F45 Training Holdings ( $FXLV )の上場について
こんにちわ
先日、F45( $FXLV )がNYSEに上場しました👏
動画を見ても分かる通り、セレモニーには、世界的に超有名なDJ スティーヴ・アオキが出演するなど大盛り上がりのようでした。F45は、オーストラリア発祥のグループトレーニングを提供するフィットネスジムです。なんとなく企業ロゴもオーストラリアに似ています。
僕もたまに行っているのですが、今までは(例えば日本だとFeelcycleや、B-monsterのような)暗闇エクササイズのような感じが多かったですが、だんだんその時代が移り、オレンジセオリーなどのスタンダードなジムにトレンドに移っている気がしています。別に暗闇じゃなくても、楽しい音楽でみんなでハードワークなグループレッスン(「HIIT」)していた方が楽しいのでは?という感じでしょうか。きちんと体に効くトレニーングをしたいという人も増えてきているという印象です(実際にPelotonが筋力系のトレーニングを追加したというのもこういうトレンドからきています)。
※HIITとは、「High Intensity Interval Training(高強度インターバルトレーニング)」の略
ファンクショナルトレーニングという言葉もよく聞くと思います。有酸素運動だけでなく筋トレなども取り混ぜた総合機能トレーニングが増えてきています。そんなトレンドの先端を走っている企業が「F45 Training Holdings」です。メインサービスは「F45」というジム。ただし、この企業はオンラインレッスンを提供しているわけではなく、あくまでも集まってみんなでやること(コミュニティ)を大事にしています。そうした意味で、コロナ禍において大きな逆風を受けました。そして、コロナ禍が明けた今、満を時して上場となりました。
実は、F45 Trainingは、2020年6月に特別目的買収会社であるCrescent Acquisition Corp.と合併することに合意しましたが、パンデミックによりいくつかのスタジオが閉鎖されたため、後に契約をキャンセルしたという経緯があるのです。
今回の上場の主幹事は、ゴールドマンサックスとJ.P. Morganです。
上場時の値付けは16ドル(9000万株)で、初日は16.2ドル(+1%)で終わり、まぁまぁという印象です。なおそれにより同社の株式評価額は14億4000万ドルになりました。(※IPOの純収入のうち1億9,070万ドルを債務の返済に、250万ドルを特定の従業員に特定の現金ボーナスを提供し、2,500万ドルを屋内サイクリングチェーンの買収に使用する予定だそうです。)
では、ご紹介していこうと思います!なお、この記事は、単純に企業的に良い企業だから進めるというよりも、F45自体が面白いので紹介したいと思っただけです。サービスとしてはお勧めしますが投資としてはまだ様子見と思います。
では、みていきましょう
1 会社のサービス内容
まず設立は2013年とまだ設立して約8年です。Pelotonが、2012年設立なのでその翌年です。そのサービスの根幹をファウンダーであり俳優のMark Wahlbergはこう語っています。
「スケジュールがなくても、深夜や朝一番にやる、がんばり抜くフィットネス愛好家は、バイクに乗りたくないのです。もちろんバイクも良いです。しかし、最終的にはそれは停滞して退屈になります」
「あなたは、あなたと一緒に動き、あなたを刺激し、あなたの気持ちを押し、サポートする人々のエネルギーのある場にいたいと思っています。」
まさにバイクという孤独に飽きた人たちがたどり着く場のようです(※ただし、当時はPelotonがそこまで普及していませんでした)。
では、紹介のYouTubeです。
2013年にAdam Gilchrist(アダム・ギルクリスト)によって、オーストラリアのシドニーで設立されたF45 Trainingは、あらゆるフィットネスレベルの人々に、機能的な45分間のスタジオおよびホームワークアウトと呼ばれるものを提供するサービスです。設立の理由としては、「テクノロジーを活用して、1対1のパーソナルトレーニングや反復的な単一分野のスタジオクラスの手頃な代替手段として機能する、効果的で学際的でコミュニティ主導のトレーニング」を消費者に提供したいという考えからです。
