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日々是好日・心理学ノート

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2020年5月の記事一覧

2020年5月のまとめ

2020年5月も終わろうとしています。 とうとう,といいますか,やっと,といいますか,緊急事態宣言の期間も終わりでしょうか。しかし,なかなか今回のコロナウィルス感染症の蔓延以前の状態には戻ることはできなさそう……に思います。 今回の出来事は,本当に世界中の人々の行動のパターンを大きく変えてしまいました。もう,これが当たり前になっていくのでしょう(もうなりつつあるでしょうか)。私たちは以前の状態のことをすぐに忘れてしまいますので,しっかりと記録しておく必要がありますね。

外向的な人は笑顔の絵文字を使いやすい?

私の場合,ちょっとこの文化とはズレてしまっているのか,パソコンが普及し始めた頃からの,機種依存文字を使わないようにしようとする習慣のためか……ほとんど絵文字を使わない傾向があります。皆さんは絵文字を使いますか? 絵文字文化絵文字(emoji)は,日本発祥で世界中に広まった文化のひとつです。“emoji”という単語にもなっていますが,海外の人はこれが日本語だということも特に意識せず使っています。それくらい,短期間で世界中で定着した,当たり前の文化になっているのはすごいことです

ひとりっ子はナルシストではないというさらなる証拠

「ひとりっ子はわがまま」説は,根強いものがあります。 ひとりっ子はきょうだいがいないので,子ども同士で譲り合ったり分け合ったりする経験が少ない。だからわがままになる。 ひとりっ子は親の愛情を一手に受けて育つので,何でも言うことを聞いてくれる親の子育ての影響から,わがままになる。 「ひとりっ子はわがまま」の背景にあるのは,こういった理屈ではないでしょうか。 いないわけはないこういう話をしたときに注意したいのは,「自分はひとりっ子でわがまま」だとか「私の知り合いはひとりっ

男性と女性ではどちらの方が別れた相手を好意的に思うのか

男性と女性の恋愛のパターンが異なるのではないかというイメージを,皆さんはもっているでしょうか。男性の方が失恋した後もくよくよしていて,女性の方がサバサバしているとか,でも,必ずしも男女で明確に分かれるわけでもないですよね。 本当に,そういう違いは男女であるものなのでしょうか。 恋愛の対象『48.3%の女性が“出会ったときは恋愛対象外だった”人と結婚!』という調査結果を見つけました。出会った瞬間に「この人と結婚するかも」という直感を抱くような話はよく耳にするものですが,多く

意見を述べているつもりなのに誹謗中傷になってしまう

誰かに対して誹謗中傷を行うことについて,ネットで話題になっています。何が意見で何が中傷なのか,ということについても,さまざまな見解を見ることができます。 このあたり,似た言葉がいくつかあります。 誹謗は「他人の悪口を言うこと」であり,中傷は「根拠のない悪口を言い,他人の名誉を傷つけること」とされます。非難は「相手のミスや欠点などを一方的に責めること」を指す言葉です。 また批判は「善悪や可否について検討して判断すること」という意味もありますし「よくない点をあげつらうこと」

保守的な政治志向の人はリベラルな人よりも幸せ?

社会の中で伝統的に蓄積された秩序を重視して,大きな変化をあまり志向しない政治的な態度を保守主義と言います。その一方で,個人の自由や多様性を尊重して,自己決定権を重視する政治的な態度をリベラリズムと言います。 とはいえ,これらは結構曖昧で,時代や国によっても内容は変わってきます。 日本の場合,保守と呼ばれる勢力が憲法を変えようとしていて,リベラル(革新)と呼ばれる勢力の方が憲法を守ろうとしているのも,保守とリベラルという定義からしてもよくわかりません。が,保守は国の権限を強

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パーソナリティで死因を予測(MMPIの場合)

生きるか死ぬかを問題にする研究は,心理学でも結構行われます。 幸福感や勤勉性といったパーソナリティによる死因の予測や,睡眠不足など行動習慣,生活習慣がやはり早く死ぬか遅く死ぬかに関連するようです……生活習慣は自分も見直した方が良いと思うので,いつも論文を見ながら反省するのですけどね……なかなか改善できません。 先日も,死に結びつきやすいパーソナリティの研究を紹介したのですが,今回も別のアプローチを紹介しようと思います。 こういった研究は予測するのに何十年もかかりますので

