創作ライティング演習履修者による座談会①
皆さまお久しぶりです!創作ライティング演習B(シナリオ)のnote班です。
アップロードされた学生たちのシナリオは見ていただけたでしょうか?
今回は、note班の学生5人と講師の小林雄次先生による座談会の様子をお届けします!
とっても長いので、全3回に分けてお届けしたいと思います。今回は1回目です!
(2024年3月17日開催)
座談会の趣旨
昨年から始まった授業「創作ライティング演習B(シナリオ)」とこのnoteですが、今年は少しコロナもおさまり対面でのやり取りが増えてきました。そこで、note更新班の学生5人と、小林先生による授業とシナリオを書いての振り返りをメインとした座談会が開催されました。
note更新班の5人ですが、お互いに会話するタイミングはほとんどなかったので初の共同での活動です。
座談会メンバー紹介
・キンクマのピース/司会
・はる
・猿
・razu
・ひと
・小林雄次先生
座談会
まずは自己紹介
司会
自己紹介からいきます。
キンクマのピースです。
この授業をとったきっかけとかは、私はいま役者を今やっていて、シナリオとかを読む機会が多かったんです。そこで、作者の意図とか文章の意図とかを深掘りすることなどをこの授業とったら、できるようになるかなときっかけになったりするかなと取りました。
私が好きな作品は映像系の作家さんだと野木亜紀子さんとかの作品とかがすごい好きで見てました。
はる
あれですよね、カラオケ行こ!
(※野木亜紀子さんは映画『カラオケ行こ!』の脚本を担当されています。座談会時は映画公開中でした。)
司会
カラオケ行こ!
まじ楽しかったです。
アニメ系だと『夜は短し歩けよ乙女』とか『映像研には手を出すな』、『四畳半神話大系』とかの湯浅監督が好きだなって思います。
今日司会なんですがあんま決めてないので、先生も言ってたようにざっくばらんな感じで話したいと思います。よろしくお願いします。
はる
はるです。
この授業をとったきっかけは、脚本とか自分で書けるようになれたらいいなというのもあって・・・。私は、テレビドラマのディレクターを目指しているのですが元々は脚本をやってみたくて。でも脚本を一人で書くのは、難しいそうだなと思い、想像したものを絵にしたいと考え、今はディレクターという形でドラマに携わりたいと思っています。でも、脚本を今まで書かずにできないってずっと思っていたから、「一回やってみよう!」と思って、今回脚本作りの授業をとってみたっていう感じです。
好きな作品は、テレビドラマの『のだめカンタービレ』で小学生の三年生ぐらいの時に再放送をやってて、それを見てどハマりしました。映画とドラマと全部録画してとってあって、ほぼセリフとか言えちゃうくらい、30回以上みてて、毎年夏休みと正月には見るという自分のルーティンになっています。基本的にテレビドラマが好きで、最近は趣味で、好きな作品と脚本家さん、ディレクターさんを書いて、ストーリー構成について書いていて、一話ごと全部書いたノートを作っています。
みんな
一話ごと!すごい。
はる
今TVerで春めっちゃドラマやってるんですよ!
