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わたしが肩書きを変えている訳

なんだか前回の投稿の終わりに、次回予告を「商空間」をテーマにすると書いたのですが、その前に書いておきたいことが出てきたので(笑)
この2投稿目は私の肩書きについて、お話しします。

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わたしは現在、名刺に『店舗空間プロデューサー』を名乗っています。

店舗空間プロデューサーって急に言われたっていまいちピンと来ないな〜という方も多いと思いますので、ちょっと言葉の因数分解から。

まず、店舗空間とは基本的に”商空間”のことを指します。

飲食店、アパレル、ホテル、ショールーム、デパートからイベントスペースまで、ありとあらゆる”商い”が行われる空間は全て当てはまります。

そして、プロデューサーとはGoogle先生にきけば色々と定義を教えてくれますがここは私なりの言葉で説明すると「俯瞰したものの見方で全体を把握し、ものごとの価値を高める役割の人」だと思っています。

ディレクターとどう違うのか?と思う方も多いかもしれないですがそれも私の中ではハッキリ線引きをつけていて、ディレクターはやはり直訳通り「監督」になるので、製作総指揮を担うプロデューサーとは目線が少し違うかなと思っています。

映画制作に例えるとわかりやすいですよね。ディレクターを管理しているのはプロデューサーなので。でも、映画も監督と製作総指揮が同じ人がやることもしばしばあるので、この言葉の差異って捉え方が難しいんでしょうね・笑

つまり、店舗空間プロデューサーという私の仕事は「商空間の価値を高めるために、あらゆるクリエイティブの制作総指揮を取ること」だと思っています。プロジェクトマネージャーという捉え方でも大丈夫です。

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空間デザイナーでもなく、ディレクターでもなく、プロデューサーと名乗る方がしっくりくる。そう思うのにはきっかけがありました。

それは、自分が一生懸命つくった店舗が、潰れてた。という体験を得た時でした。

もうかれこれ10年前...当時、新卒だった私に初めて与えられた現場監督の仕事で、チェーン店の出店工事がありました。普段よりも1週間ほど工期の短い、いわゆる突貫工事で、不慣れな中いろいろと叱られながらもなんとか仕上げた現場でした。

数年後、たまたま仕事の移動でそのお店の近くを通りかかったので「繁盛してるかな〜♪」と思って路地をくぐってみると、、無いんですよね、お店が。

ああ、あんなに頑張ったのに、売れなかったんだな...なんか..寂しいな。

今でこそ、チェーン店特有の移転スパン(売れなかったらさっさと撤退するような経営判断)なども理解はしていますが一生懸命作った身としては、それってまあまあショックなんですよ。。  そのガッカリに気付いてから「どうしたら潰れない店がつくれるだろう?」という想いが駆け巡るようになり、潰れない店をつくるにはよりお客様の目線に立って一緒にプロデュースをするような感覚でないと、本当の意味でいい店舗作りはできないんだという確信に辿り着きました。

何より自分が手がけたお店が、出来上がりの瞬間だけ賞賛されて数年後には消えてるなんて、そんなのカッコ悪い。本物のデザイナーとは言えないんじゃないか?と思うようになったのです。

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それを目指す上で、デザイナーという肩書きで空間のお仕事をするのも悪く無いのですが、デザインという言葉の深さ・定義を一般の方々がどれくらい理解しているか?によるなーと思ったのです。

デザイナーはその予算内、期間内で期待以上のデザインを仕上げる。これが当たり前です。でも、請け負った条件の範囲内でしか仕事ができない。お客様に「これが条件です」と手渡されたらそれでやるしかなく、条件そのものに提言はできないのです。

私は、お客様を”売れっ子状態”にしてあげるには、条件そのものも一緒に考える人間になったらいいんじゃないか?と考え、そのお店の未来とか将来売れ続けるお店を作れるノウハウやロジックを手に入れて、それを提案できるよう、学びを深めてきました。

だから、プロデューサーという肩書きで活動しています。そうすれば、下請けのような感覚から脱出できて、お客様とより対等に、より強固なパートナーシップとなって、視座を合わせた打ち合わせができるのではないか?と思っています。

今は、飲食店舗のプロデュースに力を入れ、特に経験値の高いスイーツ店舗の設計やデザインを手がけていきます。最近はやはりコロナ関連の助成金からのお問い合わせが多くなりました。きっかけは何でもいい、もっとお店を良くしたい!と思っているオーナーさんの願いをこれからも叶えていきたいです。

Atelier36.5℃は、心を掴む、ファンを増やす店舗づくりを約束します。

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