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PRPを改めて考える⑨ ~インプットの管理を忘れずに~

こんにちは! あたたけ です。

PRP集中連載中です。先が見えてきましたが。。。
『JFS-C 規格文書 2.3適正製造規範』を参考に、PRPの(代表的な)各項目について順にまとめています。

※前回のPRP記事はこちらから

今回は、『購入品の受け入れ』『輸送』についてです。

14.購入品の受け入れ ~原材料がダメだと、製品もダメになる! ただし、現実的な管理を!~

GMP 14 購入品の受け入れ
組織は、外部から購入する原材料、容器包装資材、サービスのうち、食品安全に影響するものすべてについて、受け入れ手順を定め、実施し、維持しなければならない。
また最終商品の安全性が損なわれていないこと、及び材料が用途に適していることを確実にするため、原材料、容器包装資材の検証を実施しなければならない。

 使う原材料が大丈夫か確認してねって話ですね。

あたたけが飲食店向けの研修をする時は、食中毒予防3原則をベースにすることが多いです。
食中毒予防3原則って、微生物(≒生物的ハザードのメイン)の挙動を抑えた注意点ですので、全食品を扱う人が理解しておくと良いだろうなぁと考えています。

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ただ、3原則って『飲食店の中(プロセス)』での話なので、『外から原材料等を入れる時(インプット)』は別に注意が必要だよ!って話もします。
これは、当然、飲食店だけでなく、食品工場含め、食品を扱う全ての事業者が注意すべきことです。
だって、『仕入れたものをそのまま売る』場合ですら関係あるんですから。
この、インプット時の管理が『購入品の受け入れ』というわけです。

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で、具体的に何を確認するのかですが、、、あまりハードルを上げても出来なくなりますので、外観からわかる破損や汚れ、期限、冷蔵品や冷凍品であれば温度などでしょうか(業種にもよりますけどね)。

ちなみに、温度については、温度測定をする方法(表面温度/開梱して中身の温度)や場所(外気温の影響の有無)なども考慮し、現実的な確認方法を考えないと、形だけのルール⇒形骸化というパターンになります。
冷凍品だったら、別の温度ははからなくても『とけた形跡がない』の確認で充分な気もします。

さらにさらに、あるべき論では『全数相当を受け入れ時点で確認』すべきでしょうが、なかなか難しいこともあります。
そんな時には、『使用時の確認』で不適切な原材料等の使用を防ぐことも一つの手ですね。
まぁ、受け入れ確認を全品していても、保管中に何かが起こるかもしれませんので、使用時確認はした方が良い気がします。
てゆーか、『使用時に確認する前提で、受け入れ時の確認方法を検討する』のが正しいんでしょうけどね。

ちなみに、ここでは『受け入れ』の話ですが、これとは別に『購入時』『選定時』の判断基準も決めることが大切です。
市場等で買い付けるのであれば『良し悪しを誰が/どのように判断するの
か』を決めておかないと、モノが悪いものを仕入れてしまうかもです。

あと、当然ですが、他の食品企業や生産者から仕入れる場合には、どのような考えで安全性を確保しているのかを確認することが望ましいです。
この辺りは別の話(購買管理、サプライヤー管理)ですので割愛しますが、『検査結果だけで満足しない、普段の管理を評価する』のは心掛けましょう。


15.輸送 ~だれの責任か、明確になってる?~

GMP 15 輸送
組織は、原材料(容器包装資材を含む)、半製品、仕掛品、手直し品及び最終製品(最終包装し、梱包した生鮮食品を含む)を運ぶための輸送用の容器・車両を、外部委託の車両も含め、使用目的に適合し、かつ整備され、清潔に保つ仕組みを確立しなければならない。

輸送と書かれると、あたたけは出荷後の話をイメージしますが、工場内での輸送も含まれています。さすがにしっかり規格を作ってあるなぁと思います。
以前、フローダイアグラムの記事でも触れましたが、『工程の間』って『部門の間』になっていて管理があいまいで、半製品等が放置されがちな工場をたまに見かけるんですよね。。。。。
それを防ぐためには、しっかりと考えておきましょう。

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さて、どんなことを管理するかですが、シンプルに次の3つで良いかと思います
①輸送設備(器具)自体がハザードを発生させないこと
②目的に応じた機能を持つ
③それを維持する

必要な機能としては、輸送中に汚染を起こさないためのバリア機能(汚染防止)と、食品の特性に応じた温度管理機能(細菌の増殖防止)でしょうか。
ただし、工場内輸送での温度管理に関しては、保管庫や作業室の温度管理と滞留時間の管理と組み合わせて考えれば、あまり気にしなくて良いかもしれません。

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ではでは。
今回はこの辺りで!


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