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【実質0円大学生活のすすめ】第12回:対面講義のメリット(1)

前回は、「オンライン講義」のメリットついて確認しました。オンライン講義は、コロナによる非対面コミュニケーションの広まりによって、利便性と安全性の高さから評価されています。ただし、大学・大学院の講義に関しては微妙な面もあるというのが正直なところです。そこで、今回から伝統的な「対面講義」について「実質0円大学生活」的なメリットも含めて考えていきましょう。

1. 対面講義のメリット

コロナ以前の大学・大学院の講義といえば、対面講義が主流でした。放送大学などでは、以前からビデオ視聴による受講が基本でしたが、それほど一般的ではありません。伝統的な対面講義には、主に以下のようなメリットがあります。そして、裏を返せば、このポイントはオンライン講義のデメリットともいえるのです。

a.情報の密度が高い
b.講師と個別なコミュニケーションが可能
c.雑談ができる

なお、今回と次回は「a.情報の密度が高い」を深堀りします。

2.情報の密度は「板書できるかどうか」に左右される

対面講義の最大のメリットは情報密度の高さです。伝統的な対面講義では、講師は黒板またはホワイトボードを使って自らの考えをプレゼンテーションします。これらのメディアは、自らの考えを文字だけでなく、図表を使うことでグラフィカルな表現を可能にする点に特徴があります。

さらに、黒板・ホワイトボードでは、講師のデジタル・リテラシーも問われません。パソコンやタブレットが苦手な先生でも、チョークやマーカーならストレスなく使えるでしょう。

一方、オンライン講義では、主に事前に準備されたスライド資料が中心で、即興的なグラフィカル表現は少なめです。用意された原稿に沿って話が進み、その場で生成されるライブな情報が表現されにくい傾向があります。

もちろん、オンラインでグラフィカルな表現をしようとすれば、タブレット用のスタイラスペンやPCに接続して使うペンタブレットなどを使えば可能ではあります。ただし、これらは「上級者向け」のデバイスというイメージもあり、一般には敬遠されがちなのです。

3. オンラインでは複雑な情報ほど闇に葬られる?

チョークやマーカーに代わる、デジタルで自由に表現する手段が持てない場合、通常はその情報は伝達されなくなります。そのトピックは避けられてしまうのです。「話したいけど、板書できないと難しいからやめておこうか」となります。

この決断は講師の心のなかで行われるため、受講者にはそのような情報があること自体を知るすべがないのです。

第12回のまとめ

1. 対面講義のメリットは、オンライン講義と比べて「情報密度の高さ」「講師とのコミュニケーションや雑談」などの可能性がより大きい点にある
2. 対面講義の情報密度の高さは、即興的な表現が可能な黒板・ホワイトボードにより生成されている
3. 板書に代わるデジタルな表現手段が使えない場合、その情報はスルーされてしまい、受講者に知られることもない


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