何でも見れるから、アマプラとそれを駆使して書いてみてるって感じです。終わりです!ありがとうございます。
猿
猿です。
この授業をとったきっかけは、去年の三年生の時に創作ライティングAの物語の方(※同じく小林雄次先生が担当されている、小説を執筆する演習講義)をとっていてたので、その流れで去年は2限に別の授業とっていたので、今年はこっちとってみたいなと思って取りました。
好きな作品は、いっぱいあるんですけど、最近またハマり出したのは、どっちもアニメなんですけど『金色のガッシュ!!』と『忍たま乱太郎』ていう。
『忍たま乱太郎』は映画化決まってまた見始めたりしてます。特に見てて思うのは、忍たま10分しかないんですよ。基本アニメが。でも物語がしっかり起承転結あって、(自分たちがシナリオ書いてて)15分じゃできない、脚本できないと思ってたのに、すごいなって思いながらみてます。
razu
ラズでやってました。
この講義をとったきっかけは、元々声優を目指していて、今4月から預かりという形になったんですけど、そこで声優をやる上で講師の方とかに結構脚本を作った作者の作品の込められたメッセージとか作品の意図とかを考えることが大事と教わる機会が多かったので、講義とかで自分で実際に脚本を描いてみると学べるのかなと思ったからです。
好きな作品は、いっぱいあるんですけどアニメがよくみてて、『四月は君の嘘』が1番好きです。何回も見てるんですけど、毎回ほんとに感動するので泣いてます。もし見てなかったら見てみてください。
ひと
ひとというペンネームでやってました。
講義とったきっかけは、趣味で小説とかゲームシナリオをちょいちょい描いてて、映像シナリオにも興味があったので、普通に物語をさらに作りたいっていうのと映像シナリオを学べたらなと思ってとってみました。
ゆるーくなんですけど、ちょっと(はるさんの脚本家と)似たようにシナリオライターなれたらいいなみたいなのを前に思っていたので、経験も積めたらなと。
プロの方にフィードバックしてもらえる機会は、そうそうないので、やったーと思ってとりました。
作品はアニメだと『エヴァンゲリオン』シリーズがすごく好きで、他にも庵野英雄監督の実写映画とかも結構好きです。『シン・ゴジラ』とか。
『インターステーラー』っていう映画もだいぶ好きです。
あと映像作品じゃなくなっちゃうんですけど、結構ソーシャルゲームのシナリオが好きで、多分(この場に)ご存知の方あんまいないんですけど、都志見文太さんというシナリオライターさんがすごく好きです。『魔法使いの約束』とか、『アイドリッシュセブン』の脚本とかされてる方なんですけど、めっちゃ好きですね。そんな感じです。よろしくお願いします。
司会
先生は大丈夫ですか。
みんな
先生も聞きたい。
小林先生
せっかく来たので。脚本家の小林雄次といいます。
この講義をとったきっかけ……いや、担当したきっかけは、学生時代の後輩の渡邉大輔先生(※跡見学園女子大学文学部現代文化表現学科の准教授)から依頼されたからです。2022年度秋学期から、こちらで兼任講師という形で、創作ライティング演習A(物語)と創作ライティング演習B(シナリオ)(※この授業)の2コマを担当しています。
好きな作品は、最後の授業で答えました。あの10本をお勧めしています。自分の中では結構大事にしている、シナリオの勉強にもなる作品です。
というわけで、皆さん今日はよろしくお願いします。
▼先生お勧めの10本はこちらの最終授業レポートに
みんな
お願いします〜。
シナリオを書いてみての感想
司会
ありがとうございます。では、早速最初に感想とか話していけたらなと思うんですけど、描いてみての感想ありますか?
みんな
難しかった〜笑
司会
ほんとに難しかった!15分……。
ひと
15分むずいですよね!でも多分30分でも難しいって言ってるんで、何分でもむずかしいと思うんですけど。
司会
30分は30分でこう絶妙に長いから。
ひと
なんか絶妙に20分くらいになってちょっと分量足りないってなりそうですよね。でも15分は15分で難しいってなりますよね。
司会
最終稿は増えた文量を削って削っての作業が大変でしたね。razuさんはありました?思ったこと。
razu
まず、描いてみて、まず物語が決まらなくて。
2回くらい迷走というか、オチが全然できなくて、すごい難しかった……。あと何をいいたいのかわからなくなってたかもしれない。
みんな
あーわかります!
司会
私は、言わせたいセリフがあったりとか……。フレーズだけ、場面だけポイントで浮かぶんですが…
みんな
めっちゃわかります!
猿
そこの間ができないんです!
