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親しい友人の死の影響

あまり考えたくないことではありますが,年齢を重ねれば重ねるほど,人は死に近づいていきます。それは避けられない問題でもあるのですが,普段はできるだけ考えないようにしている,というのが本当のところなのかもしれません。

人生はいつ何が起こるのか,まったくわかりません。私たちに必要なのは,この本に書かれているように,もしも自分や周囲に何か大きな問題が降りかかってきたとしても,そこから次善の策を検討していくことなのかもしれません。

この『オプションB』という本は,休暇先で突然夫を亡くしてしまった著者のうちの一人と,心理学者によって書かれたものです。

親友の死の影響

年齢を重ねると,周囲の人々を亡くすという経験も増えていきます。これも避けられないことではあるのですが,できれば経験したくないことです。しかし,このような経験したくないようなことであっても,そこで何が起きるのかを研究することには価値があります。

親友の死がどのように心理的に影響するのかを検討した研究があります。この論文(Death of a close friend: Short and long-term impacts on physical, psychological and social well-being)です。

この研究では,オーストラリアの大規模な縦断調査のデータを分析しています。2001年に7000以上の家族,約2万人が参加し,15回目(2015年)の調査には1万7 千以上の家族,約2万3千人が参加しています。

調査の内容は,家族の関係,収入,雇用,健康,教育に関することでした。この中に,近親者との死別について問う質問があったということです。少なくとも1回以上この質問に答えた人は,26,515名いました。そのうち,9,586名が調査時点から過去1年間に親しい友人を亡くしていました。

友人を亡くした人たちの特徴

あくまでも統計的な結果として,ですけれども,親しい友人を亡くした経験をもつ人とそうではない人を比べるとどのような特徴が見られたのでしょうか。

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