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むさしの写真帖

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「写真っていうのはねぇ。いい被写体が来たっ、て思ってからカメラ向けたらもう遅いんですよ。その場の空気に自分が溶け込めば、二、三秒前に来るのがわかるんですよ。その二、三秒のあいだに…
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#写真

むさしの写真帖

むさしの写真帖

古いデジカメについて書いています。
ただしこれらの記事は2018年前後のものであるので、カメラのほとんどは手許にないのをご承知おきください。

追記: ネタが尽きたので写真、カメラにまつわること。またアラカンおじさんの日常について書いたりします。(2023年霜月朔日)

化け物

化け物

見慣れたはずだけども、やはりあの人混みを目の前にすると気後れしてしまう。
朝の名古屋駅のJRや私鉄から地下鉄へと移動する人の多さもかなりのものだったが、新宿のそれとは比較にならない。
なにせ乗降客数がギネス記録だ。

もうキャパシティ的には限界を超えているのだと思う。
東京には人が多すぎるのだ。
こちらに来て驚いたことの一つに「人がいない場所がない」ということがある。
例えば夜遅くに駅から歩いて帰

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アラカンフォトグラファーがベランダに立ってみたら

アラカンフォトグラファーがベランダに立ってみたら

インスタを見てると「◯◯歳フォトグラファーが...〜たら」というのがよく流れてくる。
よく見たら同じカメラを持っているので「アラカンフォトグラファーがベランダに立ってみたら」という感じで撮ってみる。

いやよく写るね、ホント。

伊良湖岬

伊良湖岬

芭蕉が保美の里に隠棲していた愛弟子の杜国を訪ね、伊良湖岬を清遊したのは貞享四年(1687年)十一月。
また島崎藤村は
「名も知らぬ遠き島より
流れ寄る椰子の實一つ
故郷の岸を離れて
汝はそも波に幾月
舊の樹は生ひや茂れる
枝はなほ影をやなせる
われもまた渚を枕
孤身の浮寢の旅ぞ
實をとりて胸にあつれば
新 なり流離の憂
海の日の沈むを見れば
激り落つ異郷の涙
思ひやる八重の汐々
いづれの日にか國に

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いい420

いい420

昨日中古レンズを買いに新宿まで行ったというのを書いたが、このカメラに付けるレンズなのである。

オリンパスE-420。

2008年に発売された一眼レフだ。
16年も前のカメラなので性能云々の話をしても仕方ない。
ぼくはこのカメラを死蔵していたのだ。
というよりも「忘れていた」が正しい。
先日、納戸の整理をしていた際、こちらに越してきてから1度も開封してない段ボールがあり、なんだっけな、と思いなが

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残すべきものと残るもの

残すべきものと残るもの

これは2015年に書いたもの。

久しぶりに赤線跡を歩いてみた。
ここは名古屋市北区の「城東園」である。

まだ辛うじて残っているが、建物の老朽化からか建て替えが進んでいて、どんんどんなくなっている。
前回訪ねたのは1年くらい前だが、その時から比べても何軒も建て替えられていた。

もっと心配だったのが、港区の「港陽園」跡地にある「かもめアパート」

この見事な豆タイルの細工を見よ!てな具合である。

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まねごと

まねごと

新宿に行ったので、ちょっとあの人のまねごとをしてきた。
あとから見ると小っ恥ずかしい。

羊質虎皮

羊質虎皮

最近インスタ見てると、やたら流れてくるショート動画。
写真やカメラについて、あるいは写真を撮る人にあれこれダメ出しした後に(それはもうずいぶんな物言いで)にとどのつまり「私のアカウントフォローして...」
ああ、なるほど...と思いつつ。 

分かってる人って分かったようなことは言わない。
いい写真を撮るにはどうしたらいいかなんて誰にも分からない。
写真について「いい」とか「わるい」というのは、ひ

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ぬことのひととき

ぬことのひととき

「誰か来やがったな」

「何だよ」

「用がないなら、さっさと行けよ」

「写真なんか撮ってんじゃねェよ」

「まったく暇なヤツだな」

遊郭

遊郭

もうずいぶん前の話になるが、旧遊郭、赤線跡などの写真を撮り歩いた時期があった。
そのころ知り合った人たちが、かつて妓楼であった建物に住んでいる人と懇意になり、いろんな話を聞かせてもらったり仲良くしているという話を聞いた。

この写真は、その知り合いが借りてきたというネガフィルムを、ぼくがスキャンしたものだ。
そのネガフィルムは120mmの6×6で、露出が足りておらず、スキャンするのにずいぶん苦労し

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