの作品だけで何時間でも語れるくらい!それぞれに心温まるエピソードがあって、みんなの真剣な顔を思い出しちゃいます

しかも講義の最後にみんなが、自分の作ったデコパウチ作品を私たちのところに持ってきてくれたんです!

ひとりずつ、卒業式の卒業証書授与みたいな感じで... まっすぐ目を見て、作品を手渡してくれたんです... (感涙)

全部のパウチに描かれたメッセージを、オストメイツの3人ともが「これ、私のために、描いてくれてたんだ...」と思い込んで(笑) 涙腺が崩壊する始末!感動のフィナーレをもって、講義は終了したのでした。

みんなのおかげで、素晴らしい時間に

いろんな出会いと化学反応で飛び出した、秘密結社初めての「オストメイト啓発授業&デコパウチワークショップ」!おかげさまでこれ以上ないというくらいの大成功となりました。

最初は諸事情により(笑)おっかなびっくりの私でしたが、ていねいに時間をかけて、相手の表情を想像しながら準備する時間は、ちょっとラブレターを書いているような気持ちでドキドキしたり、ワクワクしたり

現場で一緒に時間を過ごすうちに、怖い気持ちなんて忘れちゃって。目の前で真剣に話を聞いてくれるみんなへの感謝の気持ちと、

「この子たちがオストメイトに会ったら、きっとすごく優しく接してくれる」

という希望が確信に変わっていくのを感じました。

真面目なだけじゃ面白くない、面白いだけじゃ大事なことが歪んじゃう。啓発授業とデコパウチワークショップの合わせ技は、そのバランスが絶妙にとれたアクティブな学びであることも発見のひとつでした。

またこんな機会に恵まれたら嬉しいなあ。と思い出してはニヤニヤしちゃうイベント!

また開催したらこちらでご報告しますね^^


オストメイトといっしょ!
秘密結社アッと❤️ストーマ
中島小百合

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