#1 ペタヤヴェシの古い木造教会と小さなコンサート
フィンランドで一番最初に行きたかったのが、ペタヤヴェシの木造教会です。 あるとき、北欧らしき場所にある木造の教会の夢を見たのです。教会って石造りではないの!? 不思議に思って検索してみると、フィンランドのペタヤヴェシに、古い木造教会があることが分かりました。2016年、初めてその教会を訪ねる機会がやってきました。
教会は、1763年から1765年にかけて、大工の棟梁ヤーコ・レッパネンが中心となって建てられました。地元の松が使われ、松からとれたタールを防腐剤に塗っているため、外壁が黒みがかっています。
1821年に棟梁の孫、エルッキ・レッパネンが、鐘楼とウロコ状の屋根、聖具室を増築し、現在の形になりました。
聖堂の入口で迎えてくれる天使たち。
ギリシャ十字形の聖堂内部。ランプに至るまですべて木の手作りです。
ひときわ目を引くのが説教壇。キリスト教文化にほとんど触れたことがない大工や職人たちが、一生懸命作ったのでしょう。素朴でユーモラスな聖像に、思わずクスッとなりました。
ほっぺが赤い4人の使徒さん・・ そういえば、ここには暖房設備がありません。
無数の天使たち
説教壇を支える聖クリストフォロス
八角形の丸天井には、12人の大工たちのイニシャルや制作年が手書きされています。
祭壇の後ろには、「聖なる堅信」の絵とマルティン・ルターの肖像画。
聖具室
使い込まれた木の風合いが素晴らしい。床板は、地下埋葬のために短くなっています。
礼拝だけでなく、地元のニュースを聞くなど、村人にとって大切な集いの場でもありました。
老朽化にともない新しい教会が別の場所に建てられたため、こちらは夏のみの公開です。結婚式の場所としても人気があるそうですよ♡
冬の間も船で通えるように、パイヤン湖の湖水路沿いに建てられました。
ひと夏の終わりを告げるコンサートの日。庭にしつらえたカフェで、コーヒーとシナモンロールを頂きながら、開演を待ちました。
2016年はアカペラの混声合唱
2017年はマリンバ。「日本人はテクニックがすごいから、コンクールでは上位になるんだよね」とのこと。(確かに・・・)
コンサートが終わって、三々五々家路に着く人たち。まだまだ明るい・・
のんびり草を食む羊さん
これまで3回訪れて、いつも帰り道に虹が出ました。木立に囲まれた、佇まいの美しい教会です。
<世界遺産:ペタヤヴェシの古い教会 公式サイト>