駄作さえ生み出せない
趣味で小説を書いている。
別アカウントも含めて公開した小説は三作品ある。投稿した作品は時間をかけて書いたので愛着も湧いているし、私が書いているので当然私の好みの小説になっている。
でも、愛着も湧いてない、待ち侘びていたわけでもない人たちが私の書いた小説を読んで、いい作品に巡り会えたと思ってもらえる自信がない。他者から見てそんな作品を書けているという自負が全くない。需要があるとはとても思えない。求められてはいないと思う。
タイムラインやおすすめに流れてきたからスキを押しただけかもしれない。そんなことを考えているので私は読者のことを信用できていないんじゃないかと思う。読んでもらえたという感覚が全然ない。
そんな時にコメントをいただいて、ちゃんと読んでくださっている方もいるんだと思えてまた次も満足のいく作品ができたら投稿しようなんて気持ちになってしまう。
求められているから書いているわけではなくて、ただ単に私が書きたいから、書くのが楽しいから書いているんだけど、それならなんでわざわざ投稿しているんだろうって思う時がある。
最初に思いつくのは承認欲求だ。人から認められたいという欲求。その欲求が全くないと否定することは難しいんだけど、承認欲求が小説を書いて投稿する第一義的な理由かと言われればそうでもない。
小説を書いている理由は単に楽しいからで、それを投稿している理由は少しでも救われたと思ってほしいから。身の程知らずだし、差し出がましいとは思うんだけど、いつ、誰の、どんな言葉が、どんな物語が、誰かの気持ちをほんの少しでも軽くしてくれるかは分からない。
私が書いた駄作でさえ誰かが救われる奇跡が起こる可能性を少しでも広げられるなら投稿してみようかなと思える。結局この理由も承認欲求になってしまうのだろうか。これが承認欲求だとしてもそれで誰かが救われるなら素直に嬉しい。
そんな駄作でさえ。
最近はそんな駄作でさえ生み出せなくなってしまった。設定を思いついたり、場面が浮かんだりしているので書き始めることはできているんだけど、書いては飽き書いては飽きを繰り返しているのでなかなか完成させることができていない。
物語を完結させる体力も忍耐力も語彙力も展開力もないのに今までどうやっていたのだろうと不思議になる。
今書いているようなエッセイもどきは熱があるうちに勢いのまま書いて投稿するから定期的に完成した記事が出来上がるんだけど、小説だとそう上手くいかないらしい。
今までは完成しなくても書き進められたんだけど最近は飽きっぽいのかもしれない。ほんの一場面書いた程度で行き詰まって他の全く別の作品に手をつけたくなる。
最近書いて匙を投げた作品が、繰り返す生活の気怠さみたいな小説を書きたいと思って始めたんだけど大枠から考えてしまったからなかなか書き始められなかったし、考えれば考えるほどこれ同じことの繰り返しでつまらないじゃんと思ってしまった。
次に書き始めているのが、人間が避けられない普遍的な出来事のお話なんだけどこれもある場面を書いてその次の展開が全く思いつかなくてそのまま放置している。
出来上がる作品が駄作でさえ完成させることに大きな意味があるんじゃないかとは思うんだよね。とりあえず物語を完成させてから気に入らないところを修正しないといつまで経っても何も生まれない。
近いうちに満足のいく駄作が完成したら投稿する予定です。
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