司会
そこに行くまで、全然違う方向になってしまって、最終的には思ってた感じと違うっていう場面が私は結構ありました。はるさんはどうでした?
はる
なんか、人間がむずかった。
みんな
人間笑
はる
結構アニメーションとかも好きで、ディズニーとかそうゆうのを好きなんですけど。物が喋っている時、物の特徴って結構わかりやすいけど、例えば、ハリネズミがいたとしたら、ハリネズミはチクチクしているから嫌われ役に回るとか、なんとなくあるけど、シナリオである人間を1から作るというか、そうゆうのがその子の性格とかを1から考えて作らなきゃいけない。特徴がないじゃないですか、人間の。
まっさらなところから作る。そう、それが凄い難しくて、ある意味、ゼロイチというか、それがめっちゃ難しいなって思いました。
猿
どうやったらキャラクターを作れるみたいな?とっかかりがないってこと?
司会
ゼロイチ(ゼロからイチ)にする時にはなんかキッカケとかあったんですか?元の影響を受けたとか。
はる
なんだろ…わかんない
司会
気づいたら降ってきた?
みんな
(笑い)
ひと
あの、物語から作るパターンとキャラクターから作るパターンがあると思うけど、どっちから作った?
はる
物語から作った。
けどやっぱり、物語を描くにしても身近なことしてないと書けないじゃないですか。うちらまだ世間知らずっていうか。
みんな
(笑い)
はる
だから、(経験がないから)お仕事ドラマとかさ作れないじゃん。
みんな
あーつくれない。
はる
バイトぐらいじゃないですかせいぜい作れても。だからそのなかで、作れる範囲で想像して過程とかの話になってきて、それで絞っていって作れたのが今って感じだから難しかった。
司会
結構周りの全体的にみても等身大に近いのを書いてる人がやっぱ多いなと思って、一回、医療系とかスパイみたいな話を書こうとしたんですよ。でも、それを描くまでのセリフを言わせるための、(例えば)スパイだったらスパイに関しての知識、医療系だったら、医療系の人が何を普段喋っているのかわかんないし、専門用語とか入ってくるとめっちゃ勉強しないと書けないって思って、そういうの難しい……。
みんな
うんうん
ひと
いや、医療系ドラマとか描く人すごい。
司会
すごい!!おもった!
ひと
どんだけ取材とかしてるんだろうって思います。
猿
小説原作だと、作家本人がその仕事をやってたパターンも。
はる
あーめっちゃありますよね!なんだっけ池田?
猿
池井戸潤。
はる
元々銀行員だったから『半沢直樹』とか!
みんな
そうなんですか!
なるほどね!
確かに、それはめっちゃある。
司会
じゃあ『半沢直樹』はとてもリアルなんですかね。
はる
それでいうと、脚本やりたいってずっと思ってたから、アルバイトで学童保育やったんですけど、それをやりたかったのも人が見たかったから。
みんな
あーなるほど。
はる
結構小学校の先生をやってて、小説家の人って結構多いじゃないですか!そのパターンも多いですよ。瀬尾まいこさんとか、あと『リバース』を書いている・・・。
猿
湊かなえ。
はる
とか!!
結構そこら辺も多くて、人を見てるのかなって思ったから学童とかちょっとやったっていうのもあったりとかして……。仕事やってる人とか多いですかね?
やりながらとか書いてる人とか多いですよね?仕事しながら書いてる人とか。
小林先生
うん。兼業作家は結構います。物書きだけでは仕事が安定しないって問題もあるし、特に新人は、デビューしているけど会社を辞めないで兼業しているというパターンもあります。
仕事をしていく上で、やはり特殊な仕事・職業に詳しい人は強いです。例えば、医師や看護師出身者が書く医療ドラマとか、弁護士や弁護士事務所で働いていた人が書く法律ドラマとか。
猿
なるほど〜。今の小学生ってタブレットとか使ったりしてるから働かないとわかんない……。
みんな
たしかに。
司会
先生は結構人間観察とかするんですか?
