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ネット記事をレポートに引用すること

学生たちが提出するレポートを見ても,今や,ネットで見つかるものではない(印刷された本や論文)を引用するよりも,ネットで見つけた記事やpdfファイルをレポートに引用するのがあたりまえになっています。

それは学生たちだけではなく,研究者でも同じです。大部分の論文は,紙で印刷されるだけでなく,pdfファイルやhtmlでwebページの地の文でも提供されます。研究者たちも,ネットで情報を検索して自分が執筆する論文に情報を引用していくのがあたりまえになっているのです。


文献の種類

もしかすると,ブログやネットの記事と論文との境目が曖昧になっているかもしれません。論文というものが存在する,ということを知らなければ,両者の違いもよくわからないのではないでしょうか。研究雑誌の場合には「Journal of ○○」などと「この雑誌に収録された論文ですよ」ということが明示されています。でも,よくわからない雑誌名だったり,まったく研究領域が違っていたり,内容からもよく判別がつかない,といったことがありえます。

オンライン記事を引用するときの注意

アメリカ心理学会の執筆マニュアルブログに,オンライン記事を引用するときの注意点について書かれた記事がありました。今回はその内容を見ながら,どんな注意点があるのかを考えてみましょう。こちらの記事です(“I found it online”: Citing online works in APA Style)。

ネットで見つけた記事をどのように引用するのか?という問題は,検索方法に着目したものと言えます。これは「図書館で見つけた本をどのように引用するか?」とか「友人から借りた本をどのように引用するか?」という問いによく似ています。

でも,重要なことは「どこで見つけたのか」ではなく「それが何なのか?」です。どこで見つけたかが重要ではないのです。

ネットで見つけようと,図書館で見つけようと,友人から借りようと,著者から送ってもらったとしても問題ありません。レポートや論文に引用するときに重要なのは,それが「どのような種類の文献なのか」です。

本なのか論文なのか記事なのか

pdfで手に入れようが,印刷されたものを手に入れようが,それをネットで見つけても図書館で見つけたとしても,文献を引用するときにはその「種類」に応じた引用の仕方をします。本が印刷されていてもpdfでも,引用の形式は同じなのです。

ですので,ネットで検索した情報が「論文なのか本なのか新聞記事なのか雑誌記事なのかブログやSNSの記事なのか」を,明確にしましょう。

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