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夫婦ユニットという形

アトリエとなる部屋、
3部屋あります。
作業部屋は2部屋。
そのうち1部屋は元リビングだった場所で、一応もうミシン作業ができる状態になっていて。
でも和室の方は、この写真のような状態。
まだまだです。
ここは部屋自体もいじらないといけないので、まだ段ボールの山積みでモノが出せてないんですね。

これまではとりあえず一部屋でもミシン作業できる状態にする、を目標にしてきたので、後回しにしてきたけど、これからある程度まで整えて、床や壁に手をつけるのは、popup出展のオフシーズンになるかなと思います。
まだまだ道のりは遠い。

ミシン部屋の方も、本当はまだ完成ではないんです。
製作がスタートしているので、こちらも少しずつ、少しずつ。

今日はタイトルの通り、夫婦ユニットの形になるまでの話をしようかなと思います。

HOLO HOLO BIYORI革職人、と言ってるのはもちろん夫の事です。

彼は普通の会社員を30年続けてきた人。

私は転職もたくさんしてきた人なので、彼の"継続"を尊敬します。

そんな彼が
私のような
天邪鬼で自由奔放な生き方をしてきた人間と一緒になった事で
いろんな刺激を受けたようです。

ものづくりをしてみたいと言い出した。

ものづくりはもちろん未経験。
だからといって否定する理由にはなりませんでした。
ただ、簡単な事ではないという事はわかっておいてもらわないといけないと思ったし、身近に私がいるということで安易に捉えられては困るので
外に出ることを勧めました。

文化服装のオープンカレッジを検索。

習う、勉強する、ということも目的ではありましたが、通うという自発性、そして私以外のクリエイターとの出会いも目的の1つ。
外からの刺激も受けた上で、本当にやりたいことなのかを考えても遅くはないと思ったからです。

そして私は、誰かに教えるということには特に情熱は持っていません。
その時間があるなら自分のものづくりをやりたい。注ぎ込みたいのはあくまでそこなので、夫だからといって一からミシンや針仕事を教える気はありませんでした。身近にいるとなると甘えが出ます。わがままになります。やるからにはプロとして。そこを目指して欲しかったし、仕事をしながらでも勉強する事はできますからね、本気ならそうすべきと思ったので、お勧めしました。

私も過去、大学に入り、家の事情で中退、社会人となり、それから本当はずっとやりたかった服飾の勉強を始めたという経緯があるので、遅いとか早いとかより、やる?やらない?の意思の方が大事だと思っています。

彼が勉強したのは革の分野。
何を学びに行くのかも彼自身が決めたこと。
全て自発的に。

授業料のほか、材料、道具、共に新たなものが必要になりそれなりにお金もかかったけど、結果的に今、HOLO HOLO BIYORIのクリエイションの幅が広がったのは事実です。

このオープンカレッジに通った期間、やはり彼にとってもよかったのでは?と思っていて、何をやりたいのか、彼の中ではっきりしたというのもあります。
最初は私のものづくりを邪魔したらいけないからと、自分は自分のものづくりをすると言っていたのです。
しかし、色んな技術や知識が付いてきたり、授業で作品を作りながら、なんか違う…これじゃない感、あったようなんですね。
仕事として夫婦2人が別々のものづくり、非効率でお互いが中途半端になりそう。
そりゃあお互いが爆発的なブランド力と人脈を持っていたら、それでも食べていけるのかもしれないけど、私たちはそうではない。
2人で力を合わせるべきなのでは?
彼の方から話してくれました。
そして自分がやりたいことも、私のサポートだと言ってくれました。

正直ここまで私が頑張るとも思っていなかったし、その姿をずっと見てきて、HOLO HOLO BIYORIの今よりもっと先の姿が見たくなったと。だから加わりたいと言ってくれました。

夫はものづくりのパートナーであり、弟子ではありません。

経験値よりも、どう向き合ってくれるか。
逃げない心と、あれこれ単にやりたがるのではなく、大事なものを真ん中に持った上で対等に話ができること。

私がパートナーに求める事です。

私も麻袋という未知の素材と向き合いながら、ものづくりを進めています。

麻袋を殺さず、活かす…
活かすとは何か?
麻袋の +と−。
自分は何を魅力を感じているのか。

日々悩みながらも
今日までやってきました。

単に素材を麻袋に変えただけで
世の中にあるものを作るだけなら簡単なこと。
それでは不都合も不具合も出てくることもわかってる。
その上で
愛すべき素材として
あり続けるためには?