F45の強みは、独自の技術、つまりフィットネスプログラミングアルゴリズムと特許取得済みの技術対応配信プラットフォームを利用して、有酸素運動とレジスタンスの両方で構成される3,900を超える独自のファンクショナルトレーニングデータベースを活用して、毎日新しいトレーニングを提供することです。
そして、それは、F45トレーニング体験を全世界の店舗で標準化するために、ワークアウトの指示やタイミングを含むコンテンツをスタジオ内のF45TVやスピーカーシステムに直接配信できることです。
上記のように全てのスタジオには画面があり、それに連動したトレーニング動画が流れるのです。つまり、リアル店舗でありながら、全てのコンテンツを全世界でまるでオンラインのように体験できるというシステムです。それゆえ、リアルとオンラインの融合した少し新しい形のジムです。
現在、63か国に1,555のスタジオと2,801のフランチャイズを持っており、最終的には世界中に23,000を超えるスタジオを持つことを目指しています(※フランチャイズは契約数、実際にスタジオを出すのは契約後のため数に差があります。)。
下記がエリアごとの店舗ですが、オーストラリアエリアが最強です。
■ 信念
以下webサイトにあるF45の信念をご紹介します。
● TEAM TRAINING LIFE CHANGING
F45 Trainingは、高速で楽しく、結果重視の革新的で高強度のグループワークアウトを専門とするグローバルフィットネスコミュニティです。
● OUR CLASSES
✔️ FUNCTIONAL HIIT
F45は、エネルギーレベル、代謝率、筋力、持久力を向上させながら、機能的な全身トレーニングを提供するように特別に設計されています。
✔️ TEAM TRAINING
F45トレーニングのチームの考え方は、コミュニティの成長と自我のない態度を奨励しながら、メンバーが身体的および精神的にライフスタイルを変えるのに役立ちます。
✔️ 45 MINUTES
F45は、最も時間効率の良いトレーニング方法の1つです。 45分間のセッションで最大750カロリーを消費することを目指しています。
(※週末は60分のものもあります。)
● INNOVATION. MOTIVATION. RESULTS.
F45トレーニングワークアウトは、体の筋肉群を統合し、人生のあらゆる面で気分を良くし、パフォーマンスを向上させるように設計されています。
● LEADERS IN FUNCTIONAL TRAINING & SPORT SCIENCE
F45のアスリート部門は、世界中の主要なトレーニングプロフェッショナル、アスリート、運動科学者で構成されており、すべてF45トレーニングトレーニングの研究、開発、実装に取り組んでいます。私たちの陸上競技部門は、私たちのスタジオに毎日新鮮なプログラミングを提供し、メンバーが常に従事し、トレーニングを楽しんで結果を得るようにしています。
● FUNCTIONAL TRAINING
ファンクショナルトレーニングは、日常生活で行われる活動のためのトレーニングを含む運動の分類であり、個人が日常の活動でより良い動きをするのを助けるように設計されています。これらのタイプのエクササイズには、通常、全身と複数の筋肉のグループの使用が含まれます。継続した活動は、エネルギーの改善、体組成、代謝機能、睡眠、脂肪量の減少、ストレス、うつ病、生活習慣病のリスクの改善などさまざまなメリットをもたらす可能性があります。
● INDUSTRY-LEADING TECHNOLOGY
私たちのトレーニングは、すべてのスタジオに設置されている堅牢なテクノロジーシステムによって促進され、組織化されています。
スタジオの正面の壁に取り付けられた一連のテレビがあり、ステーションごとに整理されたワークアウト映像を提供します(※下記のような感じ)。
F45トレーナーの指導とモチベーションにより、このシステムは、メンバーがワークアウト中にエクササイズステーションからステーションへと進むための視覚的なツールです(※決められた番号から順に〇〇秒ずつトレーニングして移動していきます)。