小林先生
シナリオライターって色んな人と話し合って書くんです。なので、自分に子供がいない場合はお子さんがいる家庭の話を、プロデューサーやディレクターから聞きながら書いたりできる。それも結構大きくて、詳しくないことについても相談しながら書ける。
あと、その職業について詳しくなくても、監修の人をつけてくれる場合も多いです。監修者から意見もらったり、途中段階のプロットや準備稿の段階で、「これはおかしい」と指摘してもらったり、アイデアをもらったりしながら書けます。
司会
監修……。確かについてるイメージある……。
小林先生
昔、『監査法人』というNHKのドラマを書いたことがあるんです。僕は金融の知識がほとんどなかったんだけど、NHKは監修の方をちゃんとつけてくださるので、あちこち取材に行かせてもらったり、膨大に資料を送ってもらったりしながら、なんとか書くことができましたよ。
司会
そいうの読んで、自分の中に入れてから描くってことですよね。
小林先生
うん。
司会
途方もない作業な気がしますね。
話を戻して、書いてみての感想ですが
猿
今一通り出た笑
司会
自分に対すること、自分の中で何か変わったこととかあれば。
猿
私最初ファンタジー系を書こうとしてたんですけど、世界観が……(伝わらない)。小説ならどうにか伝えられるじゃないですか!
三人称でもいきなりこういう国の説明から入るでもありなんですけど、映像ってどうすれば……。
最近の異世界転生だと、主人公がこれって異世界転生!?って言い出したり、前提として主人公にも知識があったりするけど、そうゆうのがないファンタジーだと、え、どうするんっていう……。
なんか、『ハリー・ポッター』みたいに誰か来て、お前は魔法使いだよって言ってくれたらいいんですけど……。
みんな
あー笑
ひと
ファンタジーはむずいですよね。
司会
説明で終わっちゃうよね、めっちゃある。
猿
世界観を描くのが難しいなってシナリオ書いてて思いました。
みんな
たしかに〜。
司会
小説だと、説明文書けるじゃないですか。
猿
主人公がどう思ってるのかもちゃんと書ける!
ひと
私は逆に、それが映像シナリオめっちゃ楽しかったなって思ってて。
なんか、小説とかゲームのシナリオとかしかやってこなかったので、ゲームはまだそこまでですけど、小説って地の文やっぱたくさんあるじゃないですか。(私は)情景描写がめっちゃ苦手で、すぐ心情描写とかやりたくなっちゃうタイプだったんで、映像になったら大体セリフのやりとりとどういう動きしてるかだけなんで逆に楽しくて、登場人物の言動で全部表現できるというか、それが多分わたしはそっちのが合ってたのか、書いてて楽しいなって思いました。
地の文(を書いているとき)だと、え、今どうなってる!?わかんない、今何してるこの人たち!?ってなっちゃう。
みんな
(笑い)
ひと
絶対に映像シナリオだと映像になる前提なので考えなきゃいけないし、それで表現できることがあるなって思って、わたしは逆にそこが楽しいなって思いました。
司会
すごい。
ひと
たまたま合ってたじゃないですけど、映像シナリオって1人で書かないじゃないですか。こういうきっかけないと。
小説とかは多分ちっちゃい頃から書く人ってなんとなくいると思うんですけど、映像シナリオ書くぞってなる人そんないないと思うので。
猿
そもそも書き方が知らない。
ひと
そうですよね!ト書きとかもわかんないし。
だから、きっかけがあってよかったなってめっちゃ思いました。
司会
確かに……。シャレードとかは映像でしかない特徴的な効果ですよね
▼シャレードについてはこちらの第3回授業レポートに
ひと
あ~そうですよね!
司会
シャレードめっちゃ面白いなって思って
猿
やりたかったけど、あんまり……。入れたら絶対かっこいいなって思った。かっこいいから入れたかった!