一緒に考えてくれる人がもう1人いる
今、こんなに頼もしいことはありません。

そして彼の社会人としての経験値
大量生産、システム化の生産業を知っているからこそ
個の魅力、個だからこそできること、
クリエイターブランドの強みを理解する。
彼がHOLO HOLO BIYORIに加わってくれる事で
私は今、どんなに心強いでしょう。

私は思考も含めて
そんなに器用な方ではないし
なかなかビジネスライクに物事を考えることができません。
簡単に情に流されてしまうし…

それが全て悪いとも思ってはいないけれど
経営となると
それだけでは無理だし
正解がなんなのか
わからなくなることもあります。

それでも今日までやってきて
その都度彼に相談もしてきた。
一緒にこの仕事をやる
と、決めてくれたのです。

彼から言われたこと。

もし私が、単にものづくりが好きだからとか、ファッションが好きだから
この仕事やってます
というだけだったなら
一緒にやろうなんて思わなかったと。

私は転職もたくさんして
たまたまかもしれないけれど
全ての仕事が今必要な経験で
あくまで結果論だけど
私の人生の中に無駄がない
私の経験全てを活かせる仕事が
HOLO HOLO BIYORI
そう確信できたから、サポートしたいと思ったのだと。

前もどこかで書いたことがあるけれど
私たちクリエイターの仕事は
作ることだけではなく
営業も販売も経理も事務も
全て含まれます。
もちろん、お金を払って外部へお願いするのも1つ。
それはその都度見極めていけばいいかなと思っています。

前に展示会に出展した時
企画会社の営業の方がお立ち寄りくださり

作家って営業できないでしょ?
営業してあげるよ?

と言われたことがあります。

なんて、失礼な!と思いましたが
確かに世の中的にそういう傾向はあるのでしょう。
(だからと言って、そのようなアプローチをしてくる営業さんに信頼は持てませんが…)

しかし私は自分のものづくりは
自分で伝えたい。
営業が得意とは言いませんが
私がやるべきことだと自覚はしています。

お客様に対しても伝えたいし
お取り組み先様に対しても伝えたい

知っていただく
興味を持っていただけることは
私にとっての喜びです。

それを"苦手"と言って逃げるのは
むしろ損をしていることだと感じるのです。

そういう立ち向かう姿も
彼は客観的に見ていてくれたようです。

夫婦2人でものづくりをすること
たまたま
お世話になっているお取り組み先様に
やはり長くお2人で商いをされているご夫婦がいらっしゃり
お話をさせて頂いたのですが
どちらも
2人でやるのはいいですよ、とおっしゃっていたのがとても印象的でした。
別々にお話をさせて頂いたので
それぞれ本心でのお言葉だということは伝わってきました。

嬉しい時は2人で喜べるしね
辛い時は…辛い時も2倍になるけどね、笑

と、社長、笑ってましたが

2人でやるってことは
それくらいの覚悟でやるってことですよね

と。

言葉が沁みました。
でもそういうことですよね。
こうして話が出来る方々が身近にいるという事が、ありがたい。
そう思います。


持ち家あるのに移住とか
2人でものづくりとか
周りから見たら
何やってんの?と思う事ばかり
手を出していると思います。
でも何年かかかったけど
移住を形にしたし
これからものづくりの方も
新しいHOLO HOLO BIYORI としてやっていきますよ。

なんでも無理と決めつけるのではなく
やってみる
失敗したとしても
やり直せばいいのです。
躓いた石は取り除いて、また歩き出せばいい。

馬鹿にされた人たちを見返してやる!とは思わないけど、私たちみたいな人もいるってこと、知ってもらえたらいいのかなと。

いつも私は
自分が納得する方向を選択します。
周りは色んなことを言う人がいるし
同業であっても
みんないろんな方法で仕事をしていると思います。

それぞれの考え方
それぞれの人生

何か一つにのめり込んだり
偏った思考に支配されるのではなく
納得する事を取り入れて
選択する
それだけは
継続していることです。

決して器用で優秀なやり方ではないのかもしれないけど。

損得だけでもないし
やっぱり人としての感情も
大事にしていきたいんですよね。


今週、新しい仕事のお話しをしに
とあるお店へ伺わせていただきます。
きっかけはTwitter

どこに何のきっかけがあるか
わからない時代。
タイミングが合う時は
むしろ引き寄せた!と思うようにしています。

人脈もコネもない
そんな私でも
なんとかこうして
ご縁を繋いでいます。

簡単じゃないからこそ
真剣にもなれる
一生懸命、考えるのです。

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