また、LionHeart(上記写真の器具)というものがあり、それはF45のTV画面と統合され、ワークアウトを正確に追跡し、心拍数、最大努力の割合、および消費カロリーを管理して、自分自身の目標到達に役立ちます(※上記下写真のように画面に数字が表示)。機能イメージとしては、Apple Watchのような感じです。
※実際によく45日間チャレンジのような、目標を応援するキャンペーンを会員に提供しています。
● BUILDING A COMMUNITY
チームトレーニングの雰囲気の中での機能トレーニングとサーキットトレーニングのトレーニングの採用は、F45トレーニングのダイナミズムを促進する大きな要因です。グループトレーニング施設でのモチベーションと励ましは、目標が達成され、超えられる、脈打つような明るい環境を作り出します。フィットネス、健康、成長を促進するコミュニティは、世界中のF45スタジオで形成されており、国際的なブランドとしての私たちの強みの源です。
この動画を見ると目指す感じがわかります。
そして、下記はレッスンの内容が少しイメージできる映像です。
■ サービス内容
F45のサービス内容は2つです。スタジオでのトレーニング提供とアパレルや器具販売です(なお、事業としてはほぼフランチャイズシステムなので、フランチャイズフィーとグッズ売上です)。
フランチャイズでスタジオを運営する上では、約1,600平方フィートのトレーニングエリアを必要とするのみです。そのため、比較的低い初期投資と運用コストが魅力となっています。一般的なF45トレーニングフランチャイズには、約315,000ドルの初期投資が必要であると見積もられており、運用3年目には、平均EBITDAマージンが30%を超え、平均キャッシュオンキャッシュリターンが33%を超える可能性があると考えられています。
そのため、各店舗によって金額は異なります。参考までに幾つかの店舗の金額提供を確認します。
最初に、ニューヨークのマンハッタンにあるLOWER EAST SIDE店の価格表です(一番高そうなエリア)。
大体1レッスン30-40ドルです。マンスリー会員だと400ドルします。
次に、アメリカ中部ケンタッキー州のLYNDON AT WESTPORT VILLAGE店は下記です。
これは非常に安いです。10クラスで45ドルです。
オーストラリアシドニーのCIRCULAR QUAY店です。
こちらでは、オーストラリアドルで、大体1レッスン35ドル、また10レッスンパックで250ドルです。
ちなみに日本(浜松町)では、月額の通い放題の会費が(オープン特別価格)で、24,200円(税込)、月8回の会員が、18,700円(税込)、10回の回数券が27,500円、1回券が3,300円という感じです。
各店舗によってサービスがかなり異なります。オンラインの提供をしている店舗もあれば、格安の店舗もあります。ただし、大体1レッスン30ドル前後というのが相場みたいです(これは、ちまたのブティックフィットネスと同程度の金額です)。
なお、アパレルについては、下記のような感じで、色々販売されています。
■ ビジネスモデル
平均的なF45トレーニングスタジオには175人のメンバーがいるそうです。なお、会社の損益分岐点(総収入が総費用に等しい場合)は75人のメンバーであるそうです。さらに、メンバーの75%が女性で、25%が男性であり、一般的な年齢層は25歳から42歳であるとのことです。高価格帯なのに若いです。
また、メンバーシップの規模が小さいため、スタジオ内で緊密なコミュニティが構築され、メンバーは午前6時に現れ(朝一のレッスンがAM6:30)、名前でお互いを知っている関係にあるそうです。
スタジオの大きな特徴としては、「ポジティブトレーナー」「鏡なし、マイクなし、自我なし」が挙げられます。前者は、スタジオ内で各メンバーの動きをトレーニング前から中、後まで支援します。そして、後者は、あくまでも他人との比較ではなく自分の動いた成果を大事にするため、そうした外部要因を限りなく排除します(そのためスタジオを”聖域”とみなす)。そうしたポジティブ精神は、メンバーの間に真の友情、チームビルディング、コミュニティの感覚を生み出すと信じられています。
トレーニング中は、リードトレーナーと1人のアシスタントトレーナーの2人体制で行われます。ただし、前述に記載しているように実際やると本当にハードなレッスンでかなりカロリーを消費します。
