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ストレスからの回復に関連する性格

割引あり

普段の生活の中で,私たちはいろいろなレベルのストレスを感じています。いやあ,私自身,最近はストレスを感じると身体的な症状になってくる傾向があっていけません。なんとか上手くやりくりできないでしょうか。



情動的な反応

日常的なストレッサーにさらされると,さまざまなレベルのネガティブな感情を抱きます。このような情動的な反応は,パーソナリティ(性格)特性などの個人差特性にも関連するといわれています。

しかし,個人差特性はストレスのプロセスの同じ場所に働くわけではありません。神経症傾向は物事のとらえ方にも関連しますし,感情的な反応にも関連します。外向性はポジティブ感情に関連しており,対人関係の交友の広さにも関連しますのでさまざまなサポートを受ける可能性を増加させます。開放性は好奇心の強さに関連しており,ストレスな経験を異なる視点から評価することにも関連するかもしれません。

このように,パーソナリティ特性はストレスの増幅や予防にさまざまな形で関連すると考えられます。

動的反応

こういったプロセスを考えるときには,時間の経過をどのくらいと想定するかも重要です。

ストレス要因があって,そこから情動的な反応が生じて,さらに回復していきます。このプロセスには個人差があると思うのですが,いったいどれくらいの時間的感覚を考えるのでしょうか。一瞬かもしれませんし,数分かもしれませんし,1時間くらいかも数日かもしれませんし,もしかしたら回復するまでに数年を要してしまうかもしれません。

成人期を対象とした調査から,パーソナリティ特性とストレッサーに対する反応やそこからの回復とのあいだにどのような関係があるかを検討した研究があります。こちらの論文を見てみましょう(Neuroticism, emotional stress reactivity and recovery in daily life: Examining extraversion and openness as moderators)。

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