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LBO - リターン分解 | LBO Returns Attribution Analysis
今回はLBOモデルの作成においてリターンの結果を説明するのに必要になる、リターン分解 (value creation build-up or LBO Returns Attribution Analysis)について解説していく。
以前の下記記事においても説明しているものの、よりシンプルかつ、別のフォーマットでの説明を試みる。
Value creation build-upとは
これはPE投資のリターンをその源泉であるEBITDA growth, Multple expansionおよびDeleverageにブレークダウンし分析する手法である。
PEファンドの入社試験(LBOテスト)で計算が求められることもある。やや専門的な内容になるが計算手法自体はシンプルであり、必要な知識もそこまで難しくないので、将来的にPEファンドを受ける人等は押さえておくと良いと思う。
簡易的なプロジェクションの例
今回の例では、簡単なプロジェクションとして下記を想定する。
![画像1](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/83373614/picture_pc_39fce98a036c0ffdca65e1c5bcfb7e75.png?width=800)
売上高はエントリー初年度のLTMではUSD400m, LTM EBITDAはUSD50mとする(EBITDA margin: 12.5%)。Net debtはエントリー時にはUSD400mであった。主要な仮定は以下の通り。
売上高:毎期2.5%で成長するものと仮定
EBITDA margin: 毎期0.25%改善するものと仮定
Debt:投資期間を通じて毎期USD50m返済と仮定
(ここでは便宜上、Net debtをマイナス表記している点に留意)
Fee:投資時にUSD30m, Exit時にはFA fee等のUSD5mと仮定
投資期間はグレーで表記しており、Yearfrac関数を使用して投資期間を計算できる
モデリングの例
![](https://assets.st-note.com/img/1658847419803-9a5drpjcsJ.png?width=800)
上記はプロジェクションをもとに、投資期間におけるEVとEquity valueの推移を示したものである。
エグジットマルチプルはエントリー時は9xを想定していたが、エグジット時は10xになるように仮定している。
投資期間における増減は以下のテーブルのようにまとめることができる。
![](https://assets.st-note.com/img/1658847439289-LcKpnSV6bE.png?width=800)
上記のテーブルがリターンの源泉計算の基礎になる。
ウォーターフォールチャートによる計算結果説明
上記のLBOモデリングの結果をテーブル形式で分解して説明すると以下のようになる。
![](https://assets.st-note.com/img/1658762563448-sv2PhsFyW6.png?width=800)
EBITDA growthはmargin improvementと、Revenue improvementの2つに分けて計算している点がポイントである。
テーブル形式でまとめる際には、そのままWaterfall が作れるように数値の並びを工夫する。
![](https://assets.st-note.com/img/1658762642528-cH6CbgbPiX.png?width=800)
また、リターンの絶対額だけでなく、各リターンの構成要素別に%とMOICで表示することも重要である。