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オジギソウの個体差(それは性格?)

庭に種を蒔いておくとかってに生えてどんどん増えていく植物というのがあります。

最初はホームセンターなんかで買ってきた,ポット入りの小さな植物だったりするのですが,そのまま庭に地植えをすると,とんでもない勢いで増えていく植物です。思い浮かびますか?

ミント

庭でものすごい勢いで増える植物といえば,たとえばミントです。最近はミントチョコレートが流行っていますよね。アイスクリームでもチョコレートでも,ミントはよく使われています。そのミントを庭に植えておくと,新しい芽がどんどん出てきますのでそれを摘んでハーブティーにしたり,サラダに加えたりして活用することができて便利です。

でも……ものすごい勢いで増えて,周辺の植えた植物を駆逐していってしまいます。茎で増えるのと,花が咲いて種がばらまかれるのと,ダブルの作戦で増えて行きます。最近は「ミントテロ」なんて呼ばれることも。

ドクダミ

次にドクダミですね。実家にいたとき「健康にいいから」と,ドクダミ茶を飲まされたように覚えています。庭にたくさん生えていました……。

これは今の自分の家でも「マジですか」と思ってしまうほどはびこってくる植物です。日陰が好きなので,家の影になっているところから春になるとどんどん芽が出てきて,地面を覆っていきます。地下で茎がつながっていますので,その場だけ抜いてもすぐに出てくるのですよね。しかも,寒くなると一気に枯れて何事もなかったかのように地面が出てきます。

ドクダミの駆除方法について書かれたwebサイトも多いのですが,「ミントでドクダミを駆除する」という,毒で毒を制するような話も書いてあって面白いと思いました。

ナガミヒナゲシ

ナガミヒナゲシって知っていますか?アスファルトの道ばたに,これでもかという勢いで咲いているちいさくてかわいい花がありますよね。あれです。

当たり前の話ですが,花が咲いた後に種ができるのです。子どももよくその種で遊ぶのですが,「粉ですか?」というほど小さな種で,ひとつの花が咲いた後からとんでもない数の種ができるのです。

しかもその種のうちすぐに発芽するのは一部で,残りは翌年,中には数年後に発芽するものまで含まれているとか。時間差攻撃で増えて行く植物です。なので,子どもたちにも「この種は道路で取っても庭にもってきてはいけない」と言っています。

オジギソウ

ここまでの繁殖力ではないのですが,オジギソウも花が咲いて種が落ちて翌年もそのあたりから生えてくる植物のひとつです。

なんといっても,オジギソウは子どもたちが触って喜ぶのでそれが一番です。庭の地面から生えてくると,結構ひと株が大きくなって横に広がったりして厄介なのですけどね。

そして,オジギソウの葉に触ると閉じるのは,捕食者から回避したり強い風などで被害を受けないようにするためだと言われています。植物でこれだけ大きな動きをするものは,他には食虫植物もありますが,やはり珍しいですよね。

オジギソウの個体差

このオジギソウの動きには個々で差があるのでしょうか。つまり,オジギソウの個体差です。これまでにも動物のパーソナリティ(行動シンドロームと呼ばれることもあります)を扱った論文を紹介してきましたが,今度は植物についてです。

うーん,ずいぶんとぶっ飛んだアイデアのように思えなくもありません……。

オジギソウは英語でsensitive plantと言うそうです。敏感なとか傷つきやすい植物ということですね。その個体差を扱ったのが,この論文(Sensitive plant ( Mimosa pudica ) hiding time depends on individual and state)です。

オジギソウに触れる

この研究ではオジギソウの「個体差の特徴」を調べることが目的です。植物って,地上に複数の茎が出ていても根っこでつながっているということが良くありますよね。庭で草を取る時にも,そういう草にはとても手こずります。

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