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親になるときの自尊感情の変化

割引あり

自尊感情が人間関係と密接な関係があることは,昔から知られています。人間関係が良好になれば自尊感情は高まりますし,人間関係がうまく行かなければ,自尊感情は低下する傾向があります。言われてみれば当たり前なのかもしれませんが……。


自尊感情

自尊感情は,自分自身を評価の対象としたときに,全体的にどれくらいポジティブ(ネガティブ)に感じるかという傾向を表します。一般的には,「自己肯定感」という表現に近いものが,自尊感情(self-esteem)です。

自尊感情は,日常生活の様々な要因で上下することも知られています。特に,自尊感情が出来事と結びつきやすい傾向のことを「随伴性」と呼ぶこともあります。自尊感情のうち,出来事に結びつく部分を随伴的自尊感情とか,自己価値の随伴性などと呼んだりもします。

関係の質

特に,人間関係が満足いくものである場合に,自尊感情が高まりやすいことも,これまでの研究で知られています。これまでメタ分析も行われているのですが,時間の経過とともに人間関係の質と自尊感情との間には,低いプラスの相互の関係性が見られると言う結果も報告されています。

夫婦の関係

今回紹介する研究は,夫婦関係の満足度に焦点が当てられています。夫婦の関係性のよさは,やはり自尊感情に関係するのでしょうか。また,夫の場合は?妻の場合は?何か違いはあるのでしょうか。では,こちらの論文を見てみましょう(Daily Self-esteem and Relation Quality in First-Time Parents)。

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