ゴルフをすればゴルフ場への愛着も高まる

「ここに来るとほっとする」とか「この場所に来ると活力を感じる」とか,そういった場所は皆さんにはあるでしょうか。「この場所がなんとなく好き」と思うことは,多くの人が抱くことなのかもしれません。 そういった,「この場所が好き」という感覚は,何から生じるのでしょうか。きっと,たぶんその場所に行ったときに何かよいことを思い浮かべたり,良いことを経験しているのではないかと予想されます。 とはいえ,なかなかその出来事を自覚するわけでもありません。多くの人にとっては,「何となく」感じる

死に結びつきやすい性格

心理学的な個人差特性で「生きるか死ぬか」を予測する研究というのは,けっこう世界中で行われています。ある時点で心理学的な測定を行っておいて(多くは質問紙調査をするのですが),その後ずっと追跡していって「いつ死ぬか」を測定するという研究です……このように書くとちょっとひどいことをしているように思えてしまうのですが,生きるか死ぬかというのはある意味で究極的な目的のひとつとも言えるのですよね。 パーソナリティと生死これまでにもビッグ・ファイブ・パーソナリティと「生きるか死ぬか」とい

早産で生まれた子どもは大人になってから何が起きやすいのか?

出産も,なかなか自分でコントロールすることは難しい現象のひとつです。我が家の場合,最初の子の時はなかなか生まれず,病院に行ってから生まれるまで一晩かかりました。その一方で2人目については,病院についた時にはけっこうギリギリだったらしく,ほんの1〜2時間くらいで誕生を目にすることができました。 何が要因になるのかはよくわかりませんが,同じ親から生まれるタイミングも子どもによってバラバラで,なかなか興味深いです。 早産通常の出産と早産とは,どのように区別されるのでしょうか。日

完全主義者のアルコール問題

以前,「完璧主義」と言うか「完全主義」と言うかという問題について,記事を書いたことがあります。 web検索を行うと,「完全主義」よりも「完璧主義」が多いのですが,論文データベースで検索すると「完璧主義」よりも圧倒的に「完全主義」が多いという結果になります。 「完璧」は「欠点や不足がないこと」を表す,素晴らしいというニュアンスを含む表現です。その一方でperfectionismは,よくない結果をもたらす個人の思考や行動やパーソナリティを表す言葉ですので,欠点のない「完璧」よ

誰がやせ型の体型になりたがる?

皆さんは,今の体型が理想に近いですか?それとも,かけ離れていると思うでしょうか。 理想の体型と現実の体型との違いというのは,私たちの自己評価を大きく左右する要因のひとつです。毎日,鏡を見るとどうしてもその「理想と現実」に直面せざるを得ないですよね……。 メガネでも,私のように,眼鏡を取ると目の前にある鏡に映る自分もよく認識できない,というくらい近眼だと,お風呂に入ってもその鏡に映る自分の姿がほとんど見えないというメリット(あえて,メリット)もあるのです。「理想とかけ離れた

抑うつの男女差は男女が公平な国で大きくなる

悲しい気分や罪悪感,落ち込んだりエネルギーが失われたりしたような状態が,抑うつという気分の状態です。よりひどくなると,形容しがたいどんよりとした気分,筆舌に尽くしがたいうっとうしい気分が襲ってきてそれが何日も続くような状態に陥るそうです。 そして,そのことで日常生活に支障が生じると,うつ病の可能性が疑われることになります。 過去12ヵ月間にうつ病や双極性障害(躁うつ病)にかかった人は,日本では1〜2%程度だそうです。少ないように思うかもしれませんが年間で約100万人がうつ

男女で学業成績の違いはあるのか

なんとなく,小学校や中学校などで「男子生徒よりも女子生徒の方が成績が良いのでは?」という直感を抱くことはあるようです。 ところが日本の大学進学率を見ても分かるように,学部・学科によって大学進学率は大きく男女比率が異なっていて,研究者の比率を考えると女性割合は圧倒的に少ない状況が続いています。 その一方で特にアメリカでは,“Boy Crisis”という言葉もあるようで,女子生徒よりも男子生徒の方が学業成績が伸びず,問題が多いということも指摘されているようです。こういうところ