2 現在の売上と内訳
次に現在の売上とその事業概要について調べてみます。Q1の決算が出ているのでその数字で説明します。
Q1の収益は、1819ドルでした。その構成はフランチャイズフィーと機器・商品販売で構成されています。なお、利益率はフランチャイズフィーは非常に高いですが、機器・商品は利益率が低めです。なお、エリア別の構成をみると既にアメリカが50%程度を占めています。
※2019年7月以降、米国での新規フランチャイズ加盟店のモデルを、固定の月額フランチャイズ料金または月間スタジオ総収益の割合(通常は7%)のいずれか大きい方に基づくフランチャイズ料金に移行したそうです。
以下は2020年と19年の売り上げ比較を参考までに掲載します。ただし、コロナでのスタジオ閉鎖の影響があるため参考でしかありません。EPSでみると赤字です。
繰り返しますが、コロナ禍の状況なので、参考値にしかなりません。こうしてコロナがさらに吹き返し、地元オーストラリアはロックダウンしている中、正式な評価は当面できなさそうです。
■ バランスシート
決算資料からバランスシートを表に落としました。
みてわかる通り、長期借入金がとても大きくバランスシートはあまり良くないです・・。
■ 成長戦略
では、今後どのように成長イメージを考えているのでしょうか。
✔️ オーナー経営から金融パートナー経営へ
フランチャイジーの大多数は、単一の場所を管理するオーナーオペレーターで構成されています今後は、厳選された金融パートナーとマルチユニットフランチャイズシステムを開発する機会を模索していきます。
2021年3月31日現在、販売されたフランチャイズの約51%がマルチユニットフランチャイジーによって所有されており、2019年12月31日現在の約41%から増加しており、マルチユニットフランチャイズの機会に対する強い市場需要を浮き彫りにしています。
最近、主要株主の1つであるKennedy Lewis Management(KLIM)の関連会社を含む、3つの金融パートナーと長期のマルチユニットスタジオ開発契約を締結しました。そのような各契約に従い、当社は金融スポンサーに開発する権利を付与し、金融スポンサーは米国の特定の地域内で合意された数のスタジオを開発することに同意しました。あるスポンサーは7年間で少なくとも70のスタジオを開発することに同意しました。別のスポンサーは、6年間で少なくとも87のスタジオの開発に同意し、KLIMと提携しているスポンサーは、36か月で少なくとも300のスタジオオープンに同意しています。
✔️ 米国でのスタジオ拡大
2021年3月31日現在、米国では941のフランチャイズが販売され、合計518のスタジオが展開されています。オーストラリアで人口1人あたりに展開されている現在のフランチャイズに基づくと、今後米国に7,000を超えるスタジオを開設する可能性があると考えています。
✔️ 世界の他の地域全体にスタジオを拡大する
2021年3月31日現在、米国とオーストラリアの主要市場以外で630のフランチャイズが販売されています。オーストラリアで人口1人あたりに販売されている現在のフランチャイズの推定に基づくと、米国市場以外では約16,000のスタジオを作れる可能性があることを示唆しています。
✔️ 新しいチャネルに展開
主要な大学、ホスピタリティオペレーター、企業、軍事施設と提携する潜在的な機会を積極的に探しています。 現在それに専念する5人の従業員がいます。 2016年には、南カリフォルニア大学とのコラボレーションを通じて、米国の主要な大学のキャンパスにスタジオを開設した最初の外部スタジオフィットネスプロバイダーになったと考えています。 現在、南カリフォルニア大学、スタンフォード大学、テキサス大学オースティン校など、米国の主要な大学キャンパスに29のスタジオがあります。
✔️ 新プラグラムの展開
より幅広い消費者層をターゲットにすることを可能にするトレーニングプログラムを作成しています。 2018年には、11歳から18歳までの子供と若年成人を対象としたトレーニングプログラム「Prodigy」の立ち上げに成功しました。「Prodigy」は一般的に世界的に提供されています。フランチャイジーは追加料金でプロディジープログラムを既存のスタジオに組み込む機会があります。
