ついぼーっとしてしまう背景要因
マインドワンダリングは,目の前で行っている課題(授業や仕事など)から注意がそれて,あれこれと他のことを考えてしまう状態のことを指します。心理学で研究されるときには,質問紙で測定されるのですが,これは普段の生活の中でマインドワンダリングの状態にどれくらい陥りやすいかの個人差を把握することを試みています。
マインドワンダリング
マインドワンダリングの定義を言い換えると,外的環境の出来事から内的な自己生成的な思考へと移行することを指しており,内的な思考や感情に注意が集中することを意味します。こう書くと,ちょっと専門的に思えてきます。
これまでの研究によると,マインドワンダリングは日常生活で非常に多くみられ,集中力を必要とする課題のパフォーマンスを悪化させる可能性がある一方で,創造性を高める可能性も指摘されます。そもそも,マインドワンダリングのような事故の状態は,認知心理学の観点からも脳神経科学の観点からも,とても興味を惹かれる問題ではないでしょうか。
性格要因
マインドワンダリングの背景要因にはいろいろなものが考えられます。そもそも,私たちはマインドワンダリング状態になりやすい,ということはありますよね。
比較的安定した個人差特性であるパーソナリティ特性も,マインドワンダリングとの関連が指摘されています。特に,神経症傾向の高さと開放性の高さは,マインドワンダリングに結びつく可能性が指摘されます。
神経症傾向の高さは,感情の不安定さ,ネガティブな状況にうまく対処できない傾向,嫌な出来事を何度も思い浮かべて反すうしてしまう傾向などに関連します。神経症傾向が高いと,あれこれと思い浮かべてしまいマインドワンダリングにつながることは想像できます。
また開放性は,広い思考と豊富なアイデアの利用に親和性があります。こちらは,あれこれと想像して考えが広がっていくことでマインドワンダリングにつながる可能性があります。
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