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求人の「正しい給与」の書き方 ~固定残業代編~

今回は、求人の給与に表記する「固定残業代」について紹介します。

以前に紹介した求人の「正しい給与」の書き方に関する他の記事は、以下をご覧ください。

固定残業代とは…?

労働基準法では「労働時間に応じた賃金を支払う」ことが定められています。
そのため、万が一残業が発生した場合は、基本給とは別に「残業した時間分の賃金」を残業代として支給しなければなりません。

これに対して、今回のテーマである「固定残業代」とは、残業の有無にかかわらず、就業規則などで予め定められた時間分の残業代を示します。

「◯時間残業したとみなして支払われる残業代」であることから、みなし残業代とも呼ばれます。
他にも「定額残業代」「見込み残業代」など、企業によって名称が異なる場合がありますが、内容は変わりません。

固定残業代は「毎月一定額支払われる手当=固定手当」となり、月給に含まれます。
仮に固定残業代20時間を含む場合、月の残業時間が0時間でも20時間でも月給は変わりません。
固定残業代は残業を強制するものではないため、たとえ残業をしていなくても残業代を支払わなければなりません。

ただし、残業時間が固定残業代の支給対象となる時間(上記の例であれば月20時間)を超えた場合は、超過した時間に応じて残業代を別途支給する必要があります。

固定残業代の計算方法

固定残業代は予め月給に含まれる手当ですが「割増賃金」となります。
※労働時間は1日8時間、週40時間までと法律で定められており、それを超える労働は割増賃金を支給しなければなりません

~固定残業代の計算手順~
①1ヶ月の平均所定労働時間
(365日 − 年間休日数) × 1日の所定労働時間÷12ヶ月

②1時間あたりの賃金
基本給 ÷ 1ヶ月の平均所定労働時間(①)

③1時間あたりの割増賃金
1時間あたりの賃金(②) × 割増率1.25倍

固定残業代
1時間あたりの割増賃金(③) × 固定残業時間

上記に沿って計算した正しい割増賃金を、固定残業代として記載しましょう。

固定残業代の記載方法

固定残業代は「残業時間」「金額」「超過残業分は別途全額支給すること」がポイントとなります。
求人募集をする際にも、この3点の記載が必須となります。

(例/簡易的に記載する場合)
基本給に加えて「固定残業代」20時間分、30,000円を含む場合

給与    月給240,000円~
給与の備考 ※固定残業代(30,000円/20時間分)含む、超過分は別途支給

固定残業代に関する必須事項の記載を満たしているため、給与の内訳の記載が難しい場合などは上記の内容で問題ありません。

しかし、固定残業代の詳細を知らない求職者にとっては重要な情報ですので、より親切な記載をおすすめします。

(例/詳細を丁寧に記載する場合)
基本給に加えて「固定残業代」20時間分、30,000円を含む場合

給与    月給240,000円~
給与の備考 【給与の内訳】
        基本給:210,000円
        固定残業代:30,000円

※時間外労働の有無に関わらず、20時間分の時間外手当として30,000円を支給、20時間を超える時間外労働分についての割増賃金は追加で支給

「残業時間」「金額」「超過残業分は別途全額支給すること」の3点をおさえ、わかりやすい記載を心がけましょう。

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今回の記事を参考に、自社で掲載している求人の固定残業代の表記に間違いがないか、ぜひ確認してみてください。

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