また、「FS8」と呼ばれる新しいフィットネスコンセプトを開発し、2021年3月にオーストラリアで販売を開始しました。FS8は、健康とフィットネス業界で人気のある3つの方法、ピラティスのリミックス、ヨガ、トーンを統合した、新しいワークアウトスタイルです。このトレーニングスタイルは、痩せた美しい筋肉を構築する効果的な方法です。
※toning(トーニング)=身体の調子を整える
FS8は、F45のトレーニングシステムプラットフォームであるFS8tvおよびFS8アプリを通じてメンバーにプレミアムフィットネス体験を提供し、フランチャイズネットワークを通じてフランチャイジーに独自のビジネスモデルと大規模なコミュニティを提供します。現在オーストラリアでは37のスタジオでFS8が利用されています。
また、50歳以上の男性を対象とした機能的なフィットネススタジオクラブハウスである「Malibu Crew」や、同年代の女性のためのスタジオサンクチュアリである「Avalon House」など、開発中の追加のコンセプトもあります。
✔️ M&Aを戦略的に活用、そして拠点をさらに拡大し、新しいメンバーを引き付ける
ブティックフィットネス業界は依然として非常に細分化されており、戦略的かつボルトオンM&A(ブランド認知は低いものの、既存事業の補完的買収)を活用して統合を推進する魅力的な機会があります。
2021年3月31日には「the Flywheel indoor cycling studio」事業に関連して、主に知的財産および顧客資産からなる特定の資産を購入しました。
※詳細は検索してもちょっとわかりませんでした。なお、F45内でもインドアサイクルは有酸素運動の一環で使われます。
✔️ 補助的な製品の提供を通じて会員支出の増加を促進する
スタジオのグローバルネットワーク全体で健康とフィットネス関連の製品の提供を強化することにより事業を広げます。 製品カテゴリの例には、シューズとアパレル、食事や栄養・サプリメント、F45トレーニング専用に設計されたLionHeart心拍数モニターなどのウェアラブルがあります。
3 市場規模
ちょうど最近同様のThe Beachbody Companyが上場したので、そこのS1にはこのように書いてありました。
グローバルウェルネスインスティテュートによると、総アドレス可能市場(TAM)は約1.5兆ドルであり、身体活動と健康的な食事/減量市場が含まれています。具体的には、世界の人口の3.7%、つまり2億7,700万人がジム、ヘルスクラブ、フィットネススタジオのメンバーであるか、定期的に構造化された、または独立した/自宅でのフィットネス活動やクラスに参加しています。
つまり、この約2億7700万人に対して勧誘を促します。F45においては、175名が平均会員数で、それが1,500店舗あるので、およそ26万2,500人の会員がいることになりますので、現在のシェアはおよそ0.1%程度です。つまりジム人口の1,000人に1人が会員というイメージです。
Pelotonが、21Q3で200万人なので、大体8分の1程度です(なおオンラインでの効率化の分、利益率等にはPelotonに圧倒的分があります)。
4 競合・リスク
F45について特集された記事(2020年のもの)がありましたので参照にさせていただきます。なお、競合は言うまでもなく、Pelotonです。
米国の10の主要都市で1,500人以上のフィットネス愛好家を調査し、「F45は競争に適しているか」という質問を調査しました。簡単な答えはイエスです。実際、F45は競争に適しているだけではありません。それは混乱する準備ができています。
インサイト1:F45はデジタルプラットフォームに加わり、ワークアウトの品質と価格に対する消費者の満足度をリードしています。
以下グラフは、市場平均と比較した各ブランドの品質(縦軸)とコスト(横軸)の相対的な満足度をプロットしています。 たとえば、ブランドのコスト満足度が市場平均と正確に等しい場合、そのマークは縦軸の1.0に配置されます。 ドットサイズは、この調査で測定された市場の認識を表しています。