司会
もっといれたかった。それこそ、授業でやってた『ローマの休日』の……。
▼『ローマの休日』のシャレードについてもこちらの第3回授業レポートに
ひと
あれかっこよすぎですよね!!!
司会
ああいうのかっこいい、すごい……。
ひと
(私だったら)絶対あくびさせちゃうと思って。自分だったら陳腐なのしか出てこないし、なんか悔しくなりました、あの授業聞いて。
猿
あれ見てから、映像見て、これシャレードなんだって気づいたりすることも多くって。
司会
意外とめっちゃ散りばめられてる。シャレードだらけ。
ひと
映像の醍醐味ですよね。
司会
すごい。
あとなんかありますか?
razu
映像を見てると目をアップしたりとか。色々、そういうところとは全然かけてなかったところあったなって。
ひと
想定できないところはありますよね
司会
心情変化とか私授業で指摘されたこととか。主人公が言葉受けて、心情変化したのを動作とか表情を指示書くのも難しいなって思って。想像上で書くとちょっとチープになっちゃう感じがして難しいなって……。
razu
表情だけで感情とかすごい伝わるからそういうのいれたかったかなって……。
みんな
確かに〜。
司会
私が思ったのは、最初にも言ったんですけど、演者側として何か掴めるものがあればなと思って(授業を)とってたんですけど、自分で書いてみて思ったより書いてる側は結構想像力豊かに描くなと思って。他人が描いたのを読むと、作者が描いた100は受け取れないじゃないですか。
だから、それをいかに拾うかみたいなところが難しさでもあり面白さでもあるなと。自分で描いてみると愛着とか情とかが凄い湧いて、描いてる人はみんなこういう風に感じてシナリオ書いてるんだなーとかそんな事を思いながら書いてましたね。
razu
確かに、思います!実際に書いてると、このセリフはこういう感じで言ってほしいとか、こういう表情とか声とかでって書いてる時に思ってて。
こうやって作者は考えて書いてるんだなって思って。
司会
だよね、思いますよね。
razu
めっちゃ思いました。
ひと
実際、演技する人に指示するのって監督とかだったりするじゃないですか。声優さんだったら、音響監督さんとかっていらっしゃって、(指示する人が)別ですよね!すごいなと思います、めっちゃ汲み取るというか。
中間管理職じゃないですけど笑
間に入ってやってるのすごいなって思って!
みんな
確かに、すごい
ひと
(小林先生に対して)なんか、脚本つくって放映されてるの見て、あ、自分と思ってたのと違うってなったりはするんですか?
小林先生
それは一番聞かれる質問ですね。難しい問題なんだけど……シナリオって、みなさんには、自分が書きたいものを自由に書いてもらいましたよね。お題はあるとは言え……。
ただ、仕事で書く場合って、いきなり自分がやりたいものを書くわけではないんです。プロデューサーとか監督とか制作会社とかテレビ局とかから頼まれて書く。だから、監督とかプロデューサーとか原作者とか、現場が求めているシナリオを書こうとする。
もっと言うと、視聴者が求めているシナリオに、どうやって近づけていくかを考えながら書きます。正解がない場合は、一緒に話し合って考えて作っていくので、ディティールまで全部自分のシナリオ通りになるって最初から思ってないんだよね。
どこかで監督なり絵コンテマンなりに脚本を託すっていう前提で書いている。
逆に言うと、シナリオがどう変わるかな、どう膨らむかなって、期待しながら書いていることもあります。僕はこう書いたけども、ちゃんとやってくれるかなとか、どう解釈してくれるかなとか。
アニメはさらに特殊で、(razuに対して)声優さんやられてるからわかるかもしれないけども、実は、アニメの脚本家が書いた脚本を直接声優さんが読むことはないの。シナリオが決定稿になったら、それを演出家とか絵コンテマンが受け取って、絵コンテを描き起こす。それをもとに、アフレコ台本を書き起こして、それが声優さんに渡るのね。
作品によっても監督によっても違うんだけども、全然シナリオに書いてないセリフが足されたりすることもある。あと、絵コンテにした段階で、どれぐらいの尺になるのか決まる。大体ちょっとオーバーして、削って調整するので、切られちゃうセリフもあります。
そういうわけで、変わっちゃうことはあるんだけど、逆に僕は変わるのを楽しむタイプ。アニメより実写の方が、生身の役者さんがやるので、膨らみ方と変わり方が想定外のことがあって、その演技や演出の幅を楽しみにしている感じですかね。生身の人間が演じる実写の方が、映像になった時の情報量が多いんですよ。どうしてもアニメだとゼロから絵で描かなきゃいけないんだけども、実写の場合は、誰が演じるかによって全く印象が変わったりするでしょ?
