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日々是好日・心理学ノート

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2019年5月の記事一覧

2019年5月のまとめ:11ヵ月目

noteを2018年7月から書き始めましたので,2019年5月で11ヵ月目になりました。 今月アップした記事を振り返っていきたいと思います。ビュー数が多い順に記事を並べていきます。 トップ10記事1.「面白いから」は理由にならないのですか いちばんアクセスが多かった記事は,内発的動機づけについて書いたこの記事です。内容が強引なのは承知の上です。 実はこの記事に書いている内発的動機づけなのですが,内発的動機づけにも種類がありまして,その中には内発的動機づけだからといってよ

ネコのビッグ・ファイブ・パーソナリティ

ネコを飼った経験はありますか?私の実家には生まれた時から色々な動物が飼われていて,物心ついた時からネコも家にいました。 田舎の家ですし,もともと農家のような家でしたので隙間も多く,どれだけ戸締まりをしてもどこかから勝手に家を出入りしていました。家を取り壊す時,物置になっていた2階を掃除すると,おそらく飼っていたネコが獲物にしたのであろう小動物の痕跡があちこちにあったのを覚えています。ネコはネコで自由気ままに暮らしていたようで。 ネコの年齢犬やネコが「人間で言えば何歳か」と

国によって性格って違いますよね?

「似ている」とか「違う」という言葉を,ふだん使う分には大きな問題が生じることはないと思うのですが,レポートや論文など明確な表現が求められるときには注意が必要です。 どうして注意が必要かというと,「似ている」とか「違う」の基準が曖昧だからです。何をもって「似ている」のか,何をもって「違う」のか,人によって感覚が全く違ってきてしまうことに問題があります。 似ている「お母さん似ですよね」「女の子はお父さんに似るものですよね」なんていう言葉は,子どもが生まれるととてもよく聞く言葉

親しい友人の死の影響

あまり考えたくないことではありますが,年齢を重ねれば重ねるほど,人は死に近づいていきます。それは避けられない問題でもあるのですが,普段はできるだけ考えないようにしている,というのが本当のところなのかもしれません。 人生はいつ何が起こるのか,まったくわかりません。私たちに必要なのは,この本に書かれているように,もしも自分や周囲に何か大きな問題が降りかかってきたとしても,そこから次善の策を検討していくことなのかもしれません。 この『オプションB』という本は,休暇先で突然夫を亡

退職すると健康になるのか

お勤めの皆さんには,「定年退職」という制度はあるでしょうか。私が子どものときに父親から聞いた話では「定年は55歳」でした。確かに,1980年代までは定年退職は55歳というのが一般的だったように思います。1990年代に入ると,60歳を下回る定年は設定できなくなり,今では希望すれば65歳まで雇用する義務があります。 今の日本で55歳とか60歳が定年だと,やっぱり「まだまだ先は長い」という印象かもしれません。その後も金銭的にも余裕があり,十分に幸せに暮らしていけるなら,それでもい

ヒアリの思い出

※見出し画像はヒアリではありません。 暖かくなって,おそらく女王アリだろうというアリを,庭で子どもと発見しました。羽も落としていたのでおそらく交尾済みだろうと思って。巣を作り始めるかな?とビンに土や小石を入れて入れてみました。 ヒアリについて「いつ日本に入ってきてもおかしくない」と言われるヒアリです。しかし,ここで踏ん張って,完全に入ってくるのを食い止めてもらいたいと心から思います。 先日,ヒアリ侵入防止のプロジェクトが始まったという記事を読みました(ヒアリの侵入防止へ

最高速度が「目安」にしかならない世の中

免許を取って車の運転を始めて,最初に「こういうものなの?」と感じるのは,最高速度についてではないでしょうか。もしかしたら,運転を始める前に助手席や後部座席に座っているときから感じることかもしれません。 それは,多くの車が指定された最高速度を守って走行してはいないということです。 守らない決まりとしては,「最高速度が指定されている道路ではその最高速度を超えて走行してはいけない」ということになっていますので,スピードが最高速度を超えたらアウトになるはずです。 とはいえ,速度

外向性と精神病理の関連は?