市場規模として大きい、CrossFitとPelotonが中心に来ますが、それらと比べるとF45は右下のBetter Value Zone を牽引しており、コストバリューもクオリティ高い位置に存在します。そのため、口コミでの広がりも強く、現時点では伸び率は高いと思います。ただし、市場規模が広がれば口コミの魅力が薄れ徐々にFair Valueに近づくのでさまざまな戦略が広がってきます。
洞察2:F45は、私たちの調査のどのブランドの中でも最高の保持と買収の見通しを持っており、有望な成長の可能性に備えています。
左のグラフは、各ブランドを試したことがない人が、今後半年以内に体験をしたいかという表です。つまり、F45を試したことがない消費者の27%が、近い将来にF45を試す可能性が高いと述べていることを意味します。 また、右のグラフは維持率で、どれくらい続ける可能性が高いかを示した表です。つまり、F45は、Pelotonと並んでほぼ同率1位で62%のリテンション可能性率を獲得しています。
洞察3:消費者は、F45とPelotonを、他の種類のトレーニングよりも効果的で親しみやすいものとして関連付けています。
グラフは、横軸は親しみやすさを示した表、縦軸は効率性をしめしたグラフです。つまりF45に精通している消費者は、F45が他のトレーニングに比べて非常に効果的であり、非常に親しみやすいと考えています。 PelotonはF45と同じエリアを共有しています。 一方、Corepower Yoga、Fitbit Coach、最近SPAC上場を果たした Beachbody OnDemandも非常に親しみやすいと見なされていますが、消費者は目標を達成するための有効性については弱いと感じられています。
Barry’s BootcampとCrossFitは比較的効果的であると見なされていますが、やや参加しにくいイメージのようです。そして、SoulCycle、Orangetheory、およびPure Barreは、参加しにくい上に、目標を達成するのにあまり効果的ではないというセグメントに位置しています。
-------上記記事の余談-----
■アクティビティへの参加は都市によって異なるようです。つまりアメリカと一括りにして何が流行っているかは一様には言えないということです。
例えば、サンフランシスコはサイクリング/サイクリングに参加するための第1位ですが、ウェイトリフティングとグループフィットネスでは第9位です。 フィラデルフィアは長距離走のトップ都市ですが、高強度インターバルトレーニング(HIIT)に関しては最後になります。 シカゴはHIIT活動で3位にランクインしていますが、ヨガ、グループフィットネス、ランニングでは最も活動的ではありません。
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これらのことを考慮すると、F45は提供している内容は素晴らしいと思います。問題は、財務内容だと考えます。
■ リスク
リスクについては下記のようなことが書かれています。
✔️COVIDの影響
✔️フィットネス嗜好の変化
✔️同業他社との競争激化
✔️フランチャイズの財務状況(更新含む)
✔️フランチャイズの事業成功の如何によるブランドへの影響
✔️フランチャイズのスタジオ場所の確保状況
✔️フランチャイズとの価格設定の維持(設立費用含む)
✔️フランチャイズとの関係
✔️SNSマーケティングを中心にしているため、その炎上リスク
✔️買収の費用、成否
✔️音楽利用のサードパーティーの権利ライセンスリスク(※実は持ってなかった、処理できていなかったなど・・)
✔️情報システムの故障・エラーなど
✔️機器および特定の製品およびサービスを提供するためのサプライヤーとの関係
などが挙げられています。つまり、フランチャイズ形式をとっているため、そことの関係性が最も大事なようです。
5 社長やメンバーについて
以下が主要メンバー一覧です。40代が多く非常に今後とも期待ができそうです。
Adam Gilchrist (アダム・ギリクリスト) CEO
Founder, President, Chief Executive Officer and Chairman of Board
シリアルアントレプレナーとして、フランチャイズ、マーケティング、製品開発で20年の経験を持ちます。ギルクリスト氏は当社を共同設立し、2014年から共同最高経営責任者を務め、2017年から当社の取締役会のメンバーを務めています。2019年に、彼は唯一の最高経営責任者に任命されました。
