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アメリカでは性格的に似た州どうしで引っ越しをする

割引あり

アメリカの中では,どの州への引っ越しが多いのでしょうか。2019年の統計によると,上位3州は次の通りです。

◎フロリダ州
◎テキサス州
◎カリフォルニア州

どこも暖かそうですね……。一方で,引っ越し下位3州つまり州からでていく人が多い州は,次の通りです。アメリカのどこにあるか,わかりますか?

◎バーモント州
◎サウスダコタ州
◎ワイオミング州

1年間でフロリダに60万人,テキサスに55万人,カリフォルニアに48万人が引っ越していったそうですが,一方で外からバーモント州に入ってくるのは2万人,サウスダコタ州には2万7千人,ワイオミング州には3万人しか引っ越してこなかったそうです。格差がすごいですね。

ちなみに,バーモント州にデラウェア州から引っ越した人は,1年間で1人もいなかったそうです。


州間移動

州をまたぐ移動のパターンの違いに影響する要因には,何があるのでしょうか。どうしてある州への移住は多く,別の州への移住は少ないのでしょうか。

◎教育水準
◎経済的水準
◎雇用機会
◎人種・民族の違い
◎都市化の程度
◎政治的志向性
◎人口
◎距離

などなど,さまざまな要因を考えることができそうです。

性格の影響

ビッグ・ファイブ・パーソナリティの中では,開放性が移住に関連することが,これまでにも報告されています。アメリカの州のあいだを移動する引っ越しをする経験についても,開放性の高さに関連するという研究知見があるのですよね。

同じように,日本でも開放性の高さが引っ越しに関連することも報告されています。

アメリカで引っ越しをする場合,なんとなく「この都市の雰囲気がいいな」という印象やイメージがあるように思います。そしてそのイメージは,自分の性格にも関連してくるのでしょうか。このあたりの地域の性格と本人の性格との類似性については,これまであまり検討されていません。

このあたりの検討を行った,こちらの論文を見ていきましょう(Selective migration in American interstate residential flow: Similarity of Big Five personality factors among origin and destination state residents)。

https://doi.org/10.1016/j.cresp.2022.100053

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