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夫婦の幸福に影響する要因を検討した1930年代の研究

心理学者ルイス・ターマン(Lewis Madison Terman)は,スタンフォード・ビネー検査という知能検査を開発したことで知られています。もともとフランスのビネーが作成した知能検査は,精神年齢という指標で知能を表していました。

精神年齢については,ずっと前にも記事にしたことがあります。ネットで検索すると,すっかり知能検査とは関係なくなってしまった「精神年齢」を見ることができるのですが……もともとは知能検査用語ですからね。


90年前の夫婦の幸福

ターマンが90年前に行った研究があります。夫婦の仲のよさに関連する要因を検討した研究なのですが,面白そうではありませんか?

90年前だと,もちろんビッグ・ファイブ・パーソナリティもまだ見つかっていませんし,イギリスのアイゼンクが提唱した外向性と神経症傾向を組み合わせたモデルもありません。パーソナリティ検査「16PF」を開発したキャッテルの理論もまだまだ後の時代です。そんな中で,序論では当時のパーソナリティ検査の研究から夫婦にどのようなことが言えるのかがまとめられています。

では,どんな内容なのかを,ざっと見てみたいと思います。この論文です(Personality Factors in Marital Compatibility)。

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