「内気な性格をなんとかしたい」と考える人は多そうです。言い換えると,内向的な性格を外向的な性格にしたい,ということになります。 どうして多くの人は,内向的な性格を外向的な性格にしたいと考えるのでしょうか。 ところで,外向性をどうしても「外交性」と書いてしまう人を見かけます。それだけ,ポジティブな対人関係のイメージが強いのでしょうか。 外向的であることでは,外向性とはどのような内容の概念なのでしょうか。 上の記事でも書いているのですが,外向性の中心的なはたらきは,ポジテ

課題の取り組みを先延ばしすることは学業成績に悪影響なのか

先延ばし(procrastination)という現象は,世界中でみられることのようです。調査によると,先延ばしをしたことがある大学生は少なくとも半数以上,調査によっては80%から95%にもなるそうです。たしかに,いつまでたっても課題になかなか取り組むことができない学生の姿は,よく目にするような気がします。 先延ばしの影響以前から,先延ばしは「不適応的な行動」だとされてきました。課題になかなか取り組むことができないのですから,実際にその課題の達成は遅れてしまいます。締め切りが

地域のパーソナリティの特徴は安定しているのか

「お国柄」って,あると思いますか? 県民性に注目したバラエティ番組もありますし,それぞれの地方に行くと使う言葉も風習も違っていたりしますし,住んでいる人々の年収や教育水準や関心もそれぞれの地方で違っていたり……「違い」に注目すると,いくらでも例を挙げることができそうに思います。 アメリカの地域差私は以前1年間大学からもらったサバティカル期間中のうち,4ヵ月をホノルル,8ヵ月をテキサス州オースティンで過ごしました。そのほか,学会で訪れた都市もいくつかありますが,たいていは大

かならず「何にとって」役立つかという視点を

人間の体の部位で「最も役に立たないのはどこか?」という記事がありました。 胆嚢や脾臓,また人間の手首にある小さな骨とか,錐体筋とか長掌筋とか,医師たちの面白い意見を読むことができましたし,こんな名前がついたところが体の中にあるんだ,と面白く読みました。 ても最後の医師がこんなことを言っています。 役に立たない臓器は、その環境によって変わってくるのです 扁桃腺が腫れて困る人はいますし,手術で取ってしまう人もいます。でも,抗生物質がない環境にいるならば,扁桃腺があったほう

嫌なことが何度も頭に思い浮かんでしまうのは男女どちらが多いのか

男女の心理学的な特徴の違いについては,本当にいろいろなことが言われます。最近は特に「脳」に絡めて記事が書かれることも増えているのではないでしょうか。たとえば「男性脳」と「女性脳」といった書かれ方ですね。 性別による違いを研究することに問題があるわけではありません。実際にいろいろな「違い」は研究の中で観察されます。 男性と女性こういう記事はけっこういろいろなところで目にします。 たとえば,「男性脳と女性脳の違いとは」という記事です。この記事の中に,次のように書かれています

学校は通過するだけですか?

首都圏では14%前後の小学生が,中学受験をするそうです。 東京に来て,しかも自分の子どもが受験をするようになって,初めて「それくらいが受験をするんだ」ということを知りました。本当に,世の中というものは知らないことだらけです。 何を気にする?子どもが進学するときに,親は何を気にするでしょうか。たぶん,こんな回答が返ってくるのかな,と想像してみますと......。 子どもがのびのびと過ごすことができる環境?人間として成長できること?学校行事や留学の制度が整っていること?いじ

田舎を出たかった頃

「ヒルビリー・エレジー」という本を読みました。アメリカにはラストベルトと呼ばれる地域があります。その地域での生活の様子や,情報が隔離されている様子,また社会階層を上がっていくことが難しい姿が描かれています。 カタカナで「ラスト」と書くと分かりづらいのですが,英単語では「rust」で「錆びついた」という意味です。 アメリカの中西部,五大湖周辺から大西洋沿岸にかけての地域のことです。細長い地帯になっていますので,「ベルト」という言葉が使われています。日本でも「太平洋ベルト地帯