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靴で性格がわかるって

先日読んでいた本の中に,次のような一節が書かれていました。本の内容とはまったく関係のない部分なのですが,研究員の面接にやってきた応募者を見た時の,大学の研究者と服装について書かれた一節です。

ほとんどの大学の研究者は正装をせず,ほかの職業の厳格な服装規定(ドレス・コード)を軽蔑するものだが,それでも彼の服装はちょっと異例だった
(アンドレアス・ワグナー 垂水雄二(訳) (2015). 進化の謎を数学で解く 文藝春秋)

大学の教員は,たしかにいろいろな服装をしています。いつもスーツを着ている先生もいれば,夏場はTシャツとGパンで過ごしている先生,また個性的な服装をしている先生も。

さて,この研究員に応募してきた研究者は,トレッキングシューズを履いて面接の部屋にやってきたそうです。こんな靴でしょうか。

確かに,あまり面接の場面で適切とな靴だとは思えませんが,この極めて能力の高い研究者は,無事研究員として雇われたそうです。もっている能力が秀でていれば,足に何を履いていようが必要とされるということなのでしょう。


ホテルマンは靴を見る

プロのホテルマンが洋服よりも靴を見てお客さんの様子を見るというのは,有名な話なのだそうです。

そして仕事のできる人は靴にこだわる,という意見も根強くあります。

仕事のできる人の靴の特徴は,
1. 手入れが行き届いている
2. キレイに磨かれている
3. スーツとのコーディネートが良い
4. 脱いだ後に揃えている

なのだそうです。

えっとこれを見ると,私はあまり靴にこだわりがないので,できる人だとは見なされなさそうですね…...。

靴のサイズ

私がどうして靴にこだわりがなくなってしまったのかというと,そのひとつの理由は靴のサイズにあったのではないかと思います。

私の靴のサイズは27.5cmか28.0cmです。今でこそ,このくらいのサイズの靴はよく売られているのですが,以前はなかなかありませんでした。

お店に入って気に入ったデザインの靴があっても27cmまでということが多くてあきらめる,ということが何度もありました。そして,いつのまにかすっかりあきらめてしまったのではないかと思います。

いや,でも,そもそもそんなに服装にもこだわらないので,それはきっと言い訳なのでしょうが…...。

靴で性格がわかるか

そんなわけで,靴だけを見て履いている本人の性格を当てることができるのか,という無謀なチャレンジ(?)をした論文があります。

普段の生活の中で私たちは,ほんの些細な情報に基づいて,人の印象を決めてしまう傾向があります。そういった判断が,そもそも正しいのかどうかを検討している論文のひとつです。

この論文では,3つの情報が集められています。

(1)靴の所有者本人のパーソナリティや愛着スタイルなどの心理変数や個人情報
(2)靴の所有者を知らない人が靴だけを見て所有者の印象を答えた情報
(3)靴の特徴

この3つの情報を集めることで,
靴の所有者 — 靴 — 靴から得られる印象
という関連を検討することができるというわけです。

お手本の論文

この論文のお手本の論文は,この記事で紹介したものです。

データの取り方を見ると,同じような枠組みで研究が進められていることがわかると思います。「本人の性格⇔もの⇔性格認知」の枠組みで,真ん中の「もの」を変えることでまた別の研究へと発展していくというわけです。


データの集め方

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