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自尊感情の不安定さは年齢に伴ってどのように変化するのか

自分自身を評価の対象としたときに,どれくらい自分を好ましく,肯定的に捉えるかという感覚を自尊感情(自尊心,self-esteem)といいます。

これまでにも記事で書いてきたようにも思うのですが,何歳くらいがいちばん自尊感情が高いと思いますか?予想してみてください。


自尊感情の要素

自尊感情には,不安定性や随伴性といった要素があります。

自尊感情の不安定性というのは,毎日自尊感情を測定したら,どれくらい日々の出来事で変動するかという要素を指します。不安定な自尊感情の持ち主は,日々の些細な出来事で自尊感情が大きく変動します。その一方で安定した自尊感情の持ち主の場合には,それほど大きな変動を示さないと考えられます。

自尊感情の随伴性(随伴的自己価値とか随伴性自尊感情とか)といった言い方をすることがあります。随伴性というのは,まさにさまざまな出来事や現実の要素に自尊感情が「伴うこと」を指します。ですから随伴性が高いということは,いろいろな出来事によって自尊感情が揺れ動いてしまうことを指すというわけです。

ということは,安定した自尊感情とか,出来事で揺れ動かない自尊感情の要素といったものがあるということも意味します。そういう揺れ動かない自尊感情の要素のことを,本来感と呼ぶこともあります。

年齢に伴う変化

ところで自尊感情全体だけでなく,不安定性や随伴性の要素は,年齢とともにどのような変化を示すのでしょうか。成人期全体を見たときに,年齢とともに平均値がどのようになっていくかという問題です。少し気になりますよね。では,こちらの論文で確認してみましょう(Age differences in instability, contingency, and level of self-esteem across the life span)。

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