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好きな音楽が耳に飛び込んだ瞬間、時計を見る癖がある。
先週土曜日、ラジオ番組のエンディングで緑黄色社会の「またね」をかけた瞬間、サテライト前のスタバテラスに座っていた女子高生がびっくりしたような顔で振り向いて、目が合った。
「す・き?」
人差し指で宙を指し、そう聞いてみた。
マイクはOFFなので口の形で、だ。
彼女は頷きも首を振りもしないで微笑んだ。
ああこれは会話だ、と思った。
そして、どこかでだれかがラジオの前で、同じ反応をしてくれていたらと思うと心が熱くなった。
私はこんな喜びのために、日々、音楽ハンティングをしている。
そして、コレ!という音楽に出会うとつい時計で時間を確認する癖がある。
これは私がもともとラジオ娘(リスナー)であることに起因している。
ラジオで好きな曲を耳にした時、オンエア時間を覚えておけばあとで調べようがあるからだ。命綱ならぬ音楽綱。細くて尊い蜘蛛の糸!
(職場の休み時間にラジオ局に電話してさっきのあの曲なんですか?と聞いた日が懐かしい。)
音楽が心に刺さる瞬間はいつやってくるかわからない。
ある時はカフェで珈琲を啜っている時だし、またある時は幼稚園バスの停留所になっている店の軒先で流れているラジオを耳にした瞬間だったりもする。(これ、私先週かけたもんね〜!ということもある笑)Eテレの「みんなのうた」なこともあるし、Spotifyのオススメ曲な時もあるし、アレクサが教えてくれることもある。夫のプレイリストに掘り出し物があることも。
気になるアーティストの楽曲を能動的にチェックすることももちろんあるけれど、この“偶然耳にひっかかってきた名曲”を収集するのが、どこか運命的で好きだ。
そんな訳で私の耳は、起きているあいだ中ずっと音楽を探している。
反射的に時計を確認して、その癖にひとり苦笑しながら。
これからも、音楽を聞く方の気持ちと、かける方の気持ちを行ったり来たりしつつ、次のラヂオをあたためていきたいなと思う。
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