「足の爪くらいウブでいさせてよ」
「足の爪くらいウブでいさせてよ」
山田詠美さんの、どの短編だったろうか。
こんなような台詞があったと思う。
化粧も香水もバッチリな女の子が、靴を脱いでみたら意外にもペディキュアの塗られていない素の爪だった、というエピソード。
読んだのは高校生の時だったけれど、当時の私には、それが非常に粋などんでん返しとして胸に刻まれた。ギャップの美学?不足の優位?とにかく、私の中でこのエピソードのインパクトは物語の結末のそれを超えてしまった。
あれから20年ほどが経過した今。
私は、足の