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メディアの使い過ぎは抑うつを上昇させる
抑うつは,もっとも一般的にみられるネガティブな精神的反応です。また,うつ病は多くの人が罹患する精神疾患のひとつでもあります。
抑うつ
うつ病はネガティブな感情や情動に関する問題です。個人が窮屈に感じたり,落ちこんだりする心理状態のことを指します。抑うつ状態は,多かれ少なかれ誰もが経験するものです。しかし,それが重度になりうつ病となると,日常生活にも問題が生じるようになります。
世界中で3億人がうつ病で苦しんでいるという推計があるほど,うつ病というのはポピュラーな疾患です。多くの国でうつ病の有病率は上昇しているとも言われていて,各国政府も何らかの対応を必要としています。
危険因子
何かの問題の発生や良い結果を抑制してしまうような要因のことを,危険因子(リスク因子)と呼ぶことがあります。抑うつの危険因子としては,社会的な支援が少ないことやストレスやプレッシャーの多い生活などを挙げることができます。
近年では,メディアの利用にも注目が集まっているようです。SNSやビデオゲーム,テレビ,映画などのメディアの利用が,抑うつ傾向やうつ病のリスク因子と考えられているようです。
メディア
メディアというのは,人々が情報を発信したり情報を入手したりするために使用する道具や媒体のことです。
伝統的なメディアとしては,新聞,雑誌,ラジオ,テレビなど,昔からあるマスコミュニケーションが代表的なものです。比較的新しいメディアとしては,デジタル技術を利用するコンピュータ・ネットワーク,無線通信ネットワーク,衛星,コンピュータやスマートフォンなどを通じて,ユーザに情報やサービスを提供するものを挙げることができます。
メディアと性格
抑うつ傾向は,パーソナリティ特性も関連することがこれまでにも明らかにされています。ビッグ・ファイブ・パーソナリティでは,神経症傾向の高さは抑うつ傾向の高さにも密接にかかわっていますし,外向性はポジティブ感情にかかわる特性ですので,抑うつとは逆方向になるはずです。
そして,メディアの利用もビッグ・ファイブ・パーソナリティと関連します。
では,メディアの利用,ビッグ・ファイブ・パーソナリティ,抑うつ傾向は,どのような関連を示すのでしょうか。中国の大規模な調査データを分析した研究があります。こちらの論文を見てみましょう(The influence of media use degree on public depressive symptoms: mediating role of big five personality)。
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