いっぱい語っちゃいました。すみません。
みんな
いやいやいや〜。
なるほど、確かに〜。
他の人のシナリオへの感想
司会
続けて、他の人のシナリオ読んで見ての感想とか印象に残った作品とかがあれば!
ひと
みんなすご!って思いました。
読むと、自分では絶対でない発想のものとかめっちゃあるし、私はぶっちゃけ物語作ったこととかあったから、ある程度ちょっとはできちゃう、できちゃうって言い方も傲慢なんですけど、みなさん結構初めてって人いるのに、なんかすごすぎて嫉妬しました。なんで!?最初からこんな書けんの!?って、純粋に尊敬というかすごいなってめっちゃ思いましたね。
司会
すごいね。結構、多種多様というか。
等身大が多いっていいましたけど、ファンタジー寄りだったりとか視点が違うから、おんなじ世界観とか似た年齢とかでも視点が違うと全然描く内容とか違うなって思って……。
ひと
お題あるのにみんな被らないというか、みんな違うの凄いと思いました。
司会
「ふたり」というテーマでね
ひと
そうです!2人(というお題)でこんなに出てくるんだって。やっぱ人って違うんだなって笑
みんな
(笑い)
ひと
この年にしてって感じですけど、思いました。
猿
なんか人によって作品の雰囲気とかも、去年の物語(別授業)はみんな文体が違うのでわかりやすかった。こっち(シナリオ)はある程度書き方決まってても雰囲気違かったのですごいなって。
みんな
たしかに〜。
印象的だった他の人のシナリオ作品
司会
授業であった印象的、面白いなって思ったのが、双子の話。
双子の仲悪いけど、相方側の彼女となんか……。みたいなやつ。
▼双子のシナリオはこちら
猿
急に!?(※双子のシナリオは猿が執筆)
あ、めっちゃ恥ずかしい、急にくると思わなかった笑
司会
ごめんなさい、名前(作者)まだ把握してなく……笑
いやそのアイデアが面白いなと。コメディー要素があるけど最後は兄弟愛とかそういうところにも持っていけるし、コメディーが私結構好きなので、面白い発想だなと思って、印象的でした。よかったです。
司会
(はるに対して)なんかありました?
はる
私も等身大というか、やっぱりみんなの好きなものから1番最初に描いた作品。今回は多分多くの人が初めて書いてみたものだと思うので、素直に自分が思ってることっていうか、自分の好きなもので書いたと思うので、(例えば)YouTubeとか舞台とか自分の好きなものから描いたっていうのが、その人の色がでてるというか、それがすごい面白かったし、一気にこんなにいっぱい脚本がみれるのもすごく面白いなと思いました。
▼youtubeが舞台のシナリオはこちら
司会
(razuに対して)なんかありましたか?
