見出し画像

保守的な政治志向の人はリベラルな人よりも幸せ?

社会の中で伝統的に蓄積された秩序を重視して,大きな変化をあまり志向しない政治的な態度を保守主義と言います。その一方で,個人の自由や多様性を尊重して,自己決定権を重視する政治的な態度をリベラリズムと言います。

とはいえ,これらは結構曖昧で,時代や国によっても内容は変わってきます。

日本の場合,保守と呼ばれる勢力が憲法を変えようとしていて,リベラル(革新)と呼ばれる勢力の方が憲法を守ろうとしているのも,保守とリベラルという定義からしてもよくわかりません。が,保守は国の権限を強くしようとし,リベラルが個々人の権利や価値観を守ろうとしていると考えれば,なんとなくわかるようにも思います。


どちらが幸福?

リベラルと保守,どちらの方が幸福なのかという研究が海外にはいくつかあります。日本だと,保守—リベラルの軸が曖昧なので,この手の研究はなかなかしにくいのですが,アメリカ合衆国だと二大政党のどちらを支持するかで明確に分かれてしまいますので,研究者から見ると非常に研究しやすい状況になっているように思います。

そして,どうやらこれまでの研究では,アメリカ合衆国の中ではリベラルよりも保守の方,つまり民主党よりも共和党支持者のほうが少しだけ幸福感が高い,という結果が得られているようです。


時代や場所の影響?

とはいえ,その関連は国が違えば変わるかもしれませんし,大統領が二大政党のどちらから出ているかによっても変わるかもしれません。そこで,こういった要因を加味したらどうなるかを検討した研究が行われています。この論文です(Are conservatives happier than liberals? Not always and not everywhere)。

この論文には,2つの研究が含まれています。

ここから先は

892字

¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?