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高齢になると楽観性は高くなる?

割引あり

日本は楽観性を重視する国だと思いますか?それともあまり重視しない国だと思いますか?日本の文化はどのようなものだと認識されるでしょうか。どうでしょうね……。

楽観性を説明するいくつかの観点がありますが,ひとつには,将来に対するポジティブな期待です。「きっといいことが起こる」「悪いことはおきないはず」と感じることですね。「ポジティブにものごとを考えよう」という,ポジティブ思考は,まさに楽観性です。


年齢との関連

これまでの研究では,楽観性は年齢とともに上昇する傾向が報告されています。パーソナリティ特性の研究でも自尊感情の研究でも,成熟の原則と呼ばれる現象が生じることが知られています。これは,年齢とともに,生活している文化に適合するように心理特性が変化していくという現象です。ビッグ・ファイブ・パーソナリティであれば,勤勉性や協調性,自尊感情も年齢とともに上昇していきます。

つまり,文化のなかで楽観性が望ましいとされている共通認識があると,年齢を重ねていくにつれて楽観性も上昇していく可能性がるということです。では,そうではない文化だったら,どうなるのでしょうね。

そこで,楽観性が望ましいとされていそうなアメリカ文化と,あまりそうではない文化とを比較したらどうなるかについて検討した研究を見ていきましょう。高齢になったときに,楽観性が高まるのかどうかです。こちらの論文を見てみましょう(Age differences in dispositional optimism: a cross-cultural study)。

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