razu
実写シナリオ書く人とかアニメシナリオ書く人とかいろんな人がいて、実写だとやっぱ全然違う。
アニメだとセリフの中で語尾がアニメっぽい口調だったりとかあって、実写はやっぱ人間がいる!みたいな感じで、どっちも脚本を見てみて、映像が浮かんでくるなって思ってすごいなって思いました。
印象に残った作品は、いっぱいあって、作品名がちょっと忘れちゃって笑
ひと
内容と一致してないのとか有りますよね!笑
razu
あ!『言葉にすれば』よかった。めっちゃ感動した。
▼『言葉にすれば』はこちら
はる
みんな価値観わかりますよね。
ここで怒るとか、セリフでそういう怒り方なんだこの子は。自分と怒り方違うってなるとその人の価値観は違うってことじゃないですか自分と。そういうところもなんか面白いっていうか……。
ひと
やっぱ滲み出るよね、意図してるかはわからないけど価値観とかでてきてるよね。
みんな
わかるわかる。
ひと
それでいうと、私、ピースさんの作品がめちゃめちゃ好きです。
女の子がまた遊んでくれますか?みたいなのこと言って、それに対して相手が映画のシーンに沿って濁すところあるじゃないですか。あそこで女の子側が気づかないで、恥ずかしいってなっちゃうのがめっちゃ好きで。
映画好きな女の子が気づかないくらい一生懸命だったというか、全力だったんだなっていうのが伝わってきて、あそこですぐ気づくんじゃなくて気づかないところがめっちゃめちゃ好きでした。
▼キンクマのピースの作品はこちら
司会(キンクマのピース)
嬉しい〜。
みんな
(笑い)
司会
(印象的だった作品)みつかりました?
razu
みつかりません!笑
司会
どういう話、悲しい系ですか?
razu
覚えてない笑
すごい前に読んだんですよ!笑
好きっていうのだけ残ってて笑
あとで探してきます笑
シナリオをどうやって作っていったのか
司会
私思ったのが、2人の登場人物が出てくるっていうのが、大体みんなそうだと思うんですけど、自分の中にある価値観だけど、個性は出したいじゃないですか。そのときに、自分の中にある、普段からある矛盾している感情というものを分けて、個性を立たせて、そこでぶつからせてってした気がします。
ひと
えーそうなんですね!おもしろいすごい。
司会
2人だからやっぱキャラクターを作るっていうところが1番悩んだ気がします私は。
猿
私は昔の創作キャラクターとか色々焼き回して、ああいう感じになった。
ひと
えー!すごい、そうなんですね。
猿
あの双子も、元々ファンタジー系に双子が1組いたのと、あと夏休みに去年のノートを読んで、またおんなじ30分の別れっていう話題が来たらこういう話が書きたい!っていうのを書いたんですよ!
設定を書いたんですよ!おじゃんになっちゃった……。
それが現代日本の設定だったんで、この双子をここにちょっと(自分のシナリオに)うまくやったって感じです。
司会
あーなるほど〜。
ひと
えーすごい、積み重ねで生まれたって感じ。
司会
じゃあ、キャラクターが先にいたって感じですかね?
猿
そうですね、キャラクターが先。
司会
さっきのね、物語が先かキャラクターが先かみたいな。
ひと
確かに聴きたいかも。どっちですか?
razu
どっちだったっけ……笑
ひと
でも自然ともありそうですよね。反復横跳びじゃないですけど、段々段々みたいな。
猿
たしかにそんな感じかもしれない。
razu
確かに、一緒にって感じですね。
司会
(印象的だったシナリオを探していたrazuに対して)どうですか?
話は再び印象的だったシナリオへ
razu
あ、一個ありました!『雲の向こうはいつも青空』。
水族館の話で、水族館を映像に使うのがすごい綺麗だなって思って。
▼『雲の向こうはいつも青空』はこちら
ひと
めっちゃ映えますよね!
みんな
きれい~。
razu
あと、作品の内容もすごい良かったです。
ひと
わかります。めっちゃリアルな温度感。
姉妹の会話がめっちゃリアルですごい良かったです。(学生同士の講評班で)同じ班だったんで、お話を聞いてたら、実際、作者さんが妹さんがいるみたいで。
リアルさはそれが出たのかもしれないですって言ってて。あ、そーなんだって思って。やっぱ滲み出るというか。
司会
他の人のシナリオあとなんかありますか?
