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書かない日々。

「今は今日?明日?」
「今は今日だよ」
「明日は今?」
「明日は今夜寝ると今になるよ。」

「おかさんコーヒー飲む?」
「うん、アイスがいいな。お砂糖入れて。」
「いいよー」

東京事変が好きすぎて。
YouTubeの前でオシリを振る母に、娘がオモチャのドリンクバーでアイスコーヒーを淹れてくれる。

「♪神様~!仏様~!」(←歌詞)
「おかさん、かみさまってだあれ?」
「んー、ほとけさまのお友だち。」
「ほとけさまってだあれ?」
「んー、かみさまのお友だち。」

「おかさん、なにしてる?」
「余韻に浸ってる」
「それなあに?」
「素敵な音楽や出来事に触れたあと、その気持ちよさを味わうこと」
「よにんにしたゆ」
「うん、そんな感じ。新出表現だな。」

母と娘、二人きりの家時間って密封空間で
。他の家がどんななのか知るよしもなし。我が家がこんななのもしられるよしもなし。

「ひめちゃんね、おかさんのお腹に入る前、冷たい雲の上にいたの」
「ほう」
「それでね、おかさんをみつけたんだよ」
「どうしてお母さんのお腹に入ろうと思ったの?」
「なんかおもしろそうだったから」
「今、おもしろい?」
「うん」
「そりゃ良かった。牛乳呑みねぇ」

3歳の時、母が私をどんな風に育てたのかを覚えてはいないけれどきっと似た調子だったのだと思う。
子守唄がグッバイマイラブと中央フリーウェイだったのは断片的に覚えている。

「雲の上にさ、神様いたんじゃないの?なんかさ、たぶんやさしい感じの大人なんじゃないかと思うんだよね。お母さん雲の上のこと覚えてないんだけど。」
「いたよ!やさしいおねえさんだった」
「なんだ、知ってるんじゃん。女の人なのか。たぶん、仏様とお友だちっていうのは間違いではないと思う。曖昧ですまぬ。」
「オッケー」

小さな小さな茶飲み友達。
言葉が少ないゆえの説得力みたいなものを持っていたりして隅に置けぬ。

ままごとキッチンで何やら料理する君の背中を眺めつつの一筆。
私の、ささやかな夏休み。
(オムツ、卒業しようぜ。)

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