ニューヨーク証券取引所に当社の普通株式が上場された後、彼は当社の取締役会の会長も務めます。彼が最初に設立した事業はオーストラリアでの電子決済サービスであり、それを公開会社に売却しました。彼が設立した2番目の事業は、米国で成功を収めたモバイルセルフストレージ会社であるZippyShellでした。
ギルクリスト氏はまた、オーストラリアの男子生徒であり、U19ラグビーチームのオーストラリアの代表選手となりました。その後オーストラリア国立スポーツ研究所に奨学生して学びました。
Chris Payne (クリス・ペイン) CFO
Chief Financial Officer
2018年6月から最高財務責任者を務めています。また、2019年3月から財務担当および取締役を務めています。2008年4月から2018年4月まで、ペイン氏は世界プロサーフィン連盟の最高財務責任者を務めました。 以前は、マッコーリー銀行、Macquarie Leisure Operations(ASX:MLO、現在はArdent Leisure ALG)のレジャー資産取得部門のグループ管理会計担当者を務めていました。公認会計士であり、M&Aとアドバイザリーサービスを専門とする公務で働き始めました。彼はグリフィス大学で銀行、会計、財務の専攻で商学士号を取得しました。
Luke Armstrong (ルーク・アームストロング) CRO
Chief Revenue Officer
2019年1月からF45の最高収益責任者を務めており、収益の成長を促進し、フランチャイズの販売をマーケティング、カスタマーサポート、フランチャイズのパフォーマンスチームと連携させる責任をになっています。 2013年11月からF45の最高収益責任者に就任するまでは、フランチャイズセールスのグローバルヘッドを務めました。
2003年にシドニー大学で商学士号を取得し、その後、UBS Investment Bankでキャリアを開始し、ロンドン(2004)、チューリッヒ(2006)、シンガポール(2010)、ニューヨーク(2011)に駐在しました。 2006年8月から2010年3月まで銀行のグローバルスポット外国為替取引ビジネスの管理を担当した後、ニューヨークに転居し、UBSの外国為替アルゴリズム取引デスクの設立を支援しました。
その後オーストラリアに戻ったとき、シドニーのパディントンにある最初のF45トレーニングコミュニティの一員でした。 2013年11月にF45の共同創設者である Rob Deutsch と Adam Gilchrist がフランチャイズのコンセプトを模索した際にF45に参加しました。アームストロング氏はオーストラリアのフランチャイズネットワークの構築に尽力した後、2016年からF45の国際展開を広げていく際に特にアジア、イギリスとヨーロッパに注力しました。なお、F45の最高収益責任者としての役割に加えて、2015年からF45フランチャイジーを務めています。
John Minty(ジョン・ミンティ)CMO
Chief Marketing Officer
2021年3月から最高マーケティング責任者を務めています。2017年8月から2021年2月まではオムニコムグループの完全子会社であるTBWA / Chiat / Dayの最高財務責任者を務めました。2016年4月から2017年8月、ミンティ氏は、国際的なクリエイティブエージェンシーでありオムニコムグループの完全所有子会社である180の最高財務責任者/最高マーケティング責任者を務め、戦略的開発、運用、および会計機能を担当しました。 2013年4月から2016年4月まで、ミンティ氏は、DDBワールドワイド広告会社の一部門であり、オムニコムグループの完全所有子会社であるDDBカリフォルニアで最高財務責任者/最高執行責任者を務め、上級管理チームのメンバーであり、会計、US GAAPコンプライアンス、および現金管理に関連する活動の計画、指揮、調整を担当しました。
DDBカリフォルニアに在職する前は、サンフランシスコの独立した広告代理店であるVenables Bell&Partnersの最高財務責任者/最高執行責任者を務めていました。ミンティ氏はオーストラリアの公認実務会計士であり、1996年12月にマッコーリー大学で財務および会計の商学士号を取得しています。
Heather Christie(ヘザー・クリスティ) COO
Chief Operating Officer
ヘザークリスティは、2017年10月にサポート責任者として参加し、フランチャイズオンボーディング、フランチャイズコンプライアンス、一般フランチャイズサポートなどのグローバルフランチャイズネットワークサポートを務めました。 2018年12月、Heatherは、主にフランチャイズのオンボーディングと経験、ブランドの一貫性、コンプライアンスに重点を置いて、オペレーションディレクターとしての新しい役割に移行しました。 2020年1月、ヘザーは最高執行責任者に任命されました。入社前の2015年7月から2017年10月まで、Uber Technologiesでさまざまなオペレーションの役割を果たし、最近では米国とカナダのWest Coast NewSupplyおよび最近ではオンボーディングエージェントのPeopleOperationsを中心に活動していました。
ヘザーは、2014年2月から2015年7月までUber Technologiesに勤務しました。クリスティーさんは、ニューヨーク州立大学コートランド校でコミュニケーションを専攻し、ニューメディアデザインの文学士号を取得しました。
以上が主要なメンバーです。なお、こうしたメンバーに加えF45を宣伝していく上で、様々なプロアスリートにプローモーション協力を仰いでいます。
ファウンダーであるウォールバーグ氏に加え、バスケットボールの伝説的人物であるマジック・ジョンソン、サッカー界の偉大なデビッド・ベッカム、傑出したゴルファーのグレッグ・ノーマン、スーパーモデルのシンディ・クロフォードなどです。
まとめ
Adam Gilchrist は、インタビューで語りました。
「2013年以来、財政的に保守的であり、不採算四半期は一度もありませんでした。このような驚異的なスピードで成長している新興企業は、それを誇ることはできません。」
「私たちはコミュニティを作ろうとしています。私たちのためのコミュニティは、実際のトレーニングよりも実際にはさらに重要です」「私たちは人々にサードプレイスに行くことを望んでいます。家と職場があり、F45はその次の場所です...それは人々が立ち上がるための聖域であり、1日45分だけ楽しむことができます。」
今回F45についてご紹介しました。まず、サービスとしてジムとしては非常に参加しやすくて、面白いということは言えると思います。そして、グループレッスンでありながら、個々の目標に対して進んでいるからみんなで楽しんでやれるため、コミュニティができることも理解できます。
そして、CEOであるAdam Gilchrist自身が、スポーツ科学を学んでいるために、エンタメよりも機能的・健康的な部分にフォーカスしていることが伺えます。実はPelotonの場合は、レッスンが多彩に存在しており、実は一つのレッスンだけでは機能的(※筋力含む)・健康的な効果が得られるわけではないというのはネックです。あくまでも毎日楽しく個人の嗜好でレッスンを選ぶためです。
一方で、F45のプログラムは、全ての動作が入っており全身を使います。そのため、それを受けていれば、自身の体に対して適切にアプローチできるのです。そして、フォームが違っていたりすると、サポートトレーナーが指示してくれます。そうした意味で、体をきちんと動かしたいと望む層は、わざわざ家から飛び出してF45に行くメリットというのは今後もあり続けると思います。
当然、財務については債務も多く、またフランチャイズ中心の経営をしているため売上は大きくなく、他者依存リスクもありますので、コロナがまだまだ蔓延している今の時期は投資は難しいです。ので、非常に慎重になるべきだと思います。
ただ今後日本でも徐々に増えていくと思いますので、近くにできた際はぜひ体験してみてください。翌日は筋肉痛地獄になれますww
では、以上お読みいただきありがとうございました。もし面白いと感じていただけましたら、いいねも押して閉じていただければ大変嬉しいです。
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