猿
私おんなじ班の人ので、『心の音に耳をすませて』。
2人っていうとやっぱ自分と違う人が多かったんですけど、この人だけなんか、自分と自分の中の本音を擬人化的にしたものだったので、その発想がずっと好きだなって思って、全然思いつかなかったなって思って。
▼『心の音に耳をすませて』はこちら
みんな
たしかに〜。
猿
うまいなって思いながら。
ひと
発想力がめっちゃすごい。
司会
最初のなんかプロットというか、
猿
ログライン!
司会
ログライン書いてた時とかみんな全然違うわって思って、あそこが1番気になりました。
ひと
めっちゃわかります!
衝撃でしたね。みんなの見た時すごーって。
司会
意外となんか、ダークめの作品多いなって思って、最初の印象では。最後はそんなことなかったんですけど。
みんな、心の中のなんか闇的なものを出してるのかなって思って、めっちゃ面白かったですけどね。
では次(の話題)行ってみてもいいですか?
razu
あ、あともう一個あった!『愛対』っていう。
すごいほんとに映像にありそうな内容でよかったです。
▼『愛対』はこちら
ひと
叔父が訪ねてきて……のやつですよね?
司会
あれですよね、だれですかーみたいな。
ひと
お父さんの弟さん、あれお兄さんだったかな。
razu
どうだっけ、そんな親戚みたいな。人間ドラマ、すごい面白かったです。
司会
2人っていうテーマだったから、群青劇とか書くの難しいって言ってたじゃないですか。
2人っていうテーマだったから、15分以内で、ドラマが人間関係をちゃんと絞って描けたからそれは、良いテーマを用意してくださって、(小林先生に対して)ありがとうございます。
みんな
たしかに!!
小林先生
それは良かったです。
テーマを決めた意図としては、尺が15分しかないからなんです。よく初心者の人がやっちゃうミスとしては、短編なのにメインキャラクターを3人も4人も出して、結局よくわかんないまま終わっちゃうパターン。登場人物が紹介されただけで、何もドラマが進まないまま終わっちゃうことが多いんですね。
なので、基本的に登場人物は2人ぐらいに絞って欲しいなって思って。映像の場合は、「誰かと誰かの関係性の話」っていうふうに縛った方がドラマは作りやすいんですね。短編の場合は特に。
なのでそういう形で決めさせてもらいました。
皆さん、上手くこちらの意図を解釈して書いてくださったと思います。
司会
確かに、みんな登場人物。きゅっとコンパクトにしましたよね。
猿
15分だから、心情はともかく、ぱっと見わかりやすい関係の兄弟とか親子とか、生徒と教師とかが良かった。
複雑じゃない関係の方が描きやすいなって。
ひと
そうですよね、説明してたら終わっちゃう。
猿
終わっちゃう。出会わせるの時間かかる!!
みんな
そうそう!!
猿
最初からそこにある関係にした方が楽。
みんな
たしかに〜。
小林先生
小説だとまた違うんですけど、映像の場合は、特に主人公ともう1人のだれかが出会わないと、ドラマってなかなか始まらないんですよ。
2人が出会うまでを書きたいという人もいるかもしれないけど、出会うまでにドラマがなかったりするんですよね。出会うっていう「状況」だけで。
だから2人を早く会わせるのは大事なんですよね。
司会
なるほど……。
映像系で思ったのが、二年生ぐらいにとってた違う授業。映像は、物語の中で空白を多く作っとくっていうので。今回書いてみて全部説明したくなっちゃうところもあるけど、余裕を持たせて書くみたいなことって大事だなって実感しましたね!
みんな
思いましたね!確